「保育園における感染症対策ガイドライン」(2018年改訂版) 厚生労働省 をご覧ください。
流行性耳下腺炎 (おたふくかぜ、ムンプス)とはどのような感染症か、みておきましょう。
・病原体:ムンプスウイルス
・潜伏期間:16~18 日
・症状・特徴:主な症状は、発熱と唾液腺(耳下腺 ・顎下腺・舌下腺)の腫 脹 ・疼 痛である。発熱は1~6日間続く。唾液腺の腫 脹は、まず片側が腫脹し、数日して反対側が腫脹することが多い。発症後1~3日にピークとなり、3~7日で消える。腫 脹部位に疼痛があり、唾液の分泌により痛みが増す。
発熱や耳下腺腫 脹・疼痛はないこともあり、明らかな症状のない不顕性感染例が 約 30%存在する。不顕性感染の割合は乳児で多く、年齢とともに低下する。
中枢神経系、膵臓、生殖腺(精巣や卵巣)等にも感染するため、無菌性髄膜炎、難 聴、脳炎・脳症、精巣炎・卵巣炎等の重い合併症をきたすことがある。
・感染経路:発症前から感染者の唾液中にウイルスが排出されており、主な感染経路は唾液を介した飛沫感染又は接触感染である。 不顕性感染でも唾液中にウイルスが排出されており、感染源となる。
・流行状況:数年おきに流行を繰り返している
・予防・治療方法:日本では、1歳以上の子どもに対する任意予防接種として生ワクチンの接種が可能である。
流行性耳下腺炎に特異的な治療法はなく、解熱鎮痛剤、患部の冷却等の対症療法が行われる。 通常は1~2週間で治癒する。
・留意すべきこと(感染拡大防止策など):
不顕性感染でも唾液中にウイルスが排出されており、感染源となるため、発症者の 隔離等のみにより感染拡大を防止することは困難である。
子どもの入園前には、ワクチンの接種歴を母子健康手帳等で確認する。子どもが1歳以上で未接種かつ未罹 り 患である場合には、接種可能なワクチンがあることを伝える。
保育所内で集団発生した場合には、保健所・嘱託医等と連携し感染拡大を防止するための対策を講じる。罹り患した子どもの登園のめやすは、「耳下腺、顎下腺、舌下腺の膨張が発現してから5日経過し、かつ全身状態が良好になっていること」である
A. 適切です。感染拡大防止のため感染症流行状況を確認します。
B. 適切です。M君は昨日元気に登園していたので、潜伏期間に他の児が感染している可能 性があります。
C. 不適切です。 潜伏期間は16~18日です。
D.適切です。日本では予防のため、1歳以上の子どもに対する任意予防接種として生ワクチンを接種可能です。
E. 適切です。登園の目安は耳下腺の膨張が発現してから5日経過し、かつ全身状態が良好になっていることです。
これより正解は、「A:○ B:○ C:× D:○ E:○」です。