保育士の過去問
令和4年(2022年)前期
保育の心理学 問13

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問題

保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育の心理学 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、ヒトの出生時の特徴に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

( A )は、被毛の有無や感覚器官の発達の度合いとともに、成体とほぼ同様の姿勢保持・移動運動様式を備えて出生する、ヒト以外の霊長類も含めた高等哺乳類の出生を( B )とした。これに対して、ヒトは高等哺乳類でありながら( C )の種を想起させる未熟な発育・発達のまま出生するため、( A )はヒトの出生を( D )と特徴づけた。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

設問文は「生理的早産説」に関する文章です。

A.ポルトマン

人間は本来出産後1年は胎内で成熟するはずだったのではと仮説を立て、生理的早産説を主張した人物がポルトマンです。

B.離巣性

動物の中で、生まれてただちに目を開け、歩き、生きるために動けるような性質のことです。

C.就巣性

鳥類のように、生まれて長い間巣にいて幼い間は食事を自分で確保できない等、生きる行動ができない性質のことです。

D.二次的就巣性

人間は鳥類と違って胎児期から感覚や知覚の能力はある程度発達しますが、運動能力の発達は十分でないまま生まれてきます。ゆえに養育者のそばからしばらくの間離れないことから、二次的就巣性といわれています。

ちなみにローレンツは「鳥類は浮かして最初に見た動いたものを親と認識する」等、外部刺激が特定の行動パターンを誘導する現象に「インプリンティング(刷り込み)」と名付けた人物です。

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02

正解は5です。

【ポイント】

『生理的早産説』に関する問題です。

『生理的早産説』とは、生理学的状態が十分に成熟しないまま生まれてきており、生理学的に1年ほど早い状態で生まれてくることを指す概念です。

A、ポルトマン

ポルトマンは、ヒトの脳は近縁の霊長類と比べても約3倍の重さがあることを発見しました。

また、生後間もなく自立し駆けることができるキリンなどの動物に対して、

ヒトは生後しばらくの間、自力で生きていくことができないことを指摘し、

そのような無能な状態で生まれてくることを「生理的早産」と呼びました。

「ローレンツ」は、鳥類が孵化して最初に見た動くものを親として認識する

行動パターンを「インプリンティング(刷り込み)」と呼んだ人です。

B、離巣性

産まれてすぐ、あるいは数日以内に巣を離れ自立して生活する性質のことです。

C、就巣性

鳥類が卵を孵化させるために巣に就こうとする性質をいいます。

巣で守られて育ちます。未熟な状態で生まれ、自力で動いたり食べたりできません。

D、二次的就巣性

ヒトは鳥類と違って胎児期から音声に反応して母親の声を聞き分けるなど

生まれたばかりでも認知能力があり、比較的短期間で移動能力を得ますが、

その後も養育者のそばから離れないことからこういわれています。

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03

正解は「A:ポルトマン( Portmann, A.)  B:離巣性  C:就巣性  D:二次的就巣性」です。

A:ポルトマン

本来ヒトは1歳になるまで胎内で成熟すべきだったのではないかと仮説を立て、このことを「生理的早産」と言いました。

B:離巣性

生まれてすぐに目が開いたり、歩いたりすることができることです。

C:就巣性

生まれてしばらくの間は歩くことができないなど、生きるための行動ができないことです。

D:二次的就巣性

ヒトは胎児期から音声に反応して声を聞き分けるなど感覚器官は発達しているが、運動能力が未発達な状態で生まれてくることをポルトマンは二次的就巣性と言いました。

選択肢1. A:ローレンツ( Lorenz, K.)   B:就巣性  C:離巣性  D:二次的離巣性

誤りです。

選択肢2. A:ローレンツ( Lorenz, K.)   B:離巣性  C:就巣性  D:二次的就巣性

誤りです。

選択肢3. A:ポルトマン( Portmann, A.)  B:就巣性  C:離巣性  D:二次的就巣性

誤りです。

選択肢4. A:ポルトマン( Portmann, A.)  B:就巣性  C:離巣性  D:二次的離巣性

誤りです。

選択肢5. A:ポルトマン( Portmann, A.)  B:離巣性  C:就巣性  D:二次的就巣性

正解です。

参考になった数2