第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
機械 問10
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 機械 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
パワー半導体スイッチングデバイスとしては近年、主にIGBTとパワーMOSFETが用いられている。通常動作における両者の特性を比較した記述として、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
- IGBTは、オンのゲート電圧が与えられなくても逆電圧が印加されれば逆方向の電流が流れる。
- パワーMOSFETは電圧駆動形であり、ゲート・ソース間に正の電圧をかけることによりターンオンする。
- パワーMOSFETはユニポーラデバイスであり、一般的にバイポーラ形のIGBTと比べてターンオン時間が短い一方、流せる電流は小さい。
- IGBTはキャリアの蓄積作用のためターンオフ時にテイル電流が流れ、パワーMOSFETと比べてオフ時間が長くなる。
- パワーMOSFETではシリコンのかわりにSiCを用いることで、高耐圧化と高耐熱化が可能になる。
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この過去問の解説 (1件)
01
パワーエレクトロ二クスに関する知識問題となります。
パワーMOSFETとは電圧駆動形のデバイスでスイッチング作用が早く駆動電力が小さいという特徴があります。
IGBTとは電圧駆動形のデバイスでMOSFETとバイポーラトランジスタを組み合わせた構造をしています。
この二つのデバイスを比較した時の記述として誤っている物を選択する問題です。
各選択肢を見ていきます。
IGBTはMOSFETとバイポーラトランジスタを組み合わせた構造です。
ゲート(G)、コレクタ(C)、エミッタ(E)の素子で構成され、オンのゲート電圧が与えられないと電流は流れません。なのでこの記述は不適切です。
冒頭の説明でも述べているようにパワーMOSFETは電圧駆動形になります。
ゲート(G)、ドレイン(D)、ソース(S)の素子で構成され、ゲート・ソース間に正の電圧をかけることで動作(ターンオン)します。
なのでこの記述は適切です。
パワーMOSFETは電界効果トランジスタ(FET)の一種で、1種類のキャリヤで動作するのでユニポーラトランジスタとも呼ばれています。記述通りターンオン時間は早いが、駆動電力が小さいので流せる電流は小さくなります。
なのでこの記述は適切です。
IGBTはターンオフ時に電流が流れる期間があり、その期間をテイル期間といい、そこで発生する電流をテイル電流といいます。この電流の影響でパワーMOSFETと比べてオフ時間は長くなります。
なのでこの記述は適切です。
化合物半導体材料であるSiCはシリコンと炭素(C)で構成されています。パワーMOSFETに用いる事で高耐圧化と高耐熱化が実現可能となります。
なのでこの記述は適切です。
近年、電験3種試験ではパワーエレクトロニクスに関する問題の重要度が高まっている傾向にあります。専門的知識も要する科目なのでなかなか厳しい科目ではありますが、捨てる事無く基礎から学習していく事をお薦め致します。
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