保育士の過去問
平成23年(2011年)
精神保健 問55

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問題

保育士試験 平成23年(2011年) 精神保健 問55 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、自閉症が疑われる児童に対する質問である。

「AとBが部屋で遊んでいます。Aはボールをかごの中に入れて部屋を出て行きました。残ったBはそのボールをかごから出して別の箱の中に入れました。Aが部屋に戻ってきました。そして、Aはボールを出そうとしました。さて、Aはどこを最初に探すでしょうか?」

この質問に関する次の記述のうち、最も適切な記述を一つ選びなさい。
  • 実行機能の障害を調べる検査である。
  • 知能の障害を調べる検査である。
  • 中枢統合機能の障害を調べる検査である。
  • 心の理論の障害を調べる検査である。
  • コミュニケーション障害を調べる検査である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

自閉症児は、心の理論を獲得できず、他者の気持ちや行動を予測することに困難があります。
ここでは、AがBの行動を予測できるかをみて、心の理論の有無を調べています。

ちなみに1の実行機能は、思考及び行動をコントロールする能力のことです。

3の中枢統合機能とは、全体をとらえる能力のことです。

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02

正解は4です。

4の課題は「サリーとアンの課題」とも呼ばれ、心の理論の障害について調べるための有名な実験です。この問題を出された時、心の理論を獲得している子どもだと、「Bがボールを別の箱に入れたことを知らないAは部屋に戻った時に自分の入れた箱を最初に探す」とAの行動を想像して答えることができます。しかし、心の理論が獲得できていないと、問題文を見たまま、自分の視点で答えてしまうため、「AはBがボールを入れた方の箱を探す」と答えます。

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03

正解は4です。

自閉症障害の人は人の気持ちを読むことが困難です。これは、Aに対して、自分の現在の行動の意味、これまでの行動、あるいは他者(B)の行動とその意図などの関連性を説明したり予測できたりするかを問いたいと考えられるので、心の理論の障害を調べる検査といえます。

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