保育士の過去問
令和4年(2022年)前期
社会福祉 問4

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問題

保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会福祉 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、「地域福祉・在宅福祉の推進」に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  在宅福祉では、ノーマライゼーションを具体化するために、今後は施設福祉との連携をしないことが求められている。
B  地域福祉を推進するためには、ボランティアや住民など多様な民間団体の参加が不可欠である。
C  「保育所保育指針」の中で、保育所には、業務として地域の子育て家庭への支援に積極的に取り組むことが求められており、地域福祉推進の役割を担うものとされている。
D  「社会福祉法」では、その目的に地域福祉の推進を図ることがあげられている。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は3です。

【ポイント】

福祉の分野では、人や地域とのつながり、協力、連携が重要な役割を果たします。その前提をおさえて問題を解くと、答えを導きやすいです。

A、✕

→人がよりよく暮らす福祉を実現するためには、サービスを行う場所は違ったとしても、連携、協力していくことが大切になります。

<詳細>

在宅福祉とは、社会福祉の援助を必要とする者に、在宅での生活を継続させながら、必要な援助サービスを行う社会福祉の援助方法です。

施設福祉とは、要援護者を施設に入所させ、必要な社会福祉の援助サービスを行う方法です。(在宅福祉に対置されます)。

ノーマライゼーションとは、高齢者、障害の有無といった年齢や社会的マイノリティといったことに関係なく生活や権利などが保障された環境を作っていく考え方を言います。

在宅福祉の人と施設福祉の人を切り離して考えるのではなく、どのような環境で生活している人も同じように暮らせるようにしていくことが大切です。

B、〇

→地域福祉を推進するためには、地域の人々の繋がりや、運営力が必要です。

<詳細>

地域福祉とは、それぞれの地域において人びとが安心して暮らせるよう、地域住民や公私の社会福祉関係者がお互いに協力して地域社会の福祉課題の解決に取り組む考え方です。

行政に頼りきりにならず、地域住民の力で地域福祉を盛り上げる力を育むことが大切ですし、地域福祉の仕組み(制度)を上手く利用するためには運営する人材が必要です。

C、〇

→保育所の役割として、地域の子育て家庭への支援が期待されています。

<詳細>

子育てニーズの多様化に伴い、旧保育所保育指針で設けていた「保護者に対する支援」が新保育所保育指針では「子育て支援」に改められました。第4章に書かれています。(新保育所保育指針:2017年に改定、2018年に施行)

保育所には、保護者への支援だけでなく、地域とも連携した“広い子育て支援”が求められています。

D、〇

→生活の拠点となる地域福祉の推進は、社会福祉をより良くするためにとても重要です。

<詳細>

社会福祉法第4条では「地域福祉の推進」として、地域住民、社会福祉事業経営者、社会福祉の活動を行う者が協力して、福祉サービスを必要とする住民が地域社会の一員として日常生活を営み、さまざまな分野に参加する機会が与えられるように、地域福祉の推進に努めなければならないと規定されています。

また、社会福祉法の第10章に、地域福祉の推進について細かく書かれています。

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02

地域福祉・在宅福祉を推進するには、地域や施設などさまざまな連携が必要となります。

▼キーワード解説

-------------------

◆ノーマライゼーション→「障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指す」というもの。

-------------------

A→×

様々な施設福祉との連携することが大切です。

在宅福祉とは援助が必要な方に、在宅での生活を続けながら、必要とされる援助・サービスを提供することです。地域福祉の重要な柱の一つとされています。

B→〇

地域福祉とは地域住民の中で様々な生活問題を抱えた方がサービスを利用しながら、地域の中で自立し主体的に生活を営めるよう支援することで、問題文のようにボランティアや団体の参加が不可欠となっています。

C→〇

保育所保育指針の第1章 総則に「保育所は、入所する子どもを保育するとともに、家庭や地域の様々な社会資源との連携を図りながら、入所する子どもの保護者に対する支援及び地域の子育て家庭に対する支援等を行う役割を担うものである」とあります。

また、地域の子育て支援に関しては、児童福祉法に保育所の努力義務として規定されています。

保育所の子育て支援は児童虐待防止の観点でも重要なものと位置づけられています。

D→〇

社会福祉法第1章総則第4条に「地域福祉の推進」についてこのように記載があります。

「地域住民や社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を

行う者は、福祉サービスを必要とする地域住民が日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるように、地域福祉の推進に努めなければならない。」

選択肢1. A:○  B:○  C:×  D:×

上記説明より、不適切です。

選択肢2. A:○  B:×  C:×  D:×

上記説明より、不適切です。

選択肢3. A:×  B:○  C:○  D:○

正解です。

選択肢4. A:×  B:○  C:×  D:○

上記説明より、不適切です。

選択肢5. A:×  B:×  C:○  D:○

上記説明より、不適切です。

参考になった数5

03

正解は3です。

A.×

ノーマライゼーションとは障がい者や高齢者も健常者と平等・同様に生活するため、福祉の充実を図る考え方です。在宅福祉は施設福祉に対置されますが、対象となる人によりよい福祉を提供するためにも、連携をまったくしないことは不適切と考えられます。

B.〇

地域福祉は法に基づいて制度化された福祉支援や事業のみでは実現できません。障がい者や高齢者が楽しい時間を過ごすための活動を企画する地域住民やボランティアの人々の協力もあって成り立ちます。

C.〇

保育所保育指針の第1章 総則 には、入所する子どもの保育と同時に家庭や地域と連携を図って、保護者や地域の子育て家庭に対し支援を行う役割を担う、という旨の記載があります。

D.〇

地域福祉については「社会福祉法」に定められています。福祉の支援を必要とする人たちも地域社会の一員であり、活動に参加する機会を得ることができるようにしていくことが地域福祉の推進です。

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04

正解は「A:× B:○ C:○ D:○」です。

A:×

在宅福祉とは高齢者が地域社会で生活し続けること、またはそのために支援することをいいます。そのため、さまざまな施設福祉との連携が求められています。

B:○

地域福祉とはそれぞれの地域において人びとが安心して暮らせるよう、地域住民や公私の社会福祉関係者がお互いに協力して地域社会の福祉課題の解決に取り組む考え方のことです。

C:○

保育所には地域福祉推進の役割を担うものとされています。地域のお祭りの参加や老人ホームへの訪問など、地域との関わり方はさまざまです。

D:○

「社会福祉法」には「生活保護法」「児童福祉法」「身体障害者福祉法」「知的障害者福祉法」「老人福祉法」「母子および寡婦福祉法」の六つの法律があります。

選択肢1. A:○  B:○  C:×  D:×

誤りです。

選択肢2. A:○  B:×  C:×  D:×

誤りです。

選択肢3. A:×  B:○  C:○  D:○

正解です。

選択肢4. A:×  B:○  C:×  D:○

誤りです。

選択肢5. A:×  B:×  C:○  D:○

誤りです。

参考になった数2