第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
機械 問8

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 機械 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

三相変圧器の並行運転に関する記述として、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
  • 各変圧器の極性が一致していないと、大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。
  • 各変圧器の変圧比が一致していないと、負荷の有無にかかわらず循環電流が流れて巻線の過熱を引き起こす。
  • 一次側と二次側との誘導起電力の位相変位(角変位)が各変圧器で等しくないと、その程度によっては、大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。したがって、Δ−YとY−Yとの並行運転はできるが、Δ−ΔとΔ−Yとの並行運転はできない。
  • 各変圧器の巻線抵抗と漏れリアクタンスとの比が等しくないと、各変圧器の二次側に流れる電流に位相差が生じ取り出せる電力は各変圧器の出力の和より小さくなり、出力に対する銅損の割合が大きくなって利用率が悪くなる。
  • 各変圧器の百分率インピーダンス降下が等しくないと、各変圧器が定格容量に応じた負荷を分担することができない。

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この過去問の解説 (2件)

01

変圧器の並行運転に関して誤った記述を選択する問題となります。

 

変圧器の並行運転の条件には以下のようなものがあります。

 

①極数が一致していること。

②各変圧器の巻数比(変圧比)が等しいこと。

③各変圧器の百分率インピーダンス降下が等しいこと。

④各変圧器の巻数抵抗と漏れリアクタンスの比が等しいこと。

 

以上を踏まえて各選択肢を見ていきます。

選択肢1. 各変圧器の極性が一致していないと、大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。

冒頭の①の条件の通り、極数が一致していないと大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こします。なのでこの記述は適切です。

選択肢2. 各変圧器の変圧比が一致していないと、負荷の有無にかかわらず循環電流が流れて巻線の過熱を引き起こす。

冒頭の②の条件の通り、変圧比が一致していないと、負荷の有無にかかわらず循環電流が流れて巻線の過熱を引き起こします。なのでこの記述は適切です。

選択肢3. 一次側と二次側との誘導起電力の位相変位(角変位)が各変圧器で等しくないと、その程度によっては、大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。したがって、Δ−YとY−Yとの並行運転はできるが、Δ−ΔとΔ−Yとの並行運転はできない。

変圧器の並行運転の条件の一つに位相変位(角変位)の一致があります。

なのでΔ−YとY−YやΔ−ΔとΔ−Yの組合せの変圧器は共に位相変位が一致していないので並行運転はできません

なのでこの記述は不適切です。

 

選択肢4. 各変圧器の巻線抵抗と漏れリアクタンスとの比が等しくないと、各変圧器の二次側に流れる電流に位相差が生じ取り出せる電力は各変圧器の出力の和より小さくなり、出力に対する銅損の割合が大きくなって利用率が悪くなる。

冒頭の④の条件の通り、巻線抵抗と漏れリアクタンスとの比が等しくないと、各変圧器の二次側に流れる電流に位相差が生じ取り出せる電力は各変圧器の出力の和より小さくなり、出力に対する銅損の割合が大きくなって利用率が悪くなります。

なのでこの記述は適切です。

選択肢5. 各変圧器の百分率インピーダンス降下が等しくないと、各変圧器が定格容量に応じた負荷を分担することができない。

冒頭の③の条件の通り、百分率インピーダンス降下が等しくないと、各変圧器が定格容量に応じた負荷を分担することができません。なのでこの記述は適切です。

まとめ

変圧器の並行運転に関する知識は現場でも必須となる知識ですので、必ず覚えて頂くことをお薦め致します。

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02

以下に解説します。

選択肢3. 一次側と二次側との誘導起電力の位相変位(角変位)が各変圧器で等しくないと、その程度によっては、大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。したがって、Δ−YとY−Yとの並行運転はできるが、Δ−ΔとΔ−Yとの並行運転はできない。

【誤り】

Δ−YとY−Yとの並行運転はできません。

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