保育士の過去問
令和2年(2020年)後期
教育原理 問23
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問題
保育士試験 令和2年(2020年)後期 教育原理 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人物を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
A 教育学は、子どもの発達の昨日にではなく、明日に目を向けなければならない。その時にのみ、それは発達の最近接領域にいま横たわっている発達過程を教授の過程において現実によび起こすことができる。
B どの教科でも、知的性格をそのままにたもって、発達のどの段階のどの子どもにも効果的に教えることができる。
【Ⅱ群】
ア ブルーナー( Bruner, J.S.)
イ デューイ( Dewey, J.)
ウ ヴィゴツキー( Vygotsky, L.S.)
エ キルパトリック( Kilpatrick, W.H.)
オ スキナー( Skinner, B.F.)
【Ⅰ群】
A 教育学は、子どもの発達の昨日にではなく、明日に目を向けなければならない。その時にのみ、それは発達の最近接領域にいま横たわっている発達過程を教授の過程において現実によび起こすことができる。
B どの教科でも、知的性格をそのままにたもって、発達のどの段階のどの子どもにも効果的に教えることができる。
【Ⅱ群】
ア ブルーナー( Bruner, J.S.)
イ デューイ( Dewey, J.)
ウ ヴィゴツキー( Vygotsky, L.S.)
エ キルパトリック( Kilpatrick, W.H.)
オ スキナー( Skinner, B.F.)
- A:ア B:イ
- A:ア B:オ
- A:イ B:エ
- A:ウ B:ア
- A:ウ B:オ
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この過去問の解説 (3件)
01
A=ウ ヴィゴツキー
ロシアの心理学者です。子ども一人で解決出来る領域と、全く出来ない未知の領域の間に、大人や環境の手助けにより解決出来る領域を見出すことを述べています。これを「発達の最近接領域」といい、その潜在能力を引き出すことの重要性を説いています。
B=ア ブルーナー
発見学習を提唱したアメリカのブルーナーの立てた仮説です。発見学習とは、子ども達に学問の構造を発見させ、結論に至るまでの過程を辿らせることで学習の仕方も発見させるというものです。
イのデューイは、アメリカの哲学者・教育学者です。子どもは生活の中から問題を見出し、実践しながら解決していく問題解決学習を提唱しています。児童中心主義の実践のため、「実験学校(デューイ・スクール)」を開設しています。
エのキルパトリックは、アメリカの教育学者です。デューイの問題解決学習を更に発展させ、プロジェクト・メソッドを提唱しています。目的を設定し、計画を立て、実行し、評価する4段階の学習法です。
オのスキナーは、アメリカの心理学者です。オペラント条件付けという行動強化のための動物実験を用いて、プログラム学習を提唱しました。
オペラント条件付けとは、レバーを押すと餌の出てくる装置を使い、ネズミは偶然レバーを押すと報酬の餌を得られる、という学習をします。するとその行動は強化されるというものです。良い行動を行わせるためにおやつを用いた犬のしつけも同様の原理です。
その行動実験を応用したものをプログラム学習といいます。学習者に応じた個別のプログラムを小さな段階に分けて学習するものです。即時フィードバックし、自分の正答を理解するため、学習意欲を保てます。また、自分のペースでゆっくりと難易度を上げ学習していけるのも特徴です。
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02
A ヴィゴツキー( Vygotsky, L.S.)に関する記述です。
ソ連の心理学者であるヴィゴツキーは、子どもの知的発達を自力で問題解決できるレベルと、周囲の援助や協力によって初めて解決できるレベルとに分類し、その間の領域を「発達の最近接領域」と呼びました。
B ブルーナー( Bruner, J.S.)に関する記述です。
アメリカの心理学者であるブルーナーは、問題発見能力の育成や内発的動機づけにより学習を進めていく「発見学習」を提唱しました。
以下は補足です。
・デューイ( Dewey, J.)は、アメリカの哲学者です。実験主義と道具主義を確立させ、「学校と社会」「民主主義と教育」「哲学の再建」を著しました。
・キルパトリック( Kilpatrick, W.H.)は、デューイの弟子で、自主的に問題に取り組む学習の方法であるプロジェクト・メソッドを提唱した人物です。
・スキナー( Skinner, B.F.)は、報酬や嫌悪刺激により自発的に行動をするようになるオペラント条件付けをスキナー箱による実験を用いて提唱しました。
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03
A ウ
ヴィゴツキーは子供の知的発達を自力で問題解決できるレベルと、周囲の援助や協力によって初めて解決できるレベルとに分類しました。
その2つのレベルの間を「発達の最近接領域」と呼びます。
B ア
ブルーナーは「発見学習」を提唱し、外発的動機づけではなく、内発的動機づけによって学習が進められるとしました。
イ デューイはシカゴ大学に「実験学校」を設立し、その理念と実践を「学校と社会」「子どもとカリキュラム」に著しました。
エ キルパトリックは自主的に問題に取り組む学習の方法であるプロジェクト・メソッドを提唱しました。
オ スキナーはワトソンの行動主義を継承し、応用行動分析を創始しました。
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