保育士の過去問
平成31年(2019年)前期
保育原理 問7
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問題
保育士試験 平成31年(2019年)前期 保育原理 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、ルソー(Rousseau, J. - J.)についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 『人間不平等起源論』(1755年)や『社会契約論』(1762年)を著した。
B 『エミール』(1762年)では、人間は、自然、事物、人間という3種類の先生によって教育されるとし、これら3者のうちで人間の力ではどうすることもできないのは「自然の教育」であるため、優れた教育のためには「人間の教育」と「事物の教育」を「自然の教育」に合わせなければならないと主張した。
C 『エミール』(1762年)では、人間の心は、その誕生の段階において、いかなる観念や原理も書き込まれていないまっさらな白紙の状態にあるとし、そのため教育が与える影響が大きいと主張した。
D 『エミール』(1762年)の中で示された、「美徳や真理を教えることではなく、心を不徳から、精神を誤謬(ごびゅう)からまもる」教育の考え方は「消極教育」と呼ばれ、子どもの内発的な力を重視する教育の源流となった考え方である。
A 『人間不平等起源論』(1755年)や『社会契約論』(1762年)を著した。
B 『エミール』(1762年)では、人間は、自然、事物、人間という3種類の先生によって教育されるとし、これら3者のうちで人間の力ではどうすることもできないのは「自然の教育」であるため、優れた教育のためには「人間の教育」と「事物の教育」を「自然の教育」に合わせなければならないと主張した。
C 『エミール』(1762年)では、人間の心は、その誕生の段階において、いかなる観念や原理も書き込まれていないまっさらな白紙の状態にあるとし、そのため教育が与える影響が大きいと主張した。
D 『エミール』(1762年)の中で示された、「美徳や真理を教えることではなく、心を不徳から、精神を誤謬(ごびゅう)からまもる」教育の考え方は「消極教育」と呼ばれ、子どもの内発的な力を重視する教育の源流となった考え方である。
- ( A )○ ( B )○ ( C )○ ( D )○
- ( A )○ ( B )○ ( C )× ( D )○
- ( A )○ ( B )× ( C )○ ( D )×
- ( A )× ( B )○ ( C )× ( D )×
- ( A )× ( B )× ( C )× ( D )○
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この過去問の解説 (3件)
01
ルソーは、1700年代のフランスの哲学者、政治哲学者、作曲家です。現代の教育学や発達心理学に大きく影響した人物です。
A 適切です。
ルソーは、『人間不平等起源論』(1755年)や『社会契約論』(1762年)の著者です。
B 適切です。
『エミール』(1762年)では、人間は、自然、事物、人間という3種類の先生によって教育されるとし、これら3者のうちで人間の力ではどうすることもできないのは「自然の教育」であるため、優れた教育のためには「人間の教育」と「事物の教育」を「自然の教育」に合わせなければならないと主張しました。
C 不適切です。
ルソーではなく、ロックが『人間知性論』で人間の心は、その誕生の段階において、いかなる観念や原理も書き込まれていないまっさらな白紙の状態(タブラ・ラサ)にあるとし、そのため教育が与える影響が大きいと主張しました。
D 『エミール』(1762年)の中で示された、「美徳や真理を教えることではなく、心を不徳から、精神を誤謬(ごびゅう)からまもる」教育の考え方は「消極教育」と呼ばれ、子どもの内発的な力を重視する教育の源流となった考え方です。
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02
A 〇 適切です。
ルソーはスイスのジュネーブで生まれ、フランスで「百科全書」の執筆に関わり、「人間不平等起源論」(1755年)や「社会契約論」(1762年)などの著作を発表しました。
B 〇 適切です。
ルソーは子どもが生まれながらに持っている善性が、社会の悪い影響によって壊されないように「自然に従う教育」が望ましいと主張しました。
C × 不適切です。
設問はロックに関する記述です。
ロックは子どもの心は白紙のようなもので外からの力でいかようにも形成されるという白紙説(タブラ・ラサ)を唱えました。
D 〇 適切です。
ルソーの教育思想は「消極教育」と呼ばれ、大人が必要以上に教育的な介入をせず、子どもに体験させることによって導くとされています。
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03
ルソーは18世紀にフランスで活躍した哲学者です。
Aは適切です。
『人間不平等起源論』(1755年)と『社会契約論』(1762年)はルソーの代表的な著書です。
Bは適切です。
著書『エミール』は、少年エミールの成長を描きながら教育論を説く小説風教育論です。
ルソーは著書『エミール』において、人は人間、自然、事物という3種類の先生によって教育されると述べています。その中でも柱となるのが「自然の教育」です。この自然とは、例えば子どもが歩いたり、自由に手足を動かしたりするなど、人が自ら、つまり自然そのものから教わるもののことです。この「自然の教育」には段階があるため、「人間の教育」と「事物の教育」はそれに沿って行われるべきだと説かれています。
Cは不適切です。
「人間の心は、その誕生の段階において、いかなる観念や原理も書き込まれていないまっさらな白紙の状態にある」といういわゆる白紙説とよばれる思想を説いたのは、17世紀のイギリスの哲学者ジョン・ロックです。
Dは適切です。
ルソーは著書『エミール』において、大人から知識を教え込もうとする「積極教育」ではなく、子どものが自発的に行動・成長するのを支援する「消極教育」を提唱しています。
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