技術士 過去問
令和4年度(2022年)
問19 (基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問1)

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問題

技術士 第一次試験 令和4年度(2022年) 問19(基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。ただし、いずれも常温・常圧下であるものとする。
  • 酢酸は弱酸であり、炭酸の酸性度は酢酸より弱く、フェノールの酸性度は炭酸よりさらに弱い。
  • 塩酸及び酢酸の0.1mol/L 水溶液は同一のpHを示す。
  • 水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムは水に溶けて強塩基性を示す。
  • 炭酸カルシウムに希塩酸を加えると、二酸化炭素を発生する。
  • 塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの混合物を加熱すると、アンモニアを発生する。

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この過去問の解説 (3件)

01

化学に関する基本的な問題であり、容易に回答できるかと思います。

選択肢の中ですが、塩酸と酢酸はたとえ同じ濃度でも解離度が違いますので、同じpHとはなりません。

選択肢2. 塩酸及び酢酸の0.1mol/L 水溶液は同一のpHを示す。

この選択肢が間違いです(正解となります)。

まとめ

化学に関する最も基本的な問題です。

参考になった数5

02

酸と塩基に関する問題です。

選択肢2. 塩酸及び酢酸の0.1mol/L 水溶液は同一のpHを示す。

塩酸と酢酸は酸解離定数が異なります。

塩酸は完全に電離して[H+]=10-1(mol/l)、pHは1となりますが、

酢酸は1より高くなります。本選択肢が誤りです。

まとめ

酸や塩基の強さを押さえておきましょう。

参考になった数3

03

強塩基性を示す水酸化物(NaOH, KOH, Ca(OH)₂, Ba(OH)₂)はよく出題されるため覚えておきましょう。

選択肢1. 酢酸は弱酸であり、炭酸の酸性度は酢酸より弱く、フェノールの酸性度は炭酸よりさらに弱い。

適切です。

酢酸は弱酸で、炭酸は酢酸よりも酸性が弱く、フェノールは炭酸よりもさらに弱い酸性を示します。

酸性度の順は次の通り:酢酸 > 炭酸 > フェノール

選択肢2. 塩酸及び酢酸の0.1mol/L 水溶液は同一のpHを示す。

不適切です。

塩酸(HCl)は強酸で、水に溶けると完全に電離します。0.1mol/L の塩酸の pH は約 1 です。

酢酸(CH₃COOH)は弱酸で、水に溶けても一部しか電離しません。0.1mol/L の酢酸の pH は約 2.8 です。

塩酸と酢酸では電離度が異なるため、同じ濃度でも pH は異なります。

選択肢3. 水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムは水に溶けて強塩基性を示す。

適切です。

水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)、水酸化バリウム(Ba(OH)₂)はいずれも強塩基性を示します。

選択肢4. 炭酸カルシウムに希塩酸を加えると、二酸化炭素を発生する。

適切です。

炭酸カルシウム(CaCO₃)に希塩酸を加えると、以下の化学反応が起こります:

CaCO3+2HCl→CaCl2+H2O+CO2

二酸化炭素(CO₂)が発生します。

選択肢5. 塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの混合物を加熱すると、アンモニアを発生する。

適切です。

塩化アンモニウム(NH₄Cl)と水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)の混合物を加熱すると、以下の化学反応が起こります:

2NH4Cl+Ca(OH)2→CaCl2+2NH3↑+2H2O
アンモニア(NH₃)が発生します。

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