FP3級の過去問
2024年1月
実技 問14

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問題

FP3級試験 2024年1月 実技 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

野村さんは、15年前に購入し、現在居住している自宅の土地および建物を売却する予定である。売却に係る状況が下記<資料>のとおりである場合、所得税における課税長期譲渡所得の金額として、正しいものはどれか。なお、記載のない事項については一切考慮しないものとする。

<資料>
譲渡価額(合計):6,000万円
取得費(合計) :1,500万円
譲渡費用(合計):500万円
※居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用を受けるものとする。
※所得控除は考慮しないものとする。
  • 1,000万円
  • 1,500万円
  • 4,000万円

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この過去問の解説 (3件)

01

土地や建物を売却(譲渡)し利益を得たときは、「譲渡所得」として所得税と住民税が課税されます。

保有期間が5年以下の資産を譲渡する場合を「短期譲渡所得」、5年超の資産を譲渡する場合を「長期譲渡所得」といいます。

 

居住用財産の3,000万円の特別控除」とは

居住用財産を売却(譲渡)して利益を得た場合、譲渡所得の金額から最高3,000万円を控除することができます。

 

所有期間にかかわらず適用され、課税譲渡所得は以下の計算式で求められます。

課税譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-3,000万円(特別控除)

 

居住用財産の3,000万円の特別控除の主な要件は、以下のとおりです。

・居住用財産の売却であること。

・居住しなくなってから、3年を経過した年の年末までに売却すること。

・譲渡先が配偶者や親族など、特別な関係にある者でないこと。

・譲渡した年の前年と前々年に、この特別控除を受けていないこと。

 

〈資料〉の課税長期譲渡所得は

6,000万円-(1,500万円+500万円)-3,000万円=1,000万円  となります。

まとめ

「1,000万円」が正解です。

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02

不動産の譲渡所得金額を求める問題です。

野村さんのケースにおいて、譲渡所得金額がいくらになるかを算出していきましょう。

 

譲渡所得金額の計算式

譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

 

野村さんのケース

※問題の<資料>を参考にして計算します

 

譲渡価額(合計):6,000万円

取得費(合計) :1,500万円

譲渡費用(合計):500万円

居住用財産譲渡の特別控除:3,000万円

 

6,000万円-(1,500万円+500万円)-3,000万円=1,000万円

 

※野村さんが不動産を売却した場合の譲渡所得金額は1,000万円です。

 

 

<参考>

個人が不動産(土地や建物)を売却して得る所得には、所得税や住民税が課税されます。また、不動産の所有期間によって「所得区分」と「税率」が以下のように異なってきますので、覚えておきましょう。

  

<長期譲渡所得>

所有期間が5年超の場合

税率:20.315%

※所得税15.315% 住民税5%

 

<短期譲渡所得>

所有期間が5年以下の場合

税率:39.63%

※所得税30.63% 住民税9%

 

※注:所有期間とは、譲渡した年の1月1日時点の経過年数です。

選択肢1. 1,000万円

正しいです。

選択肢2. 1,500万円

誤りです。

選択肢3. 4,000万円

誤りです。

まとめ

「1,000万円」が正しいです。

参考になった数1

03

土地や建物を譲渡(売却)して収入を得た場合は「譲渡所得」として所得税と住民税がかかり、譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年以下で「短期譲渡所得(所得税30%+住民税9%=合計で税率39%)」、5年超で「長期譲渡所得(所得税15%+住民税5%=合計で税率20%)」に分けられます。

 

また、居住用財産(自宅として現に住んでいる家や土地)を譲渡して譲渡益が生じた場合には、譲渡所得の「課税標準(税金を計算する基礎となる金額。この金額から控除を引いて税率を掛けることで税額が決まります)」から「最高3,000万円」を控除できる「居住用財産の3,000万円の特別控除」を適用することができます。

 

本問題は所得税における課税長期譲渡所得の金額(課税標準)を求める問題です。

 

譲渡所得の課税標準は『譲渡価格-取得費+譲渡費用)』で求められるので、資料の数値を代入すると『譲渡価額6,000万円-(取得費1,500万円+譲渡費用500万円)=4,000万円』が算出されます。

 

さらに野村さんは「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用を受けるものとする」とあるので、『課税標準4,000万円-特別控除3,000万円=1,000万円』が最終的な譲渡所得の課税標準となります。

 

選択肢1. 1,000万円

所得税における課税長期譲渡所得の金額(課税標準)は『譲渡価額6,000万円-(取得費1,500万円+譲渡費用500万円)-特別控除3,000万円』で「1,000万円」が算出されるので、この選択肢が正解です。

選択肢2. 1,500万円

所得税における課税長期譲渡所得の金額(課税標準)は『譲渡価額6,000万円-(取得費1,500万円+譲渡費用500万円)-特別控除3,000万円』で「1,000万円」が算出されるので、この選択肢は間違いです。

選択肢3. 4,000万円

所得税における課税長期譲渡所得の金額(課税標準)は『譲渡価額6,000万円-(取得費1,500万円+譲渡費用500万円)-特別控除3,000万円』で「1,000万円」が算出されるので、この選択肢は間違いです。

まとめ

したがって、答えは「1,000万円」です。

参考になった数1