第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和2年度(2020年)
問40 (電力 問40)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和2年度(2020年) 問40(電力 問40) (訂正依頼・報告はこちら)

こう長25kmの三相3線式2回線送電線路に、受電端電圧が22kV、遅れ力率0.9の三相平衡負荷5000kWが接続されている。次の問に答えよ。ただし、送電線は2回線運用しており、与えられた条件以外は無視するものとする。
送電損失を三相平衡負荷に対し5%以下にするための送電線1線の最小断面積の値[mm2]として、最も近いものを次の選択肢の中から一つ選べ。ただし、使用電線は、断面積1mm2、長さ1m当たりの抵抗を1/35Ωとする。
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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

三相3線で送電線2回線なので、送電線本数は6本になります。

送電損失PLは、

 PL = 5000 × 0.05 / 6

   ≓ 41.67 [kW]

送電損失を発生させる電線の抵抗は、

 PL = RI2

 R = PL/I2

  = 41.67 × 103 / (72.9)2

  ≓ 7.841 [Ω]

電線の抵抗R[Ω]

 R = ρL/S

  〔 ρ:電線の抵抗率[Ω・mm2/m] L:電線の長さ[m] S:電線の断面積[mm2] 〕

より、

 S = ρL / R

  = 1/35 × 25 × 103 / 7.841

  ≓ 91.1 [mm2]

直近上位の 92 [mm2] となります。

よって、4 の「92」が正解となります。

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02

送電損失は、

抵抗による損失、P = I2R で求められます。

抵抗Rは、抵抗率ρ、こう長L[m]に比例し、

断面積S[mm2]に反比例することから、

 R = ρ L / S

と表せます。

すると、1回線の損失Pは、

P = (I/2)2 ρ L / S

と表せます。

ここで、第53789問で求めたように、

1回線分は、線電流Iの1/2としています。

今回は三相3線式2回線送電損失を求めるため、

その上記送電損失Pを

3相であるから3倍

2回線であるから2倍

として考えることになります。

また、問題よりρ = 1/35 Ω mm2/m と与えられています。

よって損失Pは下記のように表せます。

P = 3 × 2 × ρ L / S

  = 3 × 2 × (1/35) × 25 ×103 / S

このときPが

三相平衡負荷5000kWの5%以下となる時の、断面積Sの条件を求めると、

 P ≦ 5000 × 103 × 0.05

 3 × 2 × (1/35) × 25 × 103 / S ≦ 5000 × 103 × 0.05

これを整理し、計算すると

 S ≧ 91.08 mm2  となります。

よって、最も近い[4]が正解です。

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03

前問からの続きとなります。

本問では送電損失を三相平衡負荷に対し5%以下にするための送電線1線の最小断面積の値[mm2]を求める形です。

まずは条件に合わせて送電損失の値を求めます。

 

・5000×103×0.05/2=125[kW]

 

続いて三相電力を求める式を立て、そこから抵抗Rの値を求めていきます。なお電流の値は前問よりI=72.9[A]となります。

・P=3I2R[W]‥①

・R=P/3I2=125×103/3×72.92≒7.84[Ω]

 

ここで抵抗R[Ω]を求める公式を以下に記します。

・R=ρl/A[Ω]‥②

※ρ:抵抗率、l:電線のこう長、A:断面積[mm2]

 

上記②式を変形させて断面積を求めます。

・7.84=(1/35×25×103)/A

・A=0.7143×103/7.84≒91.1[mm2]

 

断面積91.1[mm2]の直近上位92[mm2]が最も近い値となります。

 

選択肢4. 92

こちらが適切な解答となります。

まとめ

この問題は重要な公式が複数出てくるので、必ず覚えておきましょう。

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