FP3級の過去問
2021年9月
実技 問79

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問題

FP3級試験 2021年9月 実技 問79 (訂正依頼・報告はこちら)

大地さんの年金加入歴は下記のとおりである。仮に、大地さんが現時点(52歳)で死亡した場合、大地さんの死亡時点において妻の智子さんに支給される公的年金の遺族給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、大地さんは、入社時(22歳)から死亡時まで厚生年金保険に加入しているものとし、遺族給付における生計維持要件は満たされているものとする。
<設例>
問題文の画像
  • 死亡一時金と遺族厚生年金が支給される。
  • 遺族厚生年金が支給され、中高齢寡婦加算額が加算される。
  • 遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給される。

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この過去問の解説 (4件)

01

・死亡一時金は、国民年金の保険料を納付した期間が36月以上ある人が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受給することなく死亡した場合に遺族が受け取れるものです。

・遺族厚生年金は、厚生年金加入者が死亡した時に遺族に支払われる年金です。支給条件として、厚生年金加入期間の3分の2以上の保険料が納付されていることなどがあります。

・中高齢寡婦加算は、遺族厚生年金受給者が条件を満たした場合に加算給付されるものです。対象は、夫の死亡時40歳以上65歳未満の子のない妻、若しくは、40歳以上65歳未満で遺族年金を受け取ることができない子がいる妻となります。

・遺族基礎年金は、18歳以下の子(障害年金の障害等級1級若しくは2級の場合は20才未満の子)がいる配偶者が受け取れる年金です。

大地さんが死亡した場合、死亡一時金(国民年金の納付期間2年(24月))、遺族基礎年金(子の年齢が20歳)は対象外です。

遺族厚生年金と中高齢寡婦加算は対象となるため、「2」が正解です。

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02

答えは「遺族厚生年金が支給され、中高齢寡婦加算額が加算される。」です。

年金加入者(年金受給者)が死亡した場合、遺族の生活保障として「遺族給付」があります。

遺族給付のそれぞれの特徴は以下の通りです。

「遺族基礎年金」とは、国民年金に加入している被保険者等が死亡した場合、一定の要件を満たしているときに遺族に支給されるものです。

要件として、受給できる遺族の範囲は「死亡した人に生計を維持されていた子(18歳到達年度の末日までの子または20歳未満で障害等級1級・2級に該当する子)または子のある配偶者」であることが挙げられます。

「遺族厚生年金」とは、第2号被保険者(厚生年金保険加入者)が死亡した場合、一定の要件を満たしているときに遺族基礎年金に上乗せして支給されるものです。

受給対象の遺族が、死亡した人に生計を維持されていた「妻」であれば、「年齢要件はありません」。

「死亡一時金」とは、第1号被保険者として保険料を納付した期間が「合計3年(36カ月)以上」ある人が年金を受け取らず死亡し、遺族が遺族基礎年金を受け取ることができない場合に支給される給付金のことです。

「中高齢寡婦加算額」とは、遺族厚生年金を受給している「子のない妻(夫の死亡時40歳以上65歳未満)」または「子があっても遺族基礎年金を受け取れない妻」に対して、遺族厚生年金に一定額が加算されるものです。

問題文と設例より、死亡した大地さんは「厚生年金保険に加入」していて、妻・智子さんは「53歳」で「遺族基礎年金の受給対象外(子供の誠さんは20歳)」なので、支給される遺族給付は「遺族厚生年金」と「中高齢寡婦加算額」であることがわかります。

大地さんの保険料納付済みの第1号被保険者期間は「2年」なので、死亡一時金は受け取れません。

まとめ

したがって、答えは「遺族厚生年金が支給され、中高齢寡婦加算額が加算される。」ということになります。

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03

<遺族基礎年金>

国民年金の被保険者が死亡したとき、子 または子のある配偶者に支給されます。

なお、子の要件は18歳到達年度の末日まで もしくは20歳未満で障害等級1級、2級に該当することです。

<死亡一時金>

第1号被保険者として納付期間が3年以上ある人が年金を受け取らずに死亡し、遺族が遺族基礎年金を受給できない場合に支給される一時金の事をいいます。

<遺族厚生年金>

厚生年金加入者が死亡したときに支給される年金です。

遺族基礎年金に上乗せて受給できます。

<中高齢寡婦加算>

夫死亡時に40歳~65歳未満の子のない妻の遺族厚生年金に上乗せされます。

選択肢2. 遺族厚生年金が支給され、中高齢寡婦加算額が加算される。

妻の智子さんの事例に当てはめて考えると

×遺族基礎年金   : 子が20歳であるため該当しません。

×死亡一時金    : 第一号被保険者として納付期間が3年以上ではないので該当しません。

〇遺族厚生年金   : 厚生年金加入者であるため該当します。

〇中高齢寡婦加算 :妻の年齢が53歳で子の要件に該当する子がいないため該当します。

まとめ

よって正解は 遺族厚生年金が支給され、中高齢寡婦加算額が加算される。 となります。

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04

ライフプランニングと資金計画分野から遺族給付についての出題で、正解は「遺族厚生年金が支給され、中高齢寡婦加算額が加算される。」です。

選択肢1. 死亡一時金と遺族厚生年金が支給される。

不適切です。

死亡一時金は、国民年金の第1号被保険者として保険料を納付した期間が「36か月以上」ある者が、老齢基礎年金などの支給を受けずに死亡した場合に、支給されます。

選択肢2. 遺族厚生年金が支給され、中高齢寡婦加算額が加算される。

「適切」です。

遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者に生計維持されていた配偶者および子供、父母、孫、祖父母の順で支給されます。

また、夫死亡時に遺族基礎年金の支給対象になる子供がいない40歳以上65歳未満の妻には、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算額が加算されます。

選択肢3. 遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給される。

不適切です。

遺族基礎年金は、生計維持されていた未婚の子供(「18歳到達年度末まで」の子供など)や子供のいる配偶者に支給されます。

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