保育士の過去問
令和4年(2022年)前期
保育の心理学 問10
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問題
保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、ブロンフェンブレンナー( Bronfenbrenner, U.)が提唱した人の発達を取り巻く環境に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ブロンフェンブレンナーは、( A )を提唱した。保育所に通っている子どもが直接経験する環境である( B )は、主に保育所と家庭である。この保育所と家庭は相互に関係しあい、( C )として機能する。例えば、子どもの父親の職場において、残業が当たり前で、定時には帰りづらいという雰囲気があると、父親の帰宅はいつも遅く、子どもが父親と過ごす時間が短くなるなど、父親の職場は間接的に子どもに影響するので、( D )といえる。
【語群】
ア 正統的周辺参加論 イ 生態学的システム論 ウ クロノシステム
エ マクロシステム オ マイクロシステム カ メゾシステム
キ エクソシステム
ブロンフェンブレンナーは、( A )を提唱した。保育所に通っている子どもが直接経験する環境である( B )は、主に保育所と家庭である。この保育所と家庭は相互に関係しあい、( C )として機能する。例えば、子どもの父親の職場において、残業が当たり前で、定時には帰りづらいという雰囲気があると、父親の帰宅はいつも遅く、子どもが父親と過ごす時間が短くなるなど、父親の職場は間接的に子どもに影響するので、( D )といえる。
【語群】
ア 正統的周辺参加論 イ 生態学的システム論 ウ クロノシステム
エ マクロシステム オ マイクロシステム カ メゾシステム
キ エクソシステム
- A:ア B:エ C:オ D:キ
- A:ア B:オ C:キ D:エ
- A:イ B:オ C:カ D:キ
- A:イ B:カ C:エ D:ウ
- A:イ B:キ C:カ D:オ
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
A.生態学的システム論
人間が生活する中で、周囲や社会の環境変化、つまり小さい環境の変化から大きな環境の変化までもが人の発達の変化に繋がるという考えです。4つの社会システムと1つの時間システムがあります。
B.マイクロシステム
一番小さなくくりであり核となる社会システムです。身近な環境とも言えます。自身や親・兄弟などの家庭・自分の所属する学校のクラスや職場など直接接している環境のことを指します。
C.メゾシステム
2番目に小さい社会システムです。直接接することは少なくても影響を受ける環境です。祖父母や学校全体、地域社会の環境等を指します。
D.エクソシステム
3番目に小さい社会システムです。地域・行政・メディア・自分以外の家族の学校や職業などの環境を指します。
正統的周辺参加論とはレイブとウェンガによって提唱された理論です。学ぶことは実践共同体への周辺的な位置から次第に中核を担当していき、参加度を増す意味としています。
クロノシステムとは他のシステムと違い、上記にあげた1つの時間システムであり、ライフイベント的ポジションです。兄弟の出生や結婚、離別、死別等の事象を指します。
マクロシステムとは4番目に小さい(=一番大きい)社会システムです。国や文化・法律や憲章などです。
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02
正解は3です。
【ポイント】
専門用語が多いので、知識がないと回答は難しいかもしれません。
過去問に出てきた内容は、人物とキーワードを押さえておくようにしましょう。
A、生態学的システム論
『生態学的システム論』とは、個人とその個人を取り巻く環境との相互作用を通じて、人間は発達していくという考えを示した理論です。
★ブロンフェンブレンナーは、人を取り巻く環境をマイクロシステム、メゾシステム、エクソシステム、マクロシステムの4種類に分類しました。
B、マイクロシステム
『マイクロシステム』は、自分と親(家庭)、自分と学校など、自分と直接的に関わる対象や場所との相互関係を指します。
C、メゾシステム
『メゾシステム』は、自分が直接関わる複数のシステム同士の相互関係を指します。
自分の親と担任の先生(それぞれ自分にとってはマイクロシステムの関係)の相互関係などです。
D、エクソシステム
『エクソシステム』は、自分とは直接関連していないものの、他の人を介して自分やその周囲(マイクロシステムやメゾシステム)に影響を与える相互関係です。
例えば親の会社が挙げられます。父親の会社が忙しくなって帰りが遅くなり、夜一緒に遊べなくなる、授業参観に来てくれなくなるなどして、自分の行動に影響が出ることがあります。
[備考]
『マクロシステム』は、上で紹介した3つのシステムの背景にある決まりごとなどのことです。
子どもである自分は小学校に行き、両親は家事や仕事の合間を縫って保護者会に参加し、担任の先生は毎日授業を行うといった行動様式は、日本の学校文化や義務教育制度があって成立しており、自分の生活に影響を及ぼしているものです。
『クロノシステム』とは、個人に影響を及ぼす出来事や環境変化を含むものです。
これには、進学や転居、親の離婚などが該当し、近年のコロナウイルス感染症をめぐる生活様式の変化など、歴史的な出来事も含まれます。
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03
正解は「A:イ B:オ C:カ D:キ」です。
A:イ 生態学的システム論
人とその人を取り巻く環境との相互作用によって人は成長していくという理論です。
B:オ マイクロシステム
マイクロシステムとは自分と親、家庭など自分と直接的に関わる対象との相互作用を言います。
C:カ メゾシステム
自分と直接関わる複数の相互関係を言います。自分の親と担任の先生との相互関係などです。前述の自分の親や担任の先生は自分にとってはマイクロシステムの関係です。
D:キ エクソシステム
自分とは直接関連していないが、他の人を介して自分やその周囲に影響を与える関係のことです。
誤りです。
誤りです。
正解です。
誤りです。
誤りです。
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