第三種電気主任技術者の過去問
平成29年度(2017年)
電力 問36
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 電力 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
電気絶縁材料に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ遠べ。
- ガス遮断器などに使用されているSF6ガスは、同じ圧力の空気と比較して絶縁耐力や消弧能力が高く、反応性が非常に小さく安定した不燃性のガスである。しかし、SF6ガスは、大気中に排出されると、オゾン層破壊への影響が大きいガスである。
- 変圧器の絶縁油には、主に鉱油系絶縁油が使用されており、変圧器内部を絶縁する役割のほかに、変圧器内部で発生する熱を対流などによって放散冷却する役割がある。
- CVケーブルの絶縁体に使用される架橋ポリエチレンは、ポリエチレンの優れた絶縁特性に加えて、ポリエチレンの分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることによって、耐熱変形性を大幅に改善した絶縁材料である。
- がいしに使用される絶縁材料には、一般に、磁器、ガラス、ポリマの3種類がある。我が国では磁器がいしが主流であるが、最近では、軽量性や耐衝撃性などの観点から、ポリマがいしの利用が進んでいる。
- 絶縁材料における絶縁劣化では、熱的要因、電気的要因、機械的要因のほかに、化学薬品、放射線、紫外線、水分などが要因となり得る。
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この過去問の解説 (3件)
01
SF6ガスは大気中に排出されてもオゾン層破壊への影響はありません。これが間違いです。
選択肢【2】
正しい記述です。絶縁油には変圧器内部を絶縁する役割のほかに、変圧器内部を冷却する役割もあります。
選択肢【3】
正しい記述です。架橋ポリエチレンは、ポリエチレンの優れた絶縁特性に加え、耐熱変形性を大幅に改善した絶縁材料です。
選択肢【4】
正しい記述です。がいしに使用される絶縁材料には、一般に、磁器、ガラス、ポリマの3種類があります。
最近では、軽量性や耐衝撃性などの観点から、ポリマがいしの利用が進んでいます。
選択肢【5】
正しい記述です。絶縁劣化には様々な要因があります。熱的要因、電気的要因、機械的要因のほかに、化学薬品、放射線、紫外線、水分などが要因となります。
以上により、選択肢【1】が正解となります。
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02
電力 h29 問14
公害関連の問題です。
これが間違いです。
SF6は六フッ化硫黄と言って大気に放出されると温暖化に繋がります。
公害関係は興味がなくても
絶縁油のPCBや火力発電のNOx,SOx、ガス遮断器のSF6くらいは覚えておきたいです。
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03
ケーブル、変圧器、遮断器などに用いられる電気絶縁材料に関する問題で、誤った記述を選択する問題となります。
それぞれの選択肢を見ていきましょう。
SF6ガス(六フッ化硫黄)は高い絶縁性能を有し、消弧能力が高いのでガス遮断器などに用いられています。主な特徴は以下のようになります。
①無色・無臭・無毒・不燃性である。
②空気よりも比重が大きい。
③アーク消弧能力が空気がより優れている。
④あまり高価ではない。
⑤温室効果ガスの一種で同質量の二酸化炭素より地球温暖化に及ぼす影響が大きい。
以上となります。
オゾン層破壊への影響はあまりないので、この記述は誤りとなります。なのでこちらが解答として適切となります。
変圧器の絶縁油の役割としては、主に絶縁と冷却のために用いられています。絶縁油には鉱油、植物油、合成油などがあります。
なのでこの記述は正しいです。
架橋ポリエチレンとは、ポリエチレンの優れた電気特性をそのままに鎖状分子構造を架橋反応により立体網目状分子構造とすることによって、その欠点であった耐熱変形性を大幅に改善した絶縁材料です。なのでこの記述は正しいです。
がいしとは電線と支持物を絶縁するために用いるものです。種類には磁器、ガラス、ポリマの3種類がありますが、その中でもポリマがいしは軽量であり、破損の恐れが少ないので利用が進み作業の効率化に貢献しています。なのでこの記述は正しいです。
架橋ポリエチレンケーブルは紫外線に弱く絶縁劣化の一因となります。また浸透水による劣化(水トリー劣化)も要因となり得ます。
その他、化学薬品、放射線なども絶縁劣化の要因になりえます。なのでこの記述は正しいです。
SF6ガス(六フッ化硫黄)に関する問題は頻出している印象があります。それだけ実用性にたけており、また近年の環境問題にも影響を与えていると思われます。なので重要ポイントとしてSF6ガスに特化して学習するのも悪くないと思います。
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