第三種電気主任技術者の過去問 令和2年度(2020年) 法規 問79
この過去問の解説 (2件)
正解:【5】
この問題はインピーダンスの計算に関する問題です。
問題文に3つのインピーダンスが定義されています。
(a)Zs → 実部はないため、抵抗成分はないことが分かります。
虚部は正であるため、誘導性(インダクタンス)になります。
※ 図にインダクタンスとして記載されています。
抵抗成分がないため、インピーダンスはリアクタンス部分のみになります。
Zs = jXl = jωL = j2πfL
ここで、L はインダクタンス値、f は周波数です。
基本のインピーダンス Zs1 に対して、5次高調波に対するインピーダンス Zs5 は次のように求められます。
Zs5 = j2π(5f)L
= 5 * j2πfL = 5 * Zs1
上記より、Zs5 = 5 * Zs1 になり、問題にある値を代入すると、
Zs5 = 5 * j4.4 = j22
となります。
(b)Zsr → こちらはZsと同じように誘導性のみであって、(a)と同じ考えを使えますので、Zsr5 = 5 * Zsr1 となり、問題にある値を代入すると、
Zsr5 = 5 * j33 = j165
となります。
(c)Zsc → 実部はないため、抵抗成分はないことが分かります。
虚部は負であるため、容量性(キャパシタンス)になります。
※ 図に容量として記載されています。
抵抗成分がないため、インピーダンスはリアクタンス部分のみになります。
Zsc = 1 / (jXc) = 1 / (jωC)
= 1 / (j2πfC)
ここで、C は容量値、f は周波数です。
基本のインピーダンス Zsc1 に対して、5次高調波に対するインピーダンス Zsc5 は次のように求められます。
Zsc5 = 1 / (j2π(5f)C)
= 1 / 5 * 1 / (j2πfC)
= Zsc1 / 5
上記より、Zsc5 = Zsc1 / 5になり、問題にある値を代入すると、
Zsc5 = −j545 / 5 = −j109
となります。
以上により、Zs5 = j22、Zsr5 = j165、Zsc5 = −j109 となり、選択肢の【5】が正解となります。
第5次高調波に対するインピーダンスについての問題です。
第5次調波を加えるということは、周波数が5倍になるということなので、
コイル及びリアクトルによるインピーダンスはfに比例し、コンデンサによるインピーダンスはfに反比例します。
よって、
ZSC5 = j4.4×5 = j22、
ZSRS = j33×5 = j165、
ZSC5 = (−j545/5) = −j109
となります。
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