保育士の過去問
令和5年(2023年)前期
子ども家庭福祉 問6

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問題

保育士試験 令和5年(2023年)前期 子ども家庭福祉 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、「児童虐待の防止等に関する法律」の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、当該児童の保護者に対し、当該児童を同伴して( A )することを求め、児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、必要な調査又は質問をさせることができる。この場合においては、その身分を証明する証票を携帯させ、関係者の請求があったときは、これを提示させなければならない。
・都道府県知事は、前項の規定により当該児童の保護者の( A )を求めようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該保護者に対し、( A )を求める理由となった事実の内容、( A )を求める日時及び場所、同伴すべき児童の氏名その他必要な事項を記載した書面により告知しなければならない。
・都道府県知事は、第一項の保護者が同項の規定による( A )の求めに応じない場合は、次条第一項の規定による児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員の( B )及び調査又は質問その他の必要な措置を講ずるものとする。

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この過去問の解説 (2件)

01

「児童虐待の防止等に関する法律」からの出題です。

この法律の目的と児童虐待の定義は次の通りです。

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児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)

最終改正:平成十九年六月一日法律第七十三号

(目的)

第一条 この法律は、児童虐待が児童の人権を著しく侵害し、その心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与えるとともに、我が国における将来の世代の育成にも懸念を及ぼすことにかんがみ、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の予防及び早期発見その他の児童虐待の防止に関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援のための措置等を定めることにより、児童虐待の防止等に関する施策を促進し、もって児童の権利利益の擁護に資することを目的とする。

(児童虐待の定義)

第二条 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。

三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。

四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

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では、問題をみていきましょう。

(出頭要求等)

第八条の二 

●都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、当該児童の保護者に対し、当該児童を同伴して出頭することを求め、児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、必要な調査又は質問をさせることができる。この場合においては、その身分を証明する証票を携帯させ、関係者の請求があったときは、これを提示させなければならない。

2 都道府県知事は、前項の規定により当該児童の保護者の出頭を求めようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該保護者に対し、出頭を求める理由となった事実の内容、出頭を求める日時及び場所、同伴すべき児童の氏名その他必要な事項を記載した書面により告知しなければならない。

3 都道府県知事は、第一項の保護者が同項の規定による出頭の求めに応じない場合は、次条第一項の規定による児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員の立入り及び調査又は質問その他の必要な措置を講ずるものとする。

これより、正解は「 A 出頭 B 立入り 」です。

選択肢1. A:面会  B:面接

A、Bともに誤りです。

正解は「 A 出頭 B 立入り 」です。

選択肢2. A:出頭  B:面接

Bが誤りです。

正解は「 B 立入り 」です。

選択肢3. A:出頭  B:立入り

正解の選択肢です。

選択肢4. A:訪問  B:面接

A、Bともに誤りです。

正解は「 A 出頭 B 立入り 」です。

選択肢5. A:訪問  B:立入り

Aが誤りです。

正解は「 A 出頭 」です。

まとめ

「児童虐待の防止等に関する法律」における「児童虐待」の定義を理解しておきましょう。

また法律の内容把握に努めましょう。

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02

本問は、「児童虐待の防止等に関する法律(通称は児童虐待防止法)」の第8条の2(出頭要求)からの出題です。

出頭要求とは?

児童相談所は厚生労働省の指針に基づいて、虐待通告受理後、迅速(原則 48 時間以内)に家庭や学校を訪問し、直接子どもの様子を確認するなどの安全確認を実施することが求められています。

家庭訪問等が奏功しない場合に、安全確認の実効性を確保するために用意されている制度として、出頭要求立入調査などが法定されています。

◎ 都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあるとき、保護者に対して児童を同伴して出頭するよう求めることができます。(児童虐待の防止等に関する法律第8条の2第1項より)

◎ 出頭要求をするときは、保護者に対して「 出頭を求める理由になった事実の内容」、「 出頭を求める日時と場所」、「 同伴する児童の氏名」を書面で告知する必要があります。(同条第2項より)

◎ 保護者が出頭要求に応じないときは、立入調査などの措置をとることになります。(同条第3項より) 

※ 緊急の場合、出頭要求を前置しなくても立入調査は可能です。

以上を踏まえて、児童虐待の防止等に関する法律の出題箇所(第8条の2)を見てみましょう。

【第8条の2】(出頭要求)

都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、当該児童の保護者に対し、当該児童を同伴して出頭することを求め、児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、必要な調査又は質問をさせることができる。(後略)

 都道府県知事は、前項の規定により当該児童の保護者の出頭を求めようとするときは、内閣府令で定めるところにより、当該保護者に対し、出頭を求める理由となった事実の内容、出頭を求める日時及び場所、同伴すべき児童の氏名その他必要な事項を記載した書面により告知しなければならない。

 都道府県知事は、第一項の保護者が同項の規定による出頭の求めに応じない場合は、次条第一項の規定による児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員の立入り及び調査又は質問その他の必要な措置を講ずるものとする。

選択肢1. A:面会  B:面接

A、Bともに誤りです。

正解は、

A:出頭 

児童虐待が行われているおそれがあるとき都道府県知事保護者に求めるのは出頭です。

B:立入り

保護者が出頭要求に応じない場合、立入調査などの措置をとります。

選択肢2. A:出頭  B:面接

A:正解です。

B:誤りです。正解は、「立入り」 です。

選択肢3. A:出頭  B:立入り

A、Bともに正解です。

選択肢4. A:訪問  B:面接

A、Bともに誤りです。

正解は、A:出頭 B:立入り です。

選択肢5. A:訪問  B:立入り

A:