保育士の過去問
平成23年(2011年)
児童福祉 問39
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問題
保育士試験 平成23年(2011年) 児童福祉 問39 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【問】に答えなさい。
【事例】
P保育士は、保育所で仕事を始めたばかりである。初年度は、経験豊かなQ保育士とともに、年長児の担当をすることになった。
P保育士は、保育所が実に(1)多様な家庭の子どもたちの保育をしていることを間もなく知った。
たとえば、S児のお迎えがいつも高齢の方であることが気になり、Q保育士にその理由を尋ねると、S児は父子家庭の子どもで、父親が仕事で忙しいために、父親の実家の人が送迎をしてくれているのだと教えてくれた。
T児は、保育所を休んだり、遅れて来たりすることが多い子どもである。T児についてもQ保育士に尋ねてみると、T児は母子家庭の子どもなのだが、母親がうつ病を患い、生活保護を受給しており、保育所でも今後どのように対応しようかと検討を重ねていると教えてくれた。U児は、少しおっとりした性格で、友だちから、からかわれることが多い。
軽度の知的障害が疑われるが、まだ診断は受けていないという。家庭との連絡帳から、母親の「友だちとうまく遊べてないのではないか」「先生のいうことをちゃんと理解できているだろうか」など、(2)U児に対する不安な気持ちが強くうかがわれる。
こうしていろいろな家庭があることから、P保育士は、Q保育士に、「もっと積極的に保育所で(3)子育て支援ができないだろうか」と話してみた。
【問】
次の文は、下線部(2)U児に対する不安な気持ちに対して、P保育士がU児の母親に、まずはじめにどのように応答したらよいのかについての記述である。最も適切なものを一つ選びなさい。
【事例】
P保育士は、保育所で仕事を始めたばかりである。初年度は、経験豊かなQ保育士とともに、年長児の担当をすることになった。
P保育士は、保育所が実に(1)多様な家庭の子どもたちの保育をしていることを間もなく知った。
たとえば、S児のお迎えがいつも高齢の方であることが気になり、Q保育士にその理由を尋ねると、S児は父子家庭の子どもで、父親が仕事で忙しいために、父親の実家の人が送迎をしてくれているのだと教えてくれた。
T児は、保育所を休んだり、遅れて来たりすることが多い子どもである。T児についてもQ保育士に尋ねてみると、T児は母子家庭の子どもなのだが、母親がうつ病を患い、生活保護を受給しており、保育所でも今後どのように対応しようかと検討を重ねていると教えてくれた。U児は、少しおっとりした性格で、友だちから、からかわれることが多い。
軽度の知的障害が疑われるが、まだ診断は受けていないという。家庭との連絡帳から、母親の「友だちとうまく遊べてないのではないか」「先生のいうことをちゃんと理解できているだろうか」など、(2)U児に対する不安な気持ちが強くうかがわれる。
こうしていろいろな家庭があることから、P保育士は、Q保育士に、「もっと積極的に保育所で(3)子育て支援ができないだろうか」と話してみた。
【問】
次の文は、下線部(2)U児に対する不安な気持ちに対して、P保育士がU児の母親に、まずはじめにどのように応答したらよいのかについての記述である。最も適切なものを一つ選びなさい。
- 「U君は障害を持っています」と断言する。
- 「お母さんの心配な気持ちはよくわかります」と伝える。
- 「将来は何も問題がなくなります」を励ます。
- 「病院でまだ診断を受けていないのは困りますね」と伝える。
- 「まずは家族でよく話し合って、その結果を必ず報告してください」と指導する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1が×…母親に障害を告知することは基本的に保育士の役割ではありません。
3が×…何も問題がなくなるかどうか判断する役割は保育士にはありません。また、不確定なことを判断するのは今後母親との関係づくりにとってマイナスに働いてしまうこともあります。
4が×…母親はU児の様子に不安を抱えています。その不安を受け止めなければ母親も診断を受けようとは考えないのではないでしょうか。
5が×…すでに家族で話し合っているかどうかはわかりませんが、家庭との連絡帳に不安な気持ちを寄せていることから、保育士に相談したいと考えていることは明らかです。
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02
1は×です。障害の有無を判断し、それを母親に告知することは保育士の役割ではありません。
2は○です。母親に共感することが、今後の信頼関係を形成するために大切です。
3は×です。保育士には、将来への判断はできかねます。いいかげんなことを伝えると、母親との信頼関係が損なわれることもあります。
4は×です。母親はすでに不安を抱えているのに、プレッシャーを与えてしまう行動はプラスになりません。
5は×です。家族で話し合うことも大切ですが、母親は保育園での生活について保育士との相談も必要としています。
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03
保護者の相談を受けた場合、助言をする前に、その不安な気持ちに寄り添い受容することが大切です。
1 U君は発達検査を受けている状況ではありません。結果がわかっていないにも関わらず「U君は障害を持っています」と断言してしまうと、保護者の不安を煽ることになります。
3 自分の判断だけで、子どもの未来を予測し保護者に伝えるのはよくありません。園全体でU君や保護者の対応を考え、専門機関と連携していくことが大切です。
4 「病院でまだ診断を受けていないのは困りますね」と伝えるのは、保護者の不安な気持ちに寄り添えていないといえます。このような発言は控えましょう。
5 問題文の文章から保護者は保育士への相談を必要としていると考えられます。母親の話を聴き、園長や主任に相談し、園全体で母親の支援をしていくことが必要です。
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