第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和2年度(2020年)
問42 (電力 問42)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和2年度(2020年) 問42(電力 問42) (訂正依頼・報告はこちら)

図のような系統構成の三相3線式配電線路があり、開閉器Sは開いた状態にある。各配電線のB点、C点、D点には図のとおり負荷が接続されており、各点の負荷電流はB点40A、C点30A、D点60A一定とし、各負荷の力率は100%とする。
各区間のこう長はA−B間1.5km、B−S(開閉器)間1.0km、S(開閉器)−C間0.5km、C−D間1.5km、D−A間2.0kmである。
ただし、電線1線当たりの抵抗は0.2Ω/kmとし、リアクタンスは無視するものとして、次の問に答えよ。

開閉器Sを投入した場合、開閉器Sを流れる電流iの値[A]として、最も近いものを次の選択肢の中から一つ選べ。
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この過去問の解説 (3件)

01

開閉器Sが閉じていることから、

B~C間にも電流が流れます。この電流をiとします。

それに伴い、D~C間も、30Aそのままではなく、

30A − i の電流が流れます。

開閉器へ流れる電流をiとしたことで、

各部に流れる電流値について、

iを用いて表現することが出来ます。

[上段回路A〜B〜C]

 IAB = 40 + i

 IBC = i

[下段回路A〜D〜C]

 IAD = 90 − i

 IDC = 30 − i

上段回路と下段回路は並列接続です。

よって、それぞれの電圧降下は等しくなります。

つまり、

 √3 × (IAB × RAB + IBC × RBC) = √3 × (IAD × RAD + IDC × RDC)

が成立します。

 √3 × ((40 + i) × 0.3 + i × 0.3 ) = √3 × { (90 − i) × 0.4 + (30 − i) × (0.3) }

これを整理すると、

 13i = 330

 i = 25.38 [A]

よって、最も近い[2]が正解です。

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02

正解は2です。


1線当たりの抵抗を求めます。
A−B間 抵抗 RAB:0.2[Ω/Km] × 1.5 = 0.3 [Ω]
B−S間 抵抗 RBS:0.2[Ω/Km] × 1.0 = 0.2 [Ω]
S−C間 抵抗 RSC:0.2[Ω/Km] × 0.5 = 0.1 [Ω]
C−D間 抵抗 RCD:0.2[Ω/Km] × 1.5 = 0.3 [Ω]
D−A間 抵抗 RDA:0.2[Ω/Km] × 2.0 = 0.4 [Ω]


開閉器Sを流れる電流を i [A]とすると
A−B間 i + 40 [A]
D−C間 i − 30 [A]
D−A間 i − 90 [A]

三相回路の電圧降下 V = √3IR ・・・①

①の式に各間の電圧降下を求めます。

A−B間の電圧降下 VAB = √3 × (i + 40) × 0.3
B−C間の電圧降下 VBC = √3 × i × (0.2 + 0.1)
C−D間の電圧降下 VCD = √3 × (i − 30) × 0.3
D−A間の電圧降下 VDA = √3 × (i − 90) × 0.4

この閉回路を1周する電圧降下VAAは、キルヒホッフの法則により0となります。
 VAA = VAB + VBC + VCD + VDA = 0
 {√3 × (i + 40) × 0.3} + {√3 × i × (0.2 + 0.1)} + {√3 × (i − 30) × 0.3} + {√3 × (i − 90) × 0.4} = 0
 0.3i + 12 + 0.3i + 0.3i − 9 + 0.4i − 36 = 0
 1.3i − 33 = 0
 1.3i = 33
 i = 25.38
  ≓ 25.4 [A]

よって、2 の「25.4」が正解となります。

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03

前問からの続きとなります。

今回は開閉器Sを投入した時に開閉器Sを流れる電流iの値[A]を求めていく問題です。

 

開閉器Sを投入することでA-B-C間(上側)とA-D-C間(下側)の並列接続となるのでそれぞれにかかる電圧はイコールと見なせます。よって未知数iを使ってそれぞれの式を立てた上で方程式を作り、そこから電流iを求めていくことがこの問題を解く手順となります。

まずはA-B間とA-C間の抵抗を求めます。

・RAB=0.2×1.5=0.3[Ω]

・RBC=0.2×1.5=0.3[Ω]

 

次に電流を求めますがA点を基準とした時に流れる電流はA-B-C間(上側)は電流iと同じ方向で、A-D-C間(下側)は逆方向となります。以上を踏まえた上で各線間の電流値は次のようになります。

・IAB=40+i[A]

・IBC=i[A]

・IAD=90-i[A]

・IDC=30-i[A]

 

続いて電圧降下を求めていきます。まずはA-B-C間(上側)は次のようになります。

・vAB=√3IAB×RAB=√3(40+i)×0.3=20.78+0.52i

・vBC=√3IBC×RBC=√3i×0.3=0.52i

・v=20.78+0.52i+0.52i=20.78+1.04i‥①

 

次にA-D-C間(下側)を求めます。

・vAD=√3IAD×RAD=√3(90-i)×0.4=62.35-0.69i

・vDC=√3IDC×RDC=√3(30-i)×0.3=15.59-0.52i

・v=62.35-0.69i+15.59-0.52i=77.94-1.21i‥②

 

上記①=②の関係性から電流iは次のようになります。

・20.78+1.04i=77.94-1.21i

・2.25i=57.16

・i=57.16/2.25≒25.4[A]

以上となります。

選択肢2. 25.4

こちらが適切な解答となります。

まとめ

計算量が多い問題なので時間を要する問題と言えます。方程式に慣れてない方は数学の基礎から見直されることをおすすめいたします。

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