第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)上期
問44 (機械 問2)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 問44(機械 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機があり、電源電圧は定格の12V、回転を始める前の静止状態における始動電流は4A、定格回転数における定格電流は1Aである。定格運転時の効率の値[%]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし、損失は電機子巻線による銅損しか存在しないものとする。
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この過去問の解説 (3件)

01

小形直流電動機の定格運転時の効率の値[%]を求める計算問題となります。

 

効率を求める公式は以下のようになります。

・効率η=出力/入力×100[%]=出力/出力+損失×100[%]

上記のようになります。なので定格運転時の出力[W]と損失を求めていく必要があります。

 

まずは出力P0[W]を求めていきましょう。

・出力P0[W]=E×Ia‥①

※E:誘導起電力[V]、Ia:電機子電流[A]

 

直流電動機の誘導起電力を求める式は以下のようになります。

・E[V]=V-IaRa‥②

 

問題文より電源電圧V=12[V]、回転を始める前の静止状態における始動電流I=4[A]より

電機子抵抗Ra[Ω]を求めていきます。静止状態なので回転速度は0[min-1]となり誘導起電力E=0[V]以上の情報を②式に代入していきます。

・0[V]=12-4×Ra

・Ra=12/4=3[Ω]

 

次に定格運転時の誘導起電力[V]を求めます。定格回転数における定格電流は1Aとあるので、先ほど求めた電機子抵抗Ra=3[Ω]と共に②式に代入します。

・E[V]=12-1×3=9[V]

 

誘導起電力[V]と電機子電流[A]が分かったので①式に代入して出力P0[W]を求めます。

・出力P0[W]=9×1=9[W]

 

次にこの直流電動機の損失を求めていきます。問題文より電機子巻線による銅損しか存在しないとあるので銅損だけを考慮します。求める式は以下となります。

・P1=Ia2×Ra[W]‥③

 

上記③式に数値を代入します。

・P1=12×3=3[W]

 

最後に効率を求めます。

・効率η=(9/9+3)×100=75[%]

 

以上のようになります。

選択肢4. 75

解説の冒頭の数値と一致するので適切です。

まとめ

問題文を読み取って等価回路を描けるように、慣れるまで繰り返し学習をしましょう。

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02

電機子抵抗Raは、下記のとおり求めることができます。

12=4Ra

Ra=3[Ω]

 

次に、逆起電力Eは下記のとおりとなります。

12=E+3

E=9[V]

 

これにより、効率ηは下記のとおりとなります。

η=EI/VI=9/12=0.75

 

よって、効率は75[%]です。

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03

界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機の効率に関する問題です。

 

計算に必要な値や量記号は以下の通りです。

 

電源電圧:V=12[V]

始動電流(電機子電流):Ia0=4[A]

定格回転数における定格電流:Ian=1[A]

逆起電力:E[V]

電機子抵抗:Ra[Ω]

定格運転時の効率:η[%]

選択肢4. 75

◆電機子抵抗Ra[Ω]を求めます

直流電動機の誘導起電力は、キルヒホッフの法則から

 

E=V−RaIa…①

 

となります。

 

①に始動時を当てはめて、電機子抵抗Ra[Ω]を求めていきます。

 

E=V−RaIa

Ra=(V−E)/Ia

 

ここで、逆起電力Eは始動時のため0となるので、電機子抵抗は

 

Ra=V/Ia

=12/4

=3[Ω]

 

と求めることができます。

 

◆定格運転時の逆起電力を求めます

①と求めた電機子抵抗Raを用いて、定格運転時の逆起電力を求めます。

 

E=V−RaIa

=12−(3✕1)

=9[V]

 

◆小形直流電動機の効率を求めます

 

η=(EIan/VIan)✕100

=(E/V)✕100

=(9/12)✕100

=75[%]

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