第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
法規 問80
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 法規 問80 (訂正依頼・報告はこちら)
図に示すように、高調波発生機器と高圧進相コンデンサ設備を設置した高圧需要家が配電線インピーダンスZSを介して6.6kV配電系統から受電しているとする。コンデンサ設備は直列リアクトルSR及びコンデンサSCで構成されているとし、高調波発生機器からは第5次高調波電流I5が発生するものとして、次の問に答えよ。
この設問は、(前問)の続きの設問となります。
「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」では需要家から系統に流出する高調波電流の上限値が示されており、6.6kV系統への第5次高調波の流出電流上限値は契約電力1kW当たり3.5mAとなっている。今、需要家の契約電力が250kWとし、上記ガイドラインに従うものとする。このとき、高調波発生機器から発生する第5次高調波電流I5の上限値(6.6kV配電系統換算値)の値[A]として、最も近いものを次の選択肢の中から一つ選べ。
ただし、高調波発生機器からの高調波は第5次高調波電流のみとし、その他の高調波及び記載以外のインピーダンスは無視するものとする。なお、上記ガイドラインの実際の適用に当たっては、需要形態による適用緩和措置、高調波発生機器の種類、稼働率などを考慮する必要があるが、ここではこれらは考慮せず流出電流上限値のみを適用するものとする。
この設問は、(前問)の続きの設問となります。
「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」では需要家から系統に流出する高調波電流の上限値が示されており、6.6kV系統への第5次高調波の流出電流上限値は契約電力1kW当たり3.5mAとなっている。今、需要家の契約電力が250kWとし、上記ガイドラインに従うものとする。このとき、高調波発生機器から発生する第5次高調波電流I5の上限値(6.6kV配電系統換算値)の値[A]として、最も近いものを次の選択肢の中から一つ選べ。
ただし、高調波発生機器からの高調波は第5次高調波電流のみとし、その他の高調波及び記載以外のインピーダンスは無視するものとする。なお、上記ガイドラインの実際の適用に当たっては、需要形態による適用緩和措置、高調波発生機器の種類、稼働率などを考慮する必要があるが、ここではこれらは考慮せず流出電流上限値のみを適用するものとする。
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この過去問の解説 (2件)
01
※この問題は(前問)と関連しています。
(前問)から、ここで使用する表の中の値は次のようになっています。
ZS5 = j22
ZSR5 = j165
ZSC5 = −j109
まずは第5次高調波の電流を計算します。
問題文に、「6.6kV系統への第5次高調波の流出電流上限値は契約電力1kW当たり3.5mAとなっている。」とあります。
それにより、 今回の契約電力は250kWであるため、第5次高調波の電流Imは次のようになります。
Im = 3.5*250
= 875 [mA] ≒ 0.88 [A]
次にSR/SCに流れる電流Ircを求めます。
接続として、ZSRとZSCは直列接続となっています。
さらに、その組み合わせはZSと並列接続となっているため、印加されている電圧は同じになります。
よって、次の式となります。
Im*ZS5 = Irc*(ZSR5+ZSC5)
より、
Irc = Im*ZS5 / (ZSR5+ZSC5)
= 0.88*j22 / (j165 -j109)
= 0.88*22 / 56
≒ 0.35 [A]
I5はImとIrcの合計になるため、
I5 = Im + Irc
= 0.88 + 0.35
= 1.23
≒ 1.2 [A]
となります。
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02
1kWあたり3.5mAで、契約電力が250kWなので、
3.5mA × 250kW = 0.875A が第五調波の上限値になり、
6.6kV系統ではこれを超過してはいけないことになります。
次に高調波発生機器から6.6kV系統へ流れていく電流Iについて考えます。
リアクトル及びコンデンサ側の合成インピーダンスは、j165 − j109で、
6.6kV系統側のインピーダンスはj4.4であることから、
0.875 = {(j165 − j109)/((j165 − j109) + j4.4)} × I
が成立します。
Iについて求めると、
I = 1.22 ≒ 1.2
です。
こちらが正解です。
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