保育士の過去問
平成29年(2017年)前期
社会的養護 問31

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問題

保育士試験 平成29年(2017年)前期 社会的養護 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、社会的養護の歴史に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。


A  イギリスでは、1870年にバーナードホームが設立され、小舎制による養護を実施した。

B  日本では、1899年に留岡幸助が家庭学校を設立し、非行少年の教護を実施した。

C  イギリスでは、1948年に制定された「児童法」で、保護が必要な児童への行政の責任を明確化し、できるだけ児童を家庭から分離せず、必要がある場合は里親委託が望ましいとする考え方を示した。

D  日本では、1950年代以降ホスピタリズム論争が起こり、家庭的処遇の必要性が提唱され、それに対して集団養護をめざす考え方も論じられた。
  • ( A )○   ( B )○   ( C )○   ( D )○
  • ( A )○   ( B )○   ( C )○   ( D )×
  • ( A )○   ( B )○   ( C )×   ( D )○
  • ( A )○   ( B )×   ( C )○   ( D )○
  • ( A )×   ( B )○   ( C )○   ( D )○

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この過去問の解説 (4件)

01

正解 1

A ○ 記述の通り、1870年にトーマス・ジョン・バーナードによって設立されたバーナードホームは、従来の大人数の施設にかわり、小舎制による養護を実施しました。

B ○ 記述の通り、1899年に留岡幸助が非行少年の為の家庭学校を設立しました。

C ○ 記述の通り、イギリスでは1948年に「児童法」が制定され、保護が必要な児童への行政の責任を明確化し、できるだけ児童を家庭から分離せず、必要がある場合は里親委託が望ましいとする考え方を示しました。

D ○ 記述の通り、日本では1950年代以降にホスピタリズム論争が起こり、家庭的処遇の必要性が提唱されました。また、それに対して集団養護をめざす考え方が論じられました。

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02

正解は1です。

A 〇 適切です。
イギリスでは、1870年にバーナードホームが設立され、小舎制による養護を実施しました。

バーナードホームは、イギリスを代表する民間児童福祉団体で、創設者は、トーマス・ジョ ン・バーナードです。

B 〇 適切です。
日本では、1899年に留岡幸助が家庭学校を設立し、非行少年の教護を実施しました。

留岡幸助は、感化院(現在の児童自立支援施設)教育の実践家ともいわれます。

C 〇 適切です。
イギリスでは、1948年に制定された「児童法」で、保護が必要な児童への行政の責任を明確化し、できるだけ児童を家庭から分離せず、必要がある場合は里親委託が望ましいとする考え方を示しました。

D 〇 適切です。
日本では、1950年代以降ホスピタリズム論争が起こり、家庭的処遇の必要性が提唱され、それに対して集団養護をめざす考え方も論じられました。

ホスピタリズムは、乳幼児期に、長期間、施設等に入所し、親から離れたことにより、情緒的な障害(無関心、無感動、無表情など)や身体的な発育の遅れなどを総称していいます。

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03

正解 1

A○
1870年に、トーマス・ジョン・バーナードが浮浪児の施設である孤児院「バーナードホーム」を開設しました。より家庭的な環境に近い少人数の養護が行われる小舎制を先駆的に導入しました。

B○
既述の通り、1899年に留岡幸助が非行少年の保護を目的とした養護施設として「家庭学校」を設立しました。

C○
イギリスでは、1948年に「児童法」が制定されました。そのなかで、保護が必要な児童への行政の責任を明確化し、できるだけ児童を家庭から分離せずに、必要がある場合は里親委託が望ましいとする考え方を示しました。

D○
家庭から離れ、施設や病院などで長期的に生活を送ることによって起こるとされている言語発達の遅れや、情緒の不安定の傾向を危惧した「ホスピタリズム」という考え方が、日本でも1950年代以降に論争として起こりました。それに対して、集団養護をめざす考え方も論じられました。

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04

正解は1です。

A 適切です。バーナードホームとは、1870年にトーマス・J・バーナードによって設立された浮浪児などを保護し、生活を保障するための施設です。現在の小舎制の養護の先駆となりました。

B 適切です。日本では、1899年に留岡幸助が家庭学校を設立し、非行少年の教護を実施しました。現在の児童自立支援施設の先駆とも言えます。

C 適切です。イギリスでは、1948年に保護が必要な児童への行政の責任を明確化し、できるだけ児童を家庭から分離せず、必要がある場合は里親委託が望ましいとする「児童法」を制定しました。

D 適切です。ホスピタリズムとは、乳幼児期に親から離され長期的に施設で過ごすことにより、情緒的な障害や身体的発育の遅れが生じることを言います。日本では、1950年代以降ホスピタリズム論争が起こり、家庭的処遇の必要性が提唱され、それに対して集団養護をめざす考え方も論じられました。

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