保育士の過去問
平成30年(2018年)後期
社会福祉 問72

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問題

保育士試験 平成30年(2018年)後期 社会福祉 問72 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、バイスティックによる相談援助の原則に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  「自己決定の原則」とは、来談者の判断に誤りがあったとしても、それを指摘せず、来談者の決定に従うというものである。
B  「秘密保持の原則」とは、本人や他者の生命や身体を保護するために必要な場合であっても、来談者からの相談で知りえた情報を来談者の了解なく部外者に伝えることはしてはならないというものである。
C  「受容の原則」とは、相談当初においては来談者の言うことをすべて肯定するよう努めなければならないというものである。
D  「非審判的態度の原則」とは、問題の発生の原因に対して、来談者にどの程度責任があるか、あるいは、道徳的にどんな罪があるかと、決めつけることを排除するというものである。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。
アメリカの社会福祉学者のバイスティックが定義した相談援助技術の基本である「バイスティックの7原則」に関する問題です。

A 「自己決定の原則」とは、「あくまでも自らの行動を決定するのはクライエント自身である」とする考え方です。クライエントの決定に従うのではなく、クライエントの意見を尊重するという考え方になります。

B 「秘密保持の原則」とは、クライエントの個人的情報・プライバシーは絶対に他方にもらしてはならないとする考え方です。これは他方に漏れた情報が使われ方によってクライエントに害を成す可能性があるために定められた考え方で、虐待が疑われる場合は子どもの生命に危険、子どもの人権を著しく侵害するものなので通告義務のほうが優先されます。

C 「受容の原則」とはクライエントの考えは、そのクライエントの人生経験や必死の思考から来るものであり、クライエント自身の『個性』であるため「決して頭から否定せず、どうしてそういう考え方になるかを理解する」という考え方です。相談を受ける側はクライエントの意見を肯定したり否定したりするのではなく、それを受け入れ共感することが大切です。

D 適切な記述です。あくまでもワーカーは補佐であり、現実にはクライエント自身が自らのケースを解決せねばならないため、その善悪の判断もクライエント自身が行うのが理想とされます。

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02

A × クライエントの決定に従うのではなく、あくまでもクライエントの意見を尊重するものです。また、ワーカーは解決方法を決めるのに役立つ情報などを提示し、援助していきます。
B × クライエントの個人情報・プライバシーを他者に漏らしてはいけませんが虐待が疑われる場合は子どもの生命に危険、子どもの人権を著しく侵害するものなので通告義務のほうが優先されます。
C × 肯定や否定をするのではなく、クライエントの態度や考え方、行動をあるがままに受け入れ共感するものです。
D 〇 適切です。

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03

正解は5です。

バイスティックの7原則は、アメリカの社会福祉学者フェリックス・P・バイスティックにより提唱された相談援助技術の原則です。

A × 不適切です。
「自己決定の原則」とは、来談者(クライエント)の決定に従うのではなく、クライエントが自己決定できるように援助し、その自己決定を尊重するということです。

B × 不適切です。
「秘密保持の原則」とは、クライエントの個人情報や相談内容を漏らしてはいけないということですが、本人や他者の生命や身体を保護するために必要な場合はこの限りではありません。

C × 不適切です。
「受容の原則」はクライエントの意見を全て肯定することではなく、クライエントのあるがままを受け入れるということです。

D ○ 適切です。
「非審判的態度の原則」はワーカーがクライエントの考え方や行動に対し、一方的に非難したり、善悪を判断しないということです。

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