保育士の過去問
平成30年(2018年)前期
子どもの保健 問115

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問題

保育士試験 平成30年(2018年)前期 子どもの保健 問115 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
保育所に通う5歳の男児。周産期に問題はなく、発育発達で異常を指摘されたことはない。食欲は旺盛で、普段は20時過ぎに就寝し、朝は6時頃に起床している。母親から、2か月程前から夜中に叫ぶことがあると相談を受けた。頻度は週2~3回で、22時前後に、急激に両目を見開いて、恐怖の叫び声をあげることが数分間続く状態であった。心配した母親が安心させようと抱きしめても叫び続けた。朝起床後に母親が尋ねても、叫び声をあげたことは覚えておらず、日中の行動には問題はない。

【設問】
次のうち、この子どもで疑われる精神医学的問題として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  症状はパニック発作で、治療は認知行動療法が有効である。
B  小児に多く、成人では頻度が少ない。
C  頻脈、呼吸促迫、発汗、瞳孔散大などの自律神経徴候がみられる。
D  悪化する要因として日常生活上のストレスや、睡眠リズムの乱れがある。
E  脳波検査で、特有の異常波がみられる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

Aは×です。この事例の男児の症状は夜驚症(睡眠時驚愕症)と思われます。3歳から7歳くらいまでの子どもに多いといわれており、特別な治療は必要ではなく、成長と共に症状が落ち着くことが多いといわれています。

Bは◯です。記述は適切で、脳の発達に伴い思春期くらいまでに症状は徐々に消えていくといわれています。

Cは◯です。記述の通り、症状として頻脈、呼吸促迫、発汗など自律神経系の興奮を示します。

Dは◯です。記述は適切で、日中のストレスや恐怖や緊張などが脳を興奮させることが作用して症状が出ることがあります。小児期は睡眠システム形成途中の大切な時期なので、睡眠リズムを整えることも重要です。

Eは×です。事例で疑われる夜驚症においては、脳波検査で特有の異常波はみられません。

参考になった数24

02

解答.3

この事例による記述は、「夜驚症」のものであると思われます。

「夜驚症」
深い睡眠状態にあるとき、中途半端に脳の一部が目覚めてしまうことが原因で起こります。
成人でも、ごく稀に発症することがありますが、
小児期に多くみられます。

・パニックになる。
・泣き叫ぶ。
・目を見開く。
・急に起き上がる。

などの症状が、突如、睡眠時に起こります。
脳の一部は覚醒していますが、他は眠っているため、
声をかけても反応しません。
また、そのことを自分では覚えていないことがほとんどです。

ほとんどの場合は、成長とともに症状は消えて行きます。

A.×です。
前述の通り、この症状は「夜驚症」だと思われます。

B.○です。
設問の通りです。
前述の通り、ごく稀に成人も発症しますが、
小児期に多く発症します。

C.○です。
設問の通りです。
症状は、10分程度で収まることが多いです。

D.○です。
設問の通りです。
決まった時間に布団に入るなど、睡眠リズムを整えたり、
日常生活のストレスを取り除くことは効果があるとされています。

E.×です。
夜驚症の症状に、脳波検査での異常はありません。
夜驚症は、小児期では珍しい症状ではありませんので、
落ち着いて対処することが大切です。

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03

正解は3です。

A × 不適切です。
症状はパニック発作ではなく、夜驚(やきょう)症(睡眠時驚愕症)が疑われます。

成長と共に自然に治まり、思春期頃までには起こらなくなる可能性が高いです。

B 〇 適切です。
小児に多く、成人では頻度が少ないです。

C 〇 適切です。
頻脈、呼吸促迫、発汗、瞳孔散大などの自律神経徴候がみられます。

D 〇 適切です。
悪化する要因として日常生活上のストレスや、睡眠リズムの乱れがあります。

E × 不適切です。
夜驚症では脳波検査で、特有の異常脳波はみられません。

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