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保育士の過去問 令和5年(2023年)前期 保育原理 問12

問題

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次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
1歳児クラスでは運動会で、保護者も一緒に参加する内容を行うこととした。保護者にはクラス便りで次の2点を伝えた。一つ目は、特別に何かを発表するために練習するのではなく、普段の遊びの姿を見せていくこと、二つ目は、当日は保護者がゴール地点に立ち、子どもが保護者のもとに走っていくのを抱き止めてもらい、その後に親子でダンスをしてほしいことである。ダンスはこれまでクラスで子どもと親しんだものを選び、運動会までの間は保護者のお迎えの時間にも音楽をかけて、保護者も一緒にダンスを楽しめる機会を持つよう配慮した。運動会の当日は、いつもとは違う雰囲気の中で泣き出してしまう子どももいたが、ほとんどの子どもは普段通りの姿を見せることができた。

【設問】
次のうち、担当保育士の振り返りの記述として、「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」、第4章「子育て支援」に照らし、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  せっかく保護者が見に来ているので、子どもが一人ずつセリフを言う機会を設けるなど、より保護者が楽しめる内容を考える必要があった。
B  何か特別なことをするのではなく、普段の遊びの姿を見せる内容にすることで、子どもに負担をかけずに当日を迎えることができた。
C  普段の遊びの姿を見せるという保育方針を保護者とも共有した上で、運動会を迎えることができて良かった。
D  泣き出してしまった子どもの保護者には、保護者の思いを受けとめ、この時期の子どもの発達の姿を共有していこう。
   1 .
A:○  B:○  C:○  D:×
   2 .
A:○  B:○  C:×  D:×
   3 .
A:○  B:×  C:×  D:○
   4 .
A:×  B:○  C:○  D:○
   5 .
A:×  B:×  C:×  D:○
( 保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育原理 問12 )
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この過去問の解説 (2件)

2

本問は、「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」、第4章「子育て支援」に照らし合わせ、運動会の運営が適切に行われたかを判断するものです。

まず、今回の事例のポイントを見てみましょう。

・子どもは1歳児である。

事前に運動会の運営方針と保護者に対する要望事項は伝えてある

・保護者とともに行う種目を取り入れるとともに、運動会開催に向け、お迎えの時間にはダンスで使う音楽をかけている。 = 保護者も一緒に楽しめるように配慮している

・ほとんどの子どもは普段どおりの様子だったが、中には泣き出してしまう子どももいた。

ところで、運動会とはどのような目的で行われるのでしょうか?

厚生労働省の「保育所保育指針解説」第4章「子育て支援」の「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」には、運動会は家庭と保育所が互いに理解し合い、その関係を深め、子どもへの愛情や成長を喜ぶ気持ちを伝え合う機会という旨が書かれています。

それでは、設問の内容を一つずつ見ていきましょう。

A:不適切です。

次の二つの点において不適切と言えます。

1) 「せっかく保護者が見に来ているので、子どもが一人ずつセリフを言う機会を設ける」というのは、事前に保護者に伝えてある「特別に何かを発表するために練習するのではなく、普段の遊びの姿を見せていく」という方針と矛盾しています。たとえ保護者に喜んでもらう為であったとしても、方針に矛盾があっては保護者からの信頼が得られなくなることも考えられます。

2) 子どもは1歳児です。「保育所保育指針」の「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」によると、「言葉」領域の内容について「保育士等の応答的な関わりや話しかけにより、自ら言葉を使おうとする」とあります。「子どもが一人ずつセリフを言う機会を設ける」というのは、応答的な関わりによる自発的な発話を促すものとは言えません。

B:適切です。

「保育所保育指針」の「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」では、配慮事項として「子どもの自発的な活動を尊重する」とあります。そのためにも、子どもに負担をかけないことは大切です。また、保護者に普段の遊びの姿を見てもらうためにも、子どもが負担を感じていない状態で当日を迎えることは大切と言えます。

C:適切です。

「普段の遊びの姿を見せるという保育方針を共有した上で運動会に参加してもらう」ことで、普段の保育の様子を保護者に知ってもらう機会となり、家庭と保育所が互いに理解し合い、その関係を深めることに繋がったと言えます。

D:適切です。

「保育所保育指針」「総則」に、「一人一人の発達過程に応じて保育すること。その際、子どもの個人差に十分配慮すること」、「一人一人の保護者の状況やその意向を理解、受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、様々な機会をとらえ、適切に援助すること」とあります。

