保育士の過去問
平成23年(2011年)
社会福祉 問13

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問題

保育士試験 平成23年(2011年) 社会福祉 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
K児童家庭支援センターでは、さまざまな子育てについての相談を受けている。そこにおける相談員は社会福祉に固有な援助技術のさまざまな理論を駆使して相談にあたっている。

【設問】
次の文は、相談員が用いる相談援助の理論に関する記述である。最も不適切な記述を一つ選びなさい。
  • 相談員は、来談者を取り巻く家族や地域社会内の社会資源との間に見られる相互関係を「エコマップ」(生態地図、あるいは、社会関係地図と呼んだりもする)という図式に落とし、全体像の理解と膨大な社会資源間の関係の理解に努めた。
  • 相談員は、来談者がうっ積した感情を持ちながらそれを語らずストレス状態に陥っていると判断した時は、感情を自由に表現する手助けをしている。
  • 相談員は、来談者が精神的に落ち込んで自身を責めたり、うつ的な状態になったりした時は、極力励ましの言葉を多くかけるようにしている。
  • 相談員は、利用者の生活歴、経済状況、身体状況、精神状況、利用できる社会資源など必要な情報を調べ、利用者の意向を聞きながら、援助計画を立案した。
  • 相談員は、利用者の心理にアプローチするだけでなく、利用者を取り巻く社会環境の改善に関する取り組みを行った。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 3 です。
3の記述は不適切です。

うつ状態の人との接し方で重要なのは、「カウンセリングマインド」です。「カウンセリングマインド」とは、良く話を聞き、理解と共感を示す、ということです。励ましの言葉を多くかけることは、うつ状態の人をさらに追い詰めることになってしまいますので、適切ではありません。

1 ○
「エコマップ」はアメリカのハートマンによって開発されました。

2 ○
バイステックの個人援助技術における7原則のなかの「意図的な感情表出」にあたります。

4 ○
利用者自身の決定を側面から援助する「自己決定」の原則です。

5 ○
「間接援助技術」です。社会福祉サービスの重点が収容施設から地域福祉へと移行するのに伴って、社会福祉援助技術も、個人やグループを対象とする直接援助技術だけでなく、視野を広げた援助が必要になってきました。

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02

相談援助に関する出題も近年多くなっています。
ソーシャルワークの全体像やアプローチ方法も含めてまとめて確認しておきましょう。

エコマップに描く事により社会資源やその地域での相互関係が見えてきます。エコマップと混同するのがジェノグラムです。ジェノグラムは男性を□、女性を〇で示し線でつないでいく家族図です。

相談員は社会的な環境も含め利用者の意向やニーズを聞き取りながら対応していく事が必要です。

鬱的な状態になっている来談者に励ましの言葉を掛ける対応は不適切です。まずは話を聞きながら共感を示していく対応をしていきます。

よって選択肢3が正解となります。

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03

正解は3です。

1 :〇
エコマップとは、複雑な問題を抱えた利用者(子ども)の家族との関わりや、社会資源との関わりを線や記号を用いて表したものです、生態地図とも呼ばれます。ジェノグラムもよく用いられ、こちらは3世代以上の家族の人間関係を図式化したものです。

2 :〇
自由な感情表出ができるよう傾聴することが求められます。

3 :×
安易に「がんばれ」などと励ましたり、わかったふりをすることで、精神的に追い詰めたり、失望させることになりかねません。

4 : 〇
利用者の背景を知り、利用者の意向を大切にします。おもてに現れていないニーズにも目を向ける必要があります。

5 :〇
ソーシャルワークにおいて、利用者を取り巻く社会環境の改善は大切なことです。

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