問題
特別活動では、多様な集団活動の中で児童生徒にそれぞれに役割を受け持たせ、自己存在感を持たせ、自己の思いを実現する機会を十分に与えるとともに、集団との関係で自己の在り方を自覚させるように指導し、集団の一員としての連帯感や連帯意識、( A )を養うことが大切です。また、社会の一員として生活の充実と向上のために進んで貢献していこうとする社会性の基礎となる態度や行動を身に付け、様々な場面で自己の能力をより良く生かし( B )を図るようにさせることも大切です。
2010(平成22)年に初めて作成された文部科学省「生徒指導提要」からの出題です。
「生徒指導提要」は2022(令和4)年12月に改訂されたので、今後の保育士試験でも出題される可能性があります。改訂によって変更・追加された事項は特によく確認しておいたほうが良いでしょう。
それでは、問題を見てみましょう。
生徒指導提要(※ 改訂前の2010年版)
「第2章 教育課程と生徒指導」-「第4節 特別活動における生徒指導」-「1 特別活動の目標と生徒指導」-「(3)集団としての連帯意識を高め、集団(社会)の一員としての望ましい態度や行動の在り方を学ぶ」より
(前略)特別活動では、多様な集団活動の中で児童生徒にそれぞれに役割を受け持たせ、自己存在感を持たせ、自己の思いを実現する機会を十分に与えるとともに、集団との関係で自己の在り方を自覚させるように指導し、集団の一員としての連帯感や連帯意識、責任感を養うことが大切です。また、社会の一員として生活の充実と向上のために進んで貢献していこうとする社会性の基礎となる態度や行動を身に付け、様々な場面で自己の能力をより良く生かし自己実現を図るようにさせることも大切です。
以上より、正解は「A:責任感 B:自己実現」です。
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★★ 「生徒指導提要」改訂のポイントと重要箇所 ★★
◎ 「生徒指導の定義・目的」を明示
「1.1.1 生徒指導の定義と目的」より
生徒指導の定義
生徒指導とは、児童生徒が、社会の中で自分らしく生きることができる存在へと、 自発的・主体的に成長や発達する過程を支える教育活動のことである。なお、生徒指導上の課題に対応するために、必要に応じて指導や援助を行う。
生徒指導の目的
生徒指導は、児童生徒一人一人の個性の発見とよさや可能性の伸長と社会的資質・ 能力の発達を支えると同時に、自己の幸福追求と社会に受け入れられる自己実現 を支えることを目的とする。
◎「早期発見・未然防止」を重視
例えば、「自殺」の項目では、未然防止の重要性について触れ、「自殺直前のサイン」として具体的な行動を例示しています。
◎ 家庭・地域とのパートナーシップを重視
◎「不適切な指導」を例示
「大声で怒鳴る、ものを叩く・投げる等の威圧的、感情的な言動で指導する」など、具体的な「不適切な指導」の例を初めて示しています。
◎ 「チーム学校」という概念を掲載
「3.1.2 チーム学校として機能する学校組織」より
(前略)チーム学校とは、「校長のリーダーシップの下、カリキュラム、 日々の教育活動、学校の資源が一体的にマネジメントされ、教職員や学校内の多様な人材が、それぞれの専門性を生かして能力を発揮し、子供たちに必要な資質・能力を確実に身に付けさせることができる学校(後略)」
◎ 校則に関する大幅な見直し
「3.6.1 校則の運用・見直し」より
校則の運用
(前略)校則を守らせることばかりにこだわることなく、何のために設けたきまりであるのか、教職員がその背景や理由についても理解しつつ、児童生徒が自分事としてその意味を理解して自主的に校則を守るように指導していくことが重要です。
校則の見直し
(前略)その意義を適切に説明できないような校則については、(中略)現状に合う内容に変更する必要がないか、また、本当に必要なものか、 絶えず見直しを行うことが求められます。さらに、校則によって、教育的意義に照らしても不要に行動が制限されるなど、マイナスの影響を受けている児童生徒がいないか、(中略)検証・見直しを図ることも重要です。
児童生徒の参画
校則の見直しの過程に児童生徒自身が参画することは、校則の意義を理解し、自ら校則を守ろうとする意識の醸成につながります。また、校則を見直す際に児童生徒が主体的に参加し意見表明することは、(中略)自身がその根拠や影響を考え、身近な課題を自ら解決するといった教育的意義を有するものとなります。
誤りです。
誤りです。
正解です。
誤りです。
誤りです。
・生徒指導提要は、2022年の改訂によりデジタルテキスト化されています。
・生徒指導提要は、法的拘束力はありません。
「生徒指導提要」(平成22年文部科学省)からの出題です。
●「生徒指導提要」とはどういうものでしょうか。
生徒指導提要(せいとしどうていよう)は、文部科学省が発行する初等教育・中等教育における生徒指導に関する基本書である。生徒指導の意義や留意点などの理論から、いじめや不登校など個別の課題への指導方法などについて取り扱っている。 (ウィキペディアより)
●概要
文部科学省は、生徒指導提要を小学校段階から高等学校段階までの生徒指導の理論・考え方や実際の指導方法等について、時代の変化に即して網羅的にまとめ、生徒指導の実践に際し教員間や学校間で教職員の共通理解を図り、組織的・体系的な生徒指導の取組を進めることができるよう、生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書と位置づけている。なお、法的拘束力は無い。 2010年4月に初版が発行された。 (ウィキペディアより)
第2章 教育課程と生徒指導 第4節 特別活動における生徒指導
1 特別活動の目標と生徒指導
(3)集団としての連帯意識を高め、集団(社会)の一員としての望ましい態度や行動の在り方を学ぶ
(略)
特別活動では、多様な集団活動の中で児童生徒にそれぞれに役割を受け持 たせ、自己存在感を持たせ、自己の思いを実現する機会を十分に与えるとともに、集団と の関係で自己の在り方を自覚させるように指導し、集団の一員としての連帯感や連帯意識、 責任感を養うことが大切です。また、社会の一員として生活の充実と向上のために進んで 貢献していこうとする社会性の基礎となる態度や行動を身に付け、様々な場面で自己の能 力をより良く生かし自己実現を図るようにさせることも大切です。
(略)
よって、正解は「A責任感 B自己実現」です。
Aが誤りです。
正解は「A責任感」です。
A、Bの両方とも誤りです。
正解は「A責任感 B自己実現」です。
正解の選択肢です。
Bが誤りです。
正解は「B自己実現」です。
Aが誤りです。
正解は「A責任感」です。
「生徒指導提要」(平成22年文部科学省)に目を通し、」内容を把握しておきましょう。