第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
電力 問16

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 電力 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

石炭火力発電所が1日を通して定格出力600MWで運転されるとき、燃料として使用される石炭消費量が150t/h、石炭発熱量が34300kJ/kgで一定の場合、次の問に答えよ。
ただし、石炭の化学成分は重量比で炭素が70%、水素が5%、残りの灰分等は燃焼に影響しないものと仮定し、原子量は炭素12、酸素16、水素1とする。燃焼反応は次のとおりである。
C+O2 → CO2
2H2+O2 → 2H2O

1日に発生する二酸化炭素の重量の値[t]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
  • 3.8×102
  • 2.5×103
  • 3.8×103
  • 9.2×103
  • 1.3×104

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この過去問の解説 (2件)

01

まず、1日の消費量は、150×24=3600[t]となります。

次に、炭素の消費量は、3600×0.7=2520[t]となります。

 

ここで、下記に着目します。

・炭素C→二酸化炭素CO2となることを原子量で考えます。

・すると、原子量12→44とります。

 

よって、下記のとおり算出できます。

2520×44/12=9240[t]→9.2×103[t]

 

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02

前問からの引き続きの問題です。

 

1日に発生する二酸化炭素の重量の値[t]を求めるにあたって、まずは石炭火力発電所の定格出力で稼働した時の1日で発生する電力量を求めていきます。

 

・発電電力量W=600×106×24=14400×106=14400×103[kw・h]

 

上記で求めた電力量[kw・h]に3600[kw・s]を乗じて[kJ]に変換していきます。

・W=14400×103×3600=51840000×103=51.84×1010[kJ]

 

次に石炭の消費量を求めていきます。前問で求めた発電端効率42[%]の結果より消費量は次のようになります。

・石炭消費量Q=51.84×1010[kJ]/0.42≒123.43×1010[kJ]

 

上記の結果を元に石炭の重量を求めていきます。消費量Q=BHという関係性から次のように求めていく事ができます。

・石炭の重量B=123.43×1010[kJ]/343×106[kJ/t]=0.359×104≒3.6×103[t]

 

34300kJ/kg=343×106[kJ/t]

問題で問われている最終的な値の単位は[t]なので[kg]から変換する必要があります。

 

次に上記で求めた石炭の重量の値に重量比の炭素成分70%を乗じます。

3.6×103[t]×0.70=2.52×103[t]

 

次に二酸化炭素の重量を求めていくには炭素1㎏あたりの各重量を求めなければなりません。

問題文より原子量は炭素12、酸素16、水素1とあり二酸化炭素の化学反応式C+O2 → CO2

の関係性から二酸化炭素の原子量は以下のようになります。

CO2C+O2=12+(16×2)=44

※酸素の原子量は2なので16×2=32となります。

 

二酸化炭素CO2の重量は以下のように表せます。

・炭素C=12/12=1[kg]

・酸素O2=32/12[kg]

二酸化炭素CO2=1+32/12=44/12[kg]

 

最後に石炭の重量に二酸化炭素の1㎏あたりの重量を乗じます。

2.52×103[t]×44/12=9.24×103[t]≒9.2×103

上記で求めた値が1日に発生する二酸化炭素の重量の値となります。

選択肢4. 9.2×103

解説の冒頭の数値と一致するの適切です。

まとめ

この問題は前問が解けないと誤ってしまいますので、注意が必要です。また、前の問題と同様に指数の取り扱いにも気を付けましょう。

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