A 午睡の時間に横になっているが眠らずに話をしている4歳児の2人に対して、布団を離して敷きなおし、静かにさせる。
→不適切です。
離れた方がお互い良い休息を取れそうな場合には、本人たちと相談をしてどのような環境がいいか提案してみることは一つかもしれません。
ですが4歳児となると必ずしも午睡をする必要があるかどうかは個人差が大きいところです。
体力も付き、午後も元気に過ごせそうな子であれば午睡ではなく別のことをゆったりとするなかで身体を休ませるという方法も考えられます。
「4歳児の子に対して静かに横になる」ことを強要しているという部分でも適切ではないと言えます。
B 前日と同じ汚れた服を着てきたことを気にしている5歳児に、保育所が用意した清潔な服に着替えることを提案する。
→適切です。
保育者側からの提案により、本人の不安を解消できることが考えられます。
このようなことが頻回起きている場合、子どもの様子だけではなく保護者や家庭の状況をよく気にかけ、必要であれば保護者の支援もしていくことが大切になってきます。
C 「どんなクリスマスプレゼントをもらったかクラスのみんなにお話しして」と問いかけ、5歳児クラスの子どもたち全員に発表してもらう。
→不適切です。
5歳児の発達段階(自分の気持ちを言葉にして他者に伝えることができるようになってくる)を考えると、
クラス全員の子が発表できるような環境作りは大切だと言えます。
しかし中には「恥ずかしい」「皆には言いたくない」などの理由から、
発表に対して前向きになれない子がいるかもしれません。
一人ひとりの様子や気持ちによって進んで発表できるかどうかは変わってきますので、
「全員」とするのではなく、臨機応変に(言いたい子のみにする、紙に書いてもらう、保育者が聞きに行く…など)対応することを考えておけるといいです。
D 保護者が書類の提出期限に間に合わないことが多いので、4歳児に「いつも忘れるから先生が困っている、と言っておいてね」と、子どもから保護者に伝えてもらうように言う。
→不適切です。
基本的には保護者にお願いしていることと、子どもの園での生活は分けて考える必要があります。
保護者に対して困っていることを子どもに伝えることで、
子どもが園で過ごすことに不安を感じたり、保護者に対して不信感を感じるようなことがあってはなりません。
保護者への伝達事項は、保育者から保護者に直接伝えるようにします。
ですが、例えば「明日の遠足の持ち物をおうちの人と用意してね、○○を持ってくるよ」など、
子ども達本人が参加する活動について、より主体的に取り組んでもらうための内容の一つとして保護者への伝達や家庭での準備などについて声をかけるという取り組みはあります。
(その際は、保護者へは事前に通達がいっていることが必要です)
子どもへの何かしらのアプローチをする場合、
「何をねらいとして」のことなのかを一つ一つ考えて行うことがとても大切になります。
E 降園の支度をなかなかしない3歳児に、「早くしないとオニがくるよ」と怖がらせて保育士の思いどおりに動かそうとする。
→不適切です。
「〇〇しないと××はないよ」という脅しのような文言は不適切です。
「降園の支度を自らしてほしい」というねらいがあるのであれば、
「降園の支度を自らしようと思える」声掛けや環境作りが必要です。
「なぜ支度をしないのか?できないのか?」
「どうしたら自ら支度をしようと思えるか?」
子どもの姿をよく観察、理解し、必要な支援や環境整備をしていきます。
よって、
A:× B:○ C:× D:× E:×
となる選択肢が正解です。