保育士の過去問
平成28年(2016年)後期
保育の心理学 問88
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問題
保育士試験 平成28年(2016年)後期 保育の心理学 問88 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、高齢期の知的機能についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 高齢期の知的機能については、縦断研究やコホート研究によって新たな知見が示されてきている。
B 人生の問題に対処する能力である英知(wisdom)は、高齢期にも上昇する場合がある。
C 過去の経験や獲得した知識に基づく知能は流動性知能と呼ばれ、高齢期でも低下しにくい。
D 高齢期における知的機能の低下は、その機能を使わなくなるということが一つの要因となる。
A 高齢期の知的機能については、縦断研究やコホート研究によって新たな知見が示されてきている。
B 人生の問題に対処する能力である英知(wisdom)は、高齢期にも上昇する場合がある。
C 過去の経験や獲得した知識に基づく知能は流動性知能と呼ばれ、高齢期でも低下しにくい。
D 高齢期における知的機能の低下は、その機能を使わなくなるということが一つの要因となる。
- ( A )○ ( B )○ ( C )○ ( D )○
- ( A )○ ( B )○ ( C )× ( D )○
- ( A )○ ( B )○ ( C )× ( D )×
- ( A )× ( B )× ( C )○ ( D )○
- ( A )× ( B )× ( C )× ( D )×
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この過去問の解説 (3件)
01
A―〇
B―〇
C―×
D―〇
<用語解説>
A
■縦断研究・・・特定の個人(あるいは集団)を、一定の期間追跡し続けることによって、その発達的変化を検討する研究方法です。
時間的なコストが大きく、同時にたくさんの人数を追跡し続けることも困難であるというデメリットがあります。
縦断研究に対して『横断研究』があります。
横断研究は、異なる年齢集団を一度に用意して、その集団間の違いから、発達的変化を検討する方法です。一度にデータを収集できるため、時間的コストがかからず、たくさんの標本を集めることもできますが、生まれた時代の影響を受ける可能性があります。
■コホート研究・・・特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる観察的研究です。
C
■流動性知能・・・新しい場面への適応に必要な能力をさし、具体的には、推論する力、思考力、暗記力、計算力などが挙げられます。
新しいことを知能として定着させるため、加齢による低下がみられることが特徴です。
この知能のピークは25歳ごろまでであり、65歳前後で低下がみられます。
流動性知能に対し、『結晶性知能』があり、
『結晶性知能』は、過去の経験が土台になる専門的または個人的な能力をさし、免許や学位などの専門的な知識や、料理などの日常の習慣、長年にわたる趣味の手順や方法などです。
過去に得た経験が知能の土台であるため、加齢による低下が少ないのが特徴です。
そのため、認知症の患者でも結晶性知能が保たれていることが多くあります。
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02
縦断研究とは、過去にさかのぼったり将来にわたったり、ある特定の対象に対して暴露の有無などを調査しある程度の期間を経たデータをとる研究です。
コホート研究所とは、分析疫学における手法の1つで、特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる観察的研究です。
Bの記述は○です。適切な記述です。
高齢になり身体の老化は進みますが、人生の問題に対処する能力である英知(wisdom)は、高齢期にも上昇する場合があります。
Cの記述は×です。不適切な記述です。
流動性知能とは、新しい場面への適応に必要な能力をさします。具体的には、推論する力、思考力、暗記力、計算力などが挙げられます。この知能のピークは25歳頃と言われており、65歳頃から低下する傾向があります。
Dの記述は○です。適切な記述です。
高齢者の知能の低下の要因の一つとして、その機能を使わなくなるということがあげられます。
よって正解の組み合わせは2となります。
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03
A 適切な記述です。
B 適切な記述です。
C 過去の経験や獲得した知識に基づく知能は「流動性知能」ではなく、「結晶性知能」と言います。流動性知能とは主に思考力、暗記力、計算力などを指す新しい場面への適応に必要な知能で、これはは加齢とともに低下していくことがわかっています。
D 適切な記述です。
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