FP3級の過去問
2022年9月
実技 問14

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問題

FP3級試験 2022年9月 実技 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

妹尾勇二さん(78歳)は、将来発生するであろう自身の相続について、遺産分割等でのトラブルを防ぐために公正証書遺言の作成を検討しており、FPの塩谷さんに相談をした。公正証書遺言に関する塩谷さんの次の説明のうち、最も適切なものはどれか。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくべきポイントは、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いです。

自筆証書遺言は本人が本文だけでなく年月日や氏名など全てを自筆し、証人は不要です。

また、内容について家庭裁判所にて検認を請求する必要があります。

公正証書遺言は本人が口述し、公証人が筆記して作成されるもので証人は2人以上必要です。

また、内容が明らかになっているもののため家庭裁判所での検認は不要です。

選択肢1. 「すでに作成した公正証書遺言を撤回したい場合、自筆証書遺言では撤回することはできません。」

遺言書は何度でも作成・取り消し・変更することができます。

公正証書遺言の内容を自筆証書遺言で撤回することは可能です。

そのため、撤回できないというこの解答は誤りです。

選択肢2. 「公正証書遺言を作成する場合、証人の立会いは必要ありません。」

公正証書遺言を作成する場合、証人は2人以上立ち会っている必要があります。

公正証書遺言とはそもそも本人が口述して公証人が筆記しての作成となるため、

この証人の立会いは必要ないという解答は誤りです。

選択肢3. 「公正証書遺言を作成した場合、相続発生後、家庭裁判所に対してその検認を請求する必要はありません。」

公正証書遺言は公正人役場に管理されます。

公正証書遺言は内容が明らかになっているため検認不要です。

そのためこの解答は正解です。

まとめ

この証書遺言に関する問題は、自筆証書遺言と公正証書遺言の2点の違いを抑えると簡単です。

自筆証書遺言は名の通りすべて自分で作成した遺言書

公正証書遺言は公証人立会いのもと作成された遺言書です。

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02

遺言の種類には3種類あり、自筆証書遺言、公正証書遺言秘密証書遺言があります。

選択肢1. 「すでに作成した公正証書遺言を撤回したい場合、自筆証書遺言では撤回することはできません。」

遺言はいつでも、全部又は一部を撤回することができます。

その方法は民法で5つが定められています。

➀時間的に後で遺言を作成した場合。

➁前の遺言と異なる遺言をした場合。

③遺言者が遺言と異なる行為を生前に行った場合。

④遺言者が故意に遺言書を破棄した場合。

⑤遺言者が遺言の目的となっているものを故意に破棄した場合。

選択肢2. 「公正証書遺言を作成する場合、証人の立会いは必要ありません。」

証人の立ち合いが必要なのは、公正証書遺言と秘密証書遺言です。

公正証書遺言は、2人以上の証人の立ち合いが必要です。

秘密証書遺言は2人以上の証人の立ち合いと公証人が必要です。

自筆証書遺言は立会人不要です。

選択肢3. 「公正証書遺言を作成した場合、相続発生後、家庭裁判所に対してその検認を請求する必要はありません。」

遺言の検認が必要なのは自筆証書遺言と秘密証書遺言です。

検認とは相続開始後、家庭裁判所にて改ざんや偽造がないかを確認するためのものです。

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03

「遺言」とは、生前に自分の意思を表示しておくことをいいます。

遺言には、

・「自筆証書遺言」

・「公正証書遺言」

・「秘密証書遺言」

の3種類があります。

選択肢1. 「すでに作成した公正証書遺言を撤回したい場合、自筆証書遺言では撤回することはできません。」

不適切です。

遺言はいつでも、全部または一部を撤回できます

新しく作成すれば、遺言の種類に関係なく、常に新しい遺言が有効となります。

遺言が複数あって内容が異なる場合は、前の遺言を後の遺言が取り消したとみなされます。

選択肢2. 「公正証書遺言を作成する場合、証人の立会いは必要ありません。」

不適切です。

公正証書遺言は

2人以上の証人の立ち合いのもとで、遺言者が公証人に遺言の内容を口述し、公証人が筆記、保管します。

この時、以下の者は証人になることができません。

未成年者、推定相続人、受遺者ならびにその配偶者、直系血族、公証人の配偶者・4親等以内の親族など

(参考)

「自筆証書遺言」に、証人は必要ありません。

「秘密証書遺言」には2人以上の証人が必要です。

選択肢3. 「公正証書遺言を作成した場合、相続発生後、家庭裁判所に対してその検認を請求する必要はありません。」

適切です。

「検認」とは

相続人に対して、遺言の存在や故人の意思の内容を知らせるための手続きです。

封印されている遺言書は家庭裁判所で開封しなければなりません。

公正証書遺言は検認の必要がありません

(参考)

「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」は検認が必要です。

ただし、法務局保管制度(令和2年7月制度開始)を利用した自筆証書遺言については、検認は不要です。

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