泣き出してしまった子どもの保護者は、ほとんどの子どもが普段通りの様子を見せている中で我が子が泣いている状況を見て、不安に思ったかもしれません。その思いを受け止め、個人差に十分配慮した上で発達過程を保護者と共有していくことは、保育所と保護者が互いに理解し合い、関係を深めていく上で大切です。

よって、正解は「A:✕ B:〇 C:〇 D:〇」です。

選択肢1. A:○  B:○  C:○  D:×

誤りです。

選択肢2. A:○  B:○  C:×  D:×

誤りです。

選択肢3. A:○  B:×  C:×  D:○

誤りです。

選択肢4. A:×  B:○  C:○  D:○

正解です。

選択肢5. A:×  B:×  C:×  D:○

誤りです。

付箋メモを残すことが出来ます。
1

運動会とは、保育所保育にとってどのような位置づけなのでしょうか。

「保育所保育指針」 第4章-2-(1)-アの解説によると、「運動会は家庭と保育所が互いに理解し合い、その関係を深めるための機会」とされています。

家庭と保育所の相互理解は、子どもの家庭での生活と保育所生活の連続性を確保し、育ちを支えるために欠かせないものである。設備運営基準第 36 条は、「保育所の長は、常に入所している乳幼児の保護者と密接 な連絡をとり、保育の内容等につき、その保護者の理解及び協力を得るよう努めなければならない」と定めている。保育所保育が、保護者との緊密な連携の下で行われることは、子どもの最善の利益を考慮し、子どもの福祉を重視した保護者支援を進める上で極めて重要である。

 家庭と保育所が互いに理解し合い、その関係を深めるためには、保育士等が保護者の置かれている状況を把握し、思いを受け止めること、保護者が保育所における保育の意図を理解できるように説明すること、保護者の疑問や要望には対話を通して誠実に対応すること、保育士等と保護者の間で子どもに関する情報の交換を細やかに行うこと、子どもへの 愛情や成長を喜ぶ気持ちを伝え合うことなどが必要である。

そのための手段や機会として、連絡帳、保護者へのお便り、送迎時の 対話、保育参観や保育への参加、親子遠足や運動会などの行事、入園前の見学、個人面談、家庭訪問、保護者会などがある。このような手段や機会を子育て支援に活用する際には、保護者の子育てに対する自信や意欲を支えられるように、内容や実施方法を工夫することが望まれる。

では、事例をみた後、設問を一つ一つ検討していきましょう。

[事例]

・1歳児クラス 運動会 保護者も一緒に参加

(伝言)

① 普段の遊びの姿を見せる

② 保護者はゴール地点に立つ→保護者に向かって走ってきた児を抱きしめる→親子ダンスをする

*ダンスは親しんだもの

・いつもと違う雰囲気に泣きだす子もいたが、普段通りの姿を見せることができた

[設問]

A.「子どもが一人ずつセリフを言う機会を設ける」というのは、普段の遊びの姿ではなく、保育士などが意図的に子どもにさせる行為ですので不適切です。

B.「特別なことをせずに、普段の遊びの姿を見せて、子どもに負担をかけなかった」ことから、適切です。

C.「普段の遊びの姿を見せるという保育方針を共有した」ことで、家庭と保育所が互いに理解し合ったことになります。また、運動会でその関係を深めるることができますので、適切です。

D.泣き出してしまった子どもの保護者は、戸惑っているかもしれませんし、恥ずかしい思いをしているかもしれません。保育士は、そんな保護者の気持ちに寄り添って、1歳児の発達の姿として捉え、保護者と共有していくこと(共有していくことで保護者との連携も深まります。)が大切ですので、適切です。

これより、正解は「A ✕ B 〇 C 〇 D 〇」です。

選択肢1. A:○  B:○  C:○  D:×

A、Dが誤りです。

選択肢2. A:○  B:○  C:×  D:×

A、C、Dが誤りです。

選択肢3. A:○  B:×  C:×  D:○

A、B、Cが誤りです。

選択肢4. A:×  B:○  C:○  D:○

正解の選択肢です。

選択肢5. A:×  B:×  C:×  D:○

B、Cが誤りです。

まとめ

「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」、第4章「子育て支援」に目を通し、「保育所保育指針解説」で理解を深めておきましょう。

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