第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
電力 問8

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 電力 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

次に示す配電用機材(ア)~(エ)とそれに関係の深い語句(a)~(e)とを組み合わせたものとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • (ア)-(c)  (イ)-(d)  (ウ)-(e)  (エ)-(a)
  • (ア)-(c)  (イ)-(d)  (ウ)-(a)  (エ)-(e)
  • (ア)-(c)  (イ)-(d)  (ウ)-(a)  (エ)-(b)
  • (ア)-(d)  (イ)-(c)  (ウ)-(a)  (エ)-(b)
  • (ア)-(d)  (イ)-(c)  (ウ)-(e)  (エ)-(a)

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この過去問の解説 (3件)

01

問題で示されている各語句の特徴は以下のようになります。

 

(a)水トリー

・架橋ポリエチレンケーブル(CVケーブル)の絶縁体中に侵入した水や異物などが浸透し、劣化を経て絶縁破壊する現象をいいます。

 

(b)鉄損

・鉄損は変圧器(柱上変圧器)に発生する損失の一種で、ヒステリシス損とうず電流損によって構成され、無負荷損とも呼ばれています。

 

(c)酸化亜鉛(ZnO)

・避雷器で用いられる素材には、炭化ケイ素(SiC)や酸化亜鉛(ZnO)がありますが、現在主流のギャップレス避雷器の素材は酸化亜鉛(ZnO)が使用されています。酸化亜鉛は電圧が低いと電流はながれませんが、ある電圧を超えると急激に電流が流れる非直線特性を有しています。

 

(d)六フッ化硫黄(SF6)

ガス開閉器には消弧能力の優れた六フッ化硫黄ガス(SF6)を圧縮して、アークに吹き付けて消弧する方式であり高電圧、大容量の遮断器として用いられます。

 

(e)ギャロッピング

・氷雪が翼状に付着した電線に風が当たると、揚力が発生し電線が上下に激しく振動する現象を言います。

 

以上より、正しい組み合わせは以下のようになります。

(ア)-(c)、(イ)-(d)、(ウ)-(a)、(エ)-(b)

選択肢3. (ア)-(c)  (イ)-(d)  (ウ)-(a)  (エ)-(b)

解説の冒頭の内容と一致するので適切です。

まとめ

今回の問題で出題された用語集はいずれも過去の試験で頻出しておりますので、再度確認をお願いします。

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02

配電機器についての理解を問う問題です。

【ギャップレス避雷器】

ギャップ(空隙)がない避雷器のことです。ギャップがないことから放電遅れがなく、小型・軽量です。この特性を持たせるため、特性要素に酸化亜鉛を用いています。

【ガス開閉器】

ガス絶縁開閉装置(GIS)は、遮断器や断路器などの機器と線路を1つのガスタンクに収め、据え付け面積をコンパクトにしたものです。無色・無臭で絶縁性が高いことから、六フッ化硫黄(SF6)が用いられます。ただし、この気体は温室効果ガスであるため、点検時の回収などは適切に行う必要があります。

【CVケーブル】

架橋結合したポリエチレンを絶縁材料としてもちいた電力ケーブルであり、絶縁性や耐熱性がよいことからよく用いられます。ケーブルに水分が浸入することによってその部分の電界が大きくなり、トリー状の欠陥が進むことを水トリーといいます。トリー(絶縁破壊痕跡)には様々な種類があります。

【柱上変圧器】

変圧器における鉄損は、渦電流損、ヒステリシス損に分類できます。

ギャロッピングとは、電線に扁平な氷雪が付着し、そこに風が吹くことによって飛行機の翼と同じ原理で揚力が発生し、電線が上下に振動する現象です。地絡や相間短絡の原因となります。

選択肢3. (ア)-(c)  (イ)-(d)  (ウ)-(a)  (エ)-(b)

正しい回答です。

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03

正しい組み合わせは、下記のとおりです。


(ア)-(c)

 ギャップレス避雷器の素材は、ZnOです。

 

(イ)-(d)

 ガス開閉器は、SF6で充填して、充填圧力を確認しているのが特徴です。

 

(ウ)-(a)

 高圧のCVケーブルといえば、水トリーです。

 E-EやE-Tタイプのケーブルがありますので覚えておきましょう。

 

(エ)-(b)

 柱状変圧器は、損失があるため、鉄損を導くことができます。

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