保育士の過去問
令和4年(2022年)前期
保育の心理学 問1

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問題

保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、子どもの社会性の発達に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A  子どもの道徳的判断は、行動の規準が自分本位に決定され、社会的慣習を考慮しない水準から、他者の期待や社会的慣習に基づいて行動する水準に移行し、さらにそれらを超えて道徳的価値と自己の良心によって行動する水準に至るとした。
B  向社会的行動の判断の理由づけは、自分の快楽に結びついた理由づけから、相手の立場に立った共感的な理由づけを経て、強く内面化された価値観に基づいた理由づけへと発達するとした。
C  子どもの道徳的判断は、「コップがあると知らずにコップを15個割った」場合と「お菓子を盗み食いしようとしてコップを1個割った」場合とでは、被害の大きい前者を悪いと判断する結果論的判断から、悪い意図のある後者を悪いと判断する動機論的判断へと発達するとした。

【Ⅱ群】
ア  アイゼンバーグ( Eisenberg, N.)
イ  コールバーグ( Kohlberg, L.)
ウ  ピアジェ( Piaget, J.)

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

【ポイント】

Ⅱ群の人物は、子どもの発達について述べた人たちです。

★キーワードは押さえておきたいです。

A、イ コールバーグ

★コールバーグ=道徳の判断基準が発達段階で異なることを示した、と覚えておきましょう。

[詳細]

『道徳性発達段階』:道徳性は幼児期から思春期、青年期の全体を通じて3つの水準と6つの段階を経て徐々に発達すると考える理論です。

 <3つの水準>    <6つのステージ(道徳発展)>

① 前慣習的水準   1、罪と服従の段階 2、報酬と取引の段階

② 慣習的水準    3、対人的同調の段階(良い子段階) 4、法と秩序の段階

③ 後慣習的水準   5、社会契約と個人の権利段階 6、普遍的倫理原理の段階

B、ア アイゼンバーグ

★『向社会性』というキーワードを押さえておきましょう。

コールバーグの理論を継承して、「向社会性」の発達に注目した発達段階を示しました。

向社会的行動とは、他人あるいは他の人々の集団を助けようとしたり、こうした人々のためになることをしようとする自発的な行為、だと定義されています。

C、ウ ピアジェ

★『結果論的判断』→『動機論的判断』に移行するとしました。

 合わせて、『他律の道徳』→『自律の道徳』を明らかにしたことも押さえて

 おくと良いと思います。

[詳細]

7歳頃までは、行為の結果にもとづいて判断する『結果論的判断』(15枚割ったほうが悪い)が多いが、その後行為の動機にもとづいて判断する『動機論的判断』へと移行することを明らかにしました。

さらに、大人の権威に服従し、規則を一方的に尊敬すべきもの・拘束的なものととらえる『他律の道徳』から、仲間相互の協同と相互的尊敬によって規則は運用するものと考える『自律の道徳』へと進むことも明らかにしました。

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02

正解は3です。

A.イ(コールバーグ)

コールバーグは道徳性の発達は一定方向であると考えていました。設問文は道徳発達理論の3水準6段階を示しています。

B.ア(アイゼンバーグ)

アイゼンバーグは「向社会的行動」を示しました。見返りや報酬を期待せずに他人や他の集団に対してためになる行動をしようとする態度のことです。コールバーグの道徳性の発達の方向性を踏まえています。

C.ウ(ピアジェ)

ピアジェは設問のような質問をして、7歳ごろまでは結果論的判断、以降は動機論的判断へ移行すると明らかにしました。

参考になった数31

03

A:イ コールバーグ

道徳性発達理論を提唱した人物です。設問文は道徳発達理論の3水準6段階のことです。

B:ア アイゼンバーグ

コールバーグの理論を継承して人のためになる行動をする自発的行動である「向社会性」の発達に注目した理論を提唱しました。

C:ウ

スイスの心理学者で子どもの思考の特徴として自己中心性に基づく考え方を提唱しました。

7歳ごろまでは設問にあるような結果論的判断をし、少しずつ動機論的判断へと発達していくことを提唱しました。

選択肢1. A:ア  B:イ  C:ウ

誤りです。

選択肢2. A:ア  B:ウ  C:イ

誤りです。

選択肢3. A:イ  B:ア  C:ウ

正解です。

選択肢4. A:イ  B:ウ  C:ア

誤りです。

選択肢5. A:ウ  B:イ  C:ア

誤りです。

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