保育士の過去問
令和5年(2023年)前期
保育原理 問7

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問題

保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育原理 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

次の表は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」の一部である。表中の( A )~( C )にあてはまる記述をア~カから選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。


ア  健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。
イ  自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。
ウ  身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
エ  身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。
オ  保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く。
カ  社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。
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この過去問の解説 (2件)

01

2018(平成30)年に保育士保育指針が改定され、「保育のねらいと内容」が具体的になりました。「第2章 保育の内容」では、① 乳児の保育 ② 1歳以上3歳未満児の保育 ③ 3歳以上児の保育 の3つに分けられ、そのカテゴリーごとの基本的事項・保育のねらい及び内容・配慮事項が具体的に示されています。

「ねらいと内容」は、乳児期は3つの視点で整理され、1歳児~3歳未満児、3歳以上児はそれぞれ5領域「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」で整理されています。

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本問は、3歳以上児の「健康」「人間関係」「環境」領域のねらいに関する問題です。

ここでまず、保育所保育指針の3 「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容 」の「(1)基本的事項」を、キーワードに注目しながら確認しておきましょう。

「 ア  この時期においては、運動機能の発達により、基本的な動作が一通りできるようになるとともに、基本的な生活習慣もほぼ自立できるようになる。理解する語彙数が急激に増加し、知的興味や関心も高まってくる。仲間と遊び、仲間の中の一人という自覚が生じ、集団的な遊びや協同的な活動も見られるようになる。これらの発達の 特徴を踏まえて、この時期の保育においては、個の成長と集団としての活動の充実が図られるようにしなければならない。(後略)」

それでは、問題を見てみましょう。

まず選択肢を見てみますと、「健康」はアかイ、「人間関係」はウかエ、「環境」はオかカが該当するということが分かります。

それぞれ、1~3歳未満児と3歳以上児のどちらの「ねらい」に関する記述かを見ていきましょう。

【 健康 】

ア:3歳以上児「健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。」

イ:1~3歳未満児「自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。」

【 人間関係 】

エ:3歳以上児「身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。」

ウ:1~3歳未満児「身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。」

【 環境 】

カ:3歳以上児「社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。」

オ:1~3歳未満児「保育所の生活の仕方に慣れきまりの大切さに気付く。」

以上より、3歳以上児に関する記述は、ア・エ・カで、選択肢3が正解となります。

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3歳以上児の「言葉」「表現」領域のねらいについても確認しておきましょう。

【 言葉 】

① 自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう。

② 人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わう。

③ 日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに、絵本や物語などに親しみ、言葉に対する感覚を豊かにし、保育士等や友達と心を通わせる。

【 表現 ]

① いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ。

② 感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ。

③ 生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ。

選択肢1. A:ア  B:オ  C:エ

誤りです。

選択肢2. A:ア  B:カ  C:ウ

誤りです。

選択肢3. A:ア  B:カ  C:エ

正解です。

選択肢4. A:イ  B:オ  C:ウ

誤りです。

選択肢5. A:イ  B:カ  C:ウ

誤りです。

まとめ

保育所保育指針に明記されている、乳幼児保育の「三つの視点」も確認しておきましょう。

身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ

社会的発達に関する視点「身近な人と気持ちが通じ合う

精神的発達に関する視点「身近なものと関わり感性が育つ

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02

「保育所保育指針」 第2章「保育の内容」 3 「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」からの出題です。

「健康」、「人間関係」、「環境」領域の「ねらい」をみていきましょう。

ア 健康

健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。

(ア) ねらい

① 明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう。

② 自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする。

③ 健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。

イ 人間関係

他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人と関わる力を養う。

(ア) ねらい

① 保育所の生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。

② 身近な人と親しみ、関わりを深め、工夫したり、協力したりして一緒に活動する楽しさを味わい、愛情や信頼感をもつ。

③ 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。

ウ 環境

周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。

(ア) ねらい

① 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。

② 身近な環境に自分から関わり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。

③ 身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。

これより、

A. 健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。

B. 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。

C. 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。

となり、正解は「ア カ エ」です。

ここで、不正解の選択肢をみておきましょう。

イ 自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。(1歳以上3歳未満児の健康のねらい)

エ 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。(1歳以上3歳未満児の環境のねらい)

オ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く。(1歳以上3歳未満児の人間関係のねらい)

また、参考までに「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」より、「言葉」、「表現」のねらいは次の通りです。確認しておきましょう。

エ 言葉

経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。

(ア) ねらい

① 自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう。

② 人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わう。

③ 日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに、絵本や物語などに親しみ、言葉に対する感覚を豊かにし、保育士等や友達と心を通わせる。

オ 表現

感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする。

(ア) ねらい

① いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ。

② 感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ。

③ 生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ。

選択肢1. A:ア  B:オ  C:エ

Bが誤りです。

選択肢2. A:ア  B:カ  C:ウ

Cが誤りです。

選択肢3. A:ア  B:カ  C:エ

正解の選択肢です。

選択肢4. A:イ  B:オ  C:ウ

A、B、Cのすべてが誤りです。

選択肢5. A:イ  B:カ  C:ウ

A、Cが誤りです。

まとめ

「保育所保育指針」 第2章「保育の内容」で、 3 「保育に関するねらい及び内容」は頻出です。「乳児」、「1歳以上3歳未満児」、「3歳以上児」のねらいや内容の違いを理解しておきましょう。

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