FP3級の過去問
2024年1月
学科 問42

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問題

FP3級試験 2024年1月 学科 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

追加型株式投資信託を基準価額1万200円(1万口当たり)で1万口購入した後、最初の決算時に1万口当たり700円の収益分配金が支払われ、分配落ち後の基準価額が1万円(1万口当たり)となった場合、その収益分配金のうち、普通分配金は( ア )であり、元本払戻金(特別分配金)は( イ )である。
  • (ア)200円  (イ)500円
  • (ア)500円  (イ)200円
  • (ア)700円  (イ)200円

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この過去問の解説 (3件)

01

追加型株式投資信託の収益分配金に関する問題です。元本払戻金と普通分配金の違いを理解した上で、問題を解いてみましょう。

 

<ポイント>

「購入時の基準価額」と「分配落ち後の基準価額」を比較して考えます。

 

「分配落ち後の基準価額」が「購入時の基準価額」を下回っている分配金を元本払戻金と言い、「購入時の基準価額」を上回っている分配金を普通分配金と言います。

 

 

例)下記条件で、元本払戻金と普通分配金を確認してみます。

<条件>

購入時の基準価額:1万200円

分配落ち後の基準価額:1万円

 

収益分配金:500円

 

※分配前の基準価額:1万500円

(分配落ち後の基準価額+収益分配金)

 

 

元本払戻金:1万200円-1万円=200円

※購入時の基準価額1万200円を下回っている分配金

 

普通分配金:500円-200円=300円

※購入時の基準価額を上回っている分配金

※収益分配金から元本払戻金を差し引いた部分

選択肢1. (ア)200円  (イ)500円

誤りです。

選択肢2. (ア)500円  (イ)200円

正しいです。

選択肢3. (ア)700円  (イ)200円

誤りです。

まとめ

冒頭の例を参考にして、問題を確認していきます。

 

<問題文の条件>

購入時の基準価額:1万200円

分配落ち後の基準価額:1万円

 

収益分配金:700円

 

※分配前の基準価額:1万700円

(分配落ち後の基準価額+収益分配金)

 

 

元本払戻金:1万200円-1万円=200円

※購入時の基準価額を下回っている分配金

 

普通分配金:700円-200円=500円

※購入時の基準価額を上回っている分配金

※収益分配金から元本払戻金を差し引いた部分

 

 

上記より「500円」「200円」が正解です。

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02

投資信託の中でも株式に投資を行う事が出来る投資信託のことを「株式投資信託」といい、当初の募集期間や運用開始後に関わらずいつでも購入可能なものを「追加型」といいます。

 

また、株式投資信託の「収益分配金(運用による利益のうち、投資家に払い戻すもの)」は、分配落ち後の基準価額に収益分配金を足したときの個別元本を上回っている値上がり分「普通分配金」と、収益分配金から普通分配金を引いた元本払戻金である「特別分配金」とに分けられます。

 

本問題は普通分配金と特別分配金を求める問題です。

 

まず分配落ち後(分配金を支払った後)の基準価額に注目します。

分配落ち後の基準価額は「1万円(1万口当たり)」なので、分配金を支払う前の決算時には『分配落ち後基準価額1万円+収益分配金700円=10,700円』だったことがわかります。

 

次に普通分配金を求めます。

「基準価額10,200円(1万口当たり)」で1万口購入しているのでこれが個別元本となります。

普通分配金を求める計算式は『決算時の基準価額-個別元本』なので『決算時の基準価額10.700円-個別元本10,200円=500円』で、「500円」が普通分配金となります。

 

最後に特別分配金を求めます。

特別分配金を求める計算式は『収益分配金-普通分配金』なので『収益分配金700円-普通分配金500円=200円』で、「200円」が特別分配金となります。

選択肢1. (ア)200円  (イ)500円

普通分配金は「500円」、特別分配金は「200円」です。

(ア)(イ)ともに違うので、この選択肢は間違いです。

選択肢2. (ア)500円  (イ)200円

普通分配金は「500円」、特別分配金は「200円」です。

(ア)(イ)ともに正しいので、この選択肢が正解です。

選択肢3. (ア)700円  (イ)200円

普通分配金は「500円」、特別分配金は「200円」です。

(イ)は正しいですが(ア)が違うので、この選択肢は間違いです。

まとめ

したがって、答えは「(ア)500円(イ)200円」です。

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03

追加型投資信託では、各投資家によって元本が異なるため、投資家ごとに実際に買い付けた価格を個別元本とみなし、税金の計算を行います。個々の元本超過分が課税対象となります。

 

決算時の運用実績により支払われる「収益分配金」は、

・課税対象となる「普通分配金」(分配金のうち、個別元本を上回る部分)

・非課税となる「元本払戻金(特別分配金)」(分配金のうち、個別元本を下回る部分。もうけではないので非課税)

に区分されます。

 

収益分配金は、分配落ち後の基準価額により、以下のような取扱いとなります。

【ケース1.分配落ち後の基準価額≧個別元本

全額が「普通分配金」として課税されます。

分配金受け取り後の個別元本は修正されません。

 

【ケース2.分配落ち後の基準価額≦個別元本

個別元本と分配落ち後の基準価額の差額は、「元本払戻金(特別分配金)」として非課税となります。

収益分配金の残額は「普通分配金」として課税されます。

元本払戻金の支払いを受けると、その金額分、個別元本が減額修正されます。

 

設問の場合

分配落ち後の基準価額は個別元本を下回っていますので、その差額が「元本払戻金」となります。

元本払戻金=10,200円(購入価格:個別元本)-10,000円(分配落ち後の基準価額)=200円

 

収益分配金の残額が「普通分配金」となりますので、

普通分配金=700円(収益分配金)-200円(元本払戻金)=500円

となります。

 

分配落ち後の個別元本は、元本払戻金を受け取っているため修正され、

10,200円(個別元本)-200円(元本払戻金)=10,000円となります。

まとめ

普通分配金は「500円」、元本払戻金は「200円」が正解です。

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