保育の発展に寄与した人物とその主な功績について問われています。
選択肢を一つ一つみていきましょう。
A. コダーイ(Kodály, Z.)は、ハンガリーの作曲家で、民族音楽者で音楽教育家です。
「コーダイ・システム」は、コーダイが考案した目標や理念に基づき、同僚や教え子たちによって開発された音楽教育法です。歌うことは子どもの本能的な言語であり、基本的な喜びの一つであると考えていました。特徴は、
① 教材として母国の「わらべうた」を推奨
② 歌うことを通して音を聞く耳を研ぎ澄ますこと
③ 幼児の発音しやすい、ド・レ・ミ・ソ・ラ(ペンタトニック)で音楽指導をすること
です。
よって、Aは適切です。
B. エレン・ケイ(Key, E.)は、スウェーデンの社会思想家・教育者でした。母性と児童の尊重を基軸とし社会問題を論じ、特に教育の重要さを説いた点で、教育史上においても名が残っている著名な女性運動家の1人です。
『児童の世紀』での「教育の最大の秘訣は、教育しないことにある」は名言です。
(ウィキペディア参照)
フランス革命前のフランスにおいて、放任されていた子どもたちのための教育を始めたのは、牧師のオーベルランです。
1779年につくられた幼児学校(幼児保護所)では、子どもの保護のみならず、楽しく遊んだり、農業の技術や女の子には編み物の教育をしたりました。世界初の集団保育施設です。
よって、Bは不適切です。
C. フレーベル(Fröbel, F.W.)は、ドイツの教育者で、幼稚教育の祖。寄宿制の学校を運営した後、幼稚園(Kindergarten)を創始しました。主著「人間の教育」に記した、幼児(人間)の中に宿る神性をどのようにして伸長していけるか、ということに腐心し、子供たちのための教育に一生を捧げました。この幼稚園教育は他の多くの国の幼児教育に大きな影響を与えました。教育のための玩具として、「恩物」を開発したことでも知られています。
(一部、ウィキペディア参照)
よって、Cは適切です。
D. モンテッソーリ(Montessori, M.)は、イタリアの医学博士、幼児教育者、科学者、フェミニストです。モンテッソーリ教育法の開発者としても知られています。特徴は、
①自分のやりたいことに没頭する時間があること
②2~5歳児が1つのクラスで一緒に生活をすること(縦割りクラスであること)
③教具を使うこと
などです。メリットは自主性や集中力などが高まること、デメリットは協調性に欠ける場合があることなどです。
スウェーデンの社会運動家で教職に就く傍ら、多くの著作を世に出し、代表作に『児童の世紀』があるのは、エレン・ケイ(Key, E.)です。問18の選択肢Bも参照してください。
よって、Dは不適切です。
これより、正解は「 A 〇 B ✕ C 〇 D ✕ 」です。