保育士の過去問
平成28年(2016年)前期
社会福祉 問70

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問題

保育士試験 平成28年(2016年)前期 社会福祉 問70 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
深夜、Fちゃん(1歳)が腹痛のため市立病院の救急外来に救急搬送された。母親Gさんが付き添っていた。診察時に、身体に殴られたような跡が何か所か見つかった。腹痛も病気というより、殴打によるものであることは、紫色の内出血によって明らかだった。

【設問】
次の文は、診察をした医師の対応である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  児童相談所に直ちに通告した。
B  医師はGさんの情緒不安定な状態に疑念を抱いたため、後日同病院の心療内科を受診するよう勧め、親子を帰宅させた。
C  Gさんに、後日児童相談所に相談に行くように勧め、親子を帰宅させた。
D  通常の患者のように診断・治療を行っただけで、親子を帰宅させた。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:3

A―〇
B―×
C―×
D―×

A.
『児童虐待の防止等に関する法律』の第6条に、「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない」とあります。

B、Cのように疑念を抱いても、医師が心療内科への受診や児童相談所への相談を勧めることは不適切である。

D.
診断・治療をし、児童相談所への通告を行い、指示を仰がなければなりません。

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02

A→正しいです。
『児童虐待の防止等に関する法律』の第6条に通告義務についての記述があります。

B・C・D→誤りです。
B・C・D全てに当てはまることですが、少しでも疑念を抱いたのなら、親子を揃って帰宅させてはいけません。
平成29年の改正で『児童虐待の防止等に関する法律』の第5条に、児童虐待の早期発見に関わる責務を有する者として「歯科医師」「助産師」「保健師」「看護師」の4つの専門職が例に追加されました。

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03

Aは○です。
『児童虐待防止等に関する法律』には下記の記述があります。
第六条 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。

『虐待を受けたと思われる児童』という記述がポイントで、虐待を受けた疑いがあれば、全てすみやかに児童相談所等に通告する義務があります。

Bは×です。
事例のFちゃんは救急搬送され、身体に殴打と思われる跡があったという記述から、Fちゃんの安全を考慮するとそのまま親子を帰宅させるという選択は適切ではありません。
一時保護の対応をとるなど、虐待を受けた子どもの生命を守り、安全を確保することを最優先して対応することが必要です。

Cは×です。
Bと同様、親子をそのまま帰宅させることは不適切です。

Dは×です。
Bと同様、親子をそのまま帰宅させることは不適切です。

よって正解の組み合わせは3となります。

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