ヒトに寄生するシラミには、3種類あります。頭部に寄生する「アタマジラミ」、衣類に寄生する「コロモジラミ」、主として陰毛に寄生する「ケジラミ」です。
保育所で問題となる主な感染症のひとつはアタマジラミです。
学校保健安全法に基づく「学校感染症の第3種その他」にアタマジラミが分類されています。
・症 状
かゆみや発疹(小児の多くでは無症状)
・感染経路
主に髪の毛の接触(接触感染)によって感染します。
プールや温泉などで感染することもあるが、水を介しての感染は確認されていません。
タオル・くし・ブラシなど、頭に触れるものの共用でもうつります。
・診 断
頭髪の中に虫体を確認するか、頭髪に付着している卵を見つけることによって診断します。
卵はフケと間違われることもありますが、フケと違って簡単には取れません。
・治療方法
駆除薬を使用して治療をします。主にパウダータイプとシャンプータイプがあります。
1日に1回、2日おきに使用します。それを3〜 4回繰り返します。
・予防方法
タオル・くし・帽子などの共用を避けることで予防します。
感染を広げないために、衣類、シーツ、枕カバー等を熱湯(60℃、10分間で死滅)で洗う、又は熱処理アイロン、クリーニング)をします。
上記よりA~Dの正否について解説します。
A:×です。
「ケジラミ」は主として陰毛に寄生するシラミです。
また、安易に断定するのも不適切です。
B:×です。
シラミはノミ類のように跳んだり跳ねたりしません。
C:×です。
症状にかゆみや発疹がありますが、すぐに症状が出るとは限りません。
また、小児の場合無症状の場合もあります。
よって、すぐにシラミではないと判断するのは不適切です。
D:×です。
かならず、目視で感染していないかを確認する必要があります。
保護者に、頭皮や髪の毛を見て卵など付いていないか確認してもらうように伝えていないため不適切です。