技術士の過去問
平成28年度(2016年)
適性科目 問42
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問題
技術士 第一次試験 平成28年度(2016年) 適性科目 問42 (訂正依頼・報告はこちら)
エンジニアであるA氏は、建設会社であるB社のコンサルタントを務めているが、このところB社はその廃棄物処理慣行に関して地方紙で叩かれている。しかしこの非難の源には、市民側に誤解があり、また論争を喚起するストーリーをその地方紙が切望している事情があることを知ったA氏は、その新聞の社説欄で紹介される可能性のある記事を書いて投稿したいと考えている。次のうち、コンサルタントとしてのA氏の倫理的責務を表現しているものとして、最も適切なものはどれか。
- A氏はB社の関係者なので、B社のために地方紙に投稿する行動は控えるのがA氏の倫理的責務である。
- A氏はB社の関係者なので、B社のために地方紙に投稿する行動を起こすのがA氏の倫理的責務である。
- A氏は自分では書かずに学協会の有識者に依頼して、データを見てもらい、その有識者に投稿記事を書いてもらうべきである。
- A氏は自分では書かずにB社の広報担当者に依頼して、データを見てもらい、その広報担当者に投稿記事を書いてもらうべきである。
- A氏による投稿記事は、B社による廃棄物処理慣行に関して客観的で真実を告げているだけでなく、A氏がB社と結んでいる関係を読者に開示しなければならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
各項目の内容は以下の通りです。
1.誤りです。
技術者は必要に応じ、公衆に対する説明責任を果たす必要があります。
市民に対して誠実な対応を取り、誤解を解くことが求められます。
2.誤りです。
利害関係のあるB社のために行動するのではなく、
問題に対して、公正かつ誠実な対応をとるべきです。
3.誤りです。
技術者は問題に対して十分な専門的見識があれば、意見を表明するべきです。
またB社の指導的立場にある以上、指導下での業務問題については、
責任有る立場であり、自ら説明責任を果たすべきです。
4.誤りです。
選択肢3の解説と同様、自ら説明責任を果たすべきです。
5.正しいです。
技術者には、真実性の確保と公正で誠実な業務の履行が求められます。
また信用を保持するためにも、B社との関係を開示し、
客観的で第三者が検証可能な情報を提示して、問題を解決に導くべきです。
以上から、適切なのは5なので、5が正解です。
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02
問題文を読み、技術者の倫理として正しい回答を選択します。
1.不適切です
技術者には、公正かつ誠実に公衆に対し説明する責任があることから、
所属する団体に配慮し公開しないことは誤りです。
2.不適切です
選択肢1と同様に、技術者として公衆に対し公正かつ誠実に説明することが求められており、所属団体に配慮して公開することは必ずしも正しいことではありません。
3.不適切です
不確かなことについて有識者の意見を反映することは正しいことです。
ただし、自社の問題を第三者に委ねるのではなく、自ら説明責任を果たすべきです。
4.不適切です
A社のエンジニアであるB氏は、専門知識を有する技術者として、自ら正しく説明責任を果たさなければなりません。
5.適切です
自らの立場を示し、正しく情報を開示することで公衆の信頼を得ることが、
公衆の理解を得ることに繋がります。
よって、5が正解です。
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03
<正解>5
[解説]
技術者としての倫理的責務に関する正誤の問題です。
1から5の記述内容の正否は以下のとおりとなります。
1 不適切な内容です。
技術者であるA氏には、
公衆に対する説明責任があることから、
公衆(市民側)に誤解がある場合には、
説明責任を果たすことが求められます。
よって、不適切な内容です。
2 不適切な内容です。
技術者であるA氏には、
公衆の利益とその他の利害関係者との利益が相反した場合には、
公衆の安全、健康等の利益を守ることを最優先にして対処することが、
求められています。
利害関係者であるB社のために投稿行動を起こすことは求められていません。
よって、不適切な内容です。
3 不適切な内容です。
有識者にデータを見てもらい、
その意見を聴取することは、
必要に応じて行うことはありますが、
技術者であるA氏には、自ら意見を表明し、
説明責任を果たすことが求められています。
よって、不適切な内容です。
4 不適切な内容です。
技術者であるA氏には、自ら意見を表明し、
説明責任を果たすことが求められています
よって、不適切な内容です。
5 適切な内容です。
公衆の信頼を得るためには、
投稿記事が客観的で真実を告げるものであることだけではなく、
A氏がB社と結んでいる関係を明らかにすることも求められます。
よって、適切な内容です。
以上のことから、5が正解となります。
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