保育士の過去問
令和4年(2022年)後期
子どもの保健 問17

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問題

保育士試験 令和4年(2022年)後期 子どもの保健 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
2歳、男児。
某月某日鼻汁、咳嗽など「かぜ」のような症状が出はじめた。その後、次第に咳が強くなってきた。約3週間たってから、咳がはげしくなり、連続的に咳込み、そのあと息を吸うときにヒューという音が出た。咳の発作は夜間に強く、咳込みに伴い嘔吐もみられた。

【設問】
次のうち、この子どもの症状に最もあてはまる疾患を一つ選びなさい。
  • 気管支炎
  • 「かぜ」症候群
  • マイコプラズマ肺炎
  • 肺結核
  • 百日咳

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この過去問の解説 (3件)

01

「子どもの保健」では、予防接種の種類等と並び、各感染症に関する問題が頻出です。

症状、期間、感染経路について確認しておきましょう。

選択肢1. 気管支炎

誤りです。

気管支炎は、普通、咳と38度前後の発熱を伴って発病します。

風邪症候群と同じようなものですが、悪化すると肺炎だけでなく喘息のような呼吸困難になったり、胸痛を伴う場合もあります。

選択肢2. 「かぜ」症候群

誤りです。

かぜ症候群は、患者のくしゃみなどで飛散する飛沫を介してウイルスなどの病原体が、気道内に入って気道粘膜に付着し、侵入と増殖することから始まるとされています。

発症するかどうかは、環境の要因や感染した人の要因によって決定されます。

症状として、鼻症状(鼻水、鼻づまり)、咽頭症状(咽頭痛)が主体で、発熱、頭痛、全身倦怠感などがあります。下気道まで炎症が及ぶと下気道症状(せき、たん)が出現します。

選択肢3. マイコプラズマ肺炎

誤りです。

マイコプラズマ肺炎は、飛沫感染、接触感染によって感染します。

乾性の咳が徐々に湿性となり、次第に激しくなります。解熱後も、3~4週間咳が持続します。

選択肢4. 肺結核

誤りです。

肺結核は、空気感染によって感染します。

咳、痰、発熱で初発し、おおむね2週間以上遷延します。乳幼児では重症結核になる可能性があります。

選択肢5. 百日咳

正解です。

百日咳は、鼻咽頭や気道からの分泌物による飛沫感染、接触感染によって感染します。

かぜ症状からはじ まり、次第に咳が強く なり、1~2週で特有な咳発作(スタ ッカート、フープ、レプリーゼ)になります。咳は夜間に悪化します。

まとめ

咳症状は、様々な感染症で見られるものですが、咳の音や強さ、持続する期間などに特徴があります。

この問題も、百日咳の「音」「夜間に悪化」がポイントとなります。

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02

[事例]

2歳男児の特徴的症状  息を吸う時ヒューという音

            ・連続的咳込み(咳の発作

            ・咳込みに伴う嘔吐あり

では問題の疾患の特徴をみていきましょう。

1. 気管支炎

誤りです。

風邪などで抵抗力が低下した子どもが細菌やウイルスに感染して気管支に炎症を起こす病気です。咳・発熱・呼吸困難などの症状がみられます。炎症が進行すると肺炎になることもあります。赤ちゃんの場合は重症化しやすいので抗生物質による治療が必要です。

2. 「かぜ」症候群

誤りです。

かぜ症候群(かぜ)とは、鼻やのど(上気道:じょうきどう)の粘膜に起こる急性の炎症  をひとまとめにした病名です。原因のほとんどがウイルスの感染で、普通感冒(ふつうかんぼう/普通のかぜのこと)や、インフルエンザが代表的です。

多くの病気は悪寒、鼻水、のどの痛みなどのかぜのような症状から始まります。かぜは、鼻水・鼻づまりのような鼻症状が主体で、のどの痛みなどもあります。頭痛や倦怠感などの全身症状は軽いとされます。

かぜの原因の80~90%はウイルスによる感染です。

原因となるウイルスは200種類以上存在し、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルスなどがあります。侵入してきたウイルスに対する体の防御反応として、鼻やのどの粘膜に炎症が起こります。

ウイルスに感染してから1~3日の潜伏期間を経て、発熱、のどの痛み、せき、鼻水・鼻づまり、倦怠感、嘔吐、下痢といった症状が現れます。

一般的な経過は、のどの痛みから症状が始まり、微熱が出て、鼻水が出ます。そしてせきとたんが出て、発症から7~10日、長くても2週間くらいで自然に治っていくケースがほとんどです。しかし、乳幼児は体の発育が未熟なため、急性中耳炎、急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)を合併することもあります(https://www.hug-full.com/parenting/parenting-6355/ を参照)

3. マイコプラズマ肺炎

誤りです。

主な症状はであり、肺炎を引き起こす。咳、発熱、頭痛等のかぜ症状がゆっくり 進行する。特に咳は徐々に激しくなり、数週間に及ぶこともある。中耳炎、発しん等 を伴うこともあり、重症化することもある。

病原体は、肺炎マイコプラズマで、主な感染経路は飛沫感染である。家族内感染や再感染も多くみられる。

4. 肺結核

誤りです。

主な症状は、 慢性的な発熱(微熱)、咳、疲れやすさ、食欲不振、顔色の悪さ等である。 症状が進行し、菌が血液を介して全身に散布されると、呼吸困難、チアノーゼ等が みられるようになることがある。また、結核性髄膜炎を併発すると、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれん等がみられる。主な感染経路は空気感染で、病原体は結核菌である。

5. 百日咳

適切です。

特有な咳(コンコンと咳込んだ後、ヒューという笛を吹くようなを立てて息を 吸うもの)が特徴で、連続性・発作性のが長期に続く。夜間眠れないほどの咳 せきがみられることや、咳とともに嘔吐することもある。発熱することは少ない。病原体は百日咳菌で、主な感染経路は、飛沫感染及び接触感染である。

選択肢1. 気管支炎

誤りです。

選択肢2. 「かぜ」症候群

誤りです。

選択肢3. マイコプラズマ肺炎

誤りです。

選択肢4. 肺結核

誤りです。

選択肢5. 百日咳

正解の選択肢です。

まとめ

子どもの主な疾患の症状・潜伏期間・病原体・感染経路・登園のめやす等を、表に簡潔明瞭に整理して覚えておきましょう。

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03

この問題のポイントは以下の通りです。

・息を吸う時のヒューという音

・咳の発作です。

では、問題を見ていきましょう。

選択肢1. 気管支炎

クループ症候群(急性咽頭気管支炎)生後6ヶ月から3歳ごろまで起こりやすく、ケンケンと犬やきつねのような鳴き声に似た咳をし、発熱や鼻汁が出るのが特徴です。

選択肢2. 「かぜ」症候群

くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、咳、発熱などが見られます。

選択肢3. マイコプラズマ肺炎

細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。

乳幼児の肺炎の一つです。

選択肢4. 肺結核

細菌が肺に入り起こる病気です。

肺以外にもリンパや骨などに転移し、人から人に感染します。

選択肢5. 百日咳

正解です。

風邪症状が7~10日間程度続き、次第に咳が強くなり、1~2週すると特徴ある発作性けいれんの咳になります。

まとめ

病気の特徴について調べておきましょう。

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