第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
電力 問3

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 電力 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、火力発電所に関する記述である。
火力発電所において、ボイラから煙道に出ていく燃焼ガスの余熱を回収するために、煙道に多数の管を配置し、これにボイラへの( ア )を通過させて加熱する装置が( イ )である。同じく煙道に出ていく燃焼ガスの余熱をボイラへの( ウ )空気に回収する装置が、( エ )である。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
  • ア:給水  イ:再熱器  ウ:燃焼用  エ:過熱器
  • ア:蒸気  イ:節炭器  ウ:加熱用  エ:過熱器
  • ア:給水  イ:節炭器  ウ:加熱用  エ:過熱器
  • ア:蒸気  イ:再熱器  ウ:燃焼用  エ:空気予熱器
  • ア:給水  イ:節炭器  ウ:燃焼用  エ:空気予熱器

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

火力発電では、LNG(液化天然ガス)や石炭などを燃やし、給水を加熱させて蒸気とし、さらに加熱した過熱蒸気でタービンを回して発電します。

熱に注目すると、理想は全ての熱エネルギーが給水に供給され、タービンで消費されることですが、あらゆるところで熱損失が発生します。中でも最も大きいのが復水器による損失であり、多くの熱を奪って蒸気を水に戻します。さらに煙突から放出されるガスが熱を持っていると、ここでも熱が放出され、損失となります。

この煙突までの配管の熱をどうにか有効活用できるようにと工夫されたのが節炭器と空気予熱器です。節炭器は給水を蒸発させない程度まで加熱し、空気予熱器は燃焼用の空気を事前に加熱させておきます。こうすることにより、ボイラの熱効率が向上します。

選択肢5. ア:給水  イ:節炭器  ウ:燃焼用  エ:空気予熱器

こちらが正答です。

参考になった数2

02

火力発電所の効率の向上対策として、ボイラの熱損失対策があります。

 

主なボイラの熱損失は次のようなものがあります。

 

①排ガス中の水蒸気の熱量

②煙突から放出される排ガスの持ち去る熱量

③不完全燃焼による未燃焼分の熱量

④火炉壁・ボイラ附属設備周辺から大気中に放散される熱量

 

以上となり、火力発電所におけるボイラの煙道ガスの余熱を回収する装置は節炭器空気予熱器が挙げられます。

 

・節炭器‥煙道ガスの余熱を利用して、煙道に多数の配管を設置し、これにボイラへの給水を加熱して熱効率を向上させる。

・空気予熱器‥煙道ガスの余熱を利用して、燃焼用空気を加熱し回収する装置。

 

以上より、空白箇所は次のようになります。

 

・( ア )‥給水

・( イ )‥節炭器

・( ウ )‥燃焼用

・( エ )‥空気予熱器

 

各選択肢を見ていきます。

選択肢5. ア:給水  イ:節炭器  ウ:燃焼用  エ:空気予熱器

解説の冒頭の内容と一致するので適切です。

まとめ

火力発電所の熱効率対策は、知識問題及び計算問題としても出題されていますので過去問を繰り返し問いて、慣れておくことをお薦め致します。

参考になった数0

03

正しい組み合わせは、下記のとおりです。

 

ア:給水

イ:節炭器

ウ:燃焼用

エ:空気予熱器

 

下記のポイントを押さえておきましょう。

 

・節炭器は、火力発電の効率を向上させる設備で、排気ガスの熱で水を温めて燃料を節約する役割があります

・空気予熱器は、燃焼空気を温めて燃焼を容易にすることで、ボイラの効率やプラント効率を向上させる機器です。

参考になった数0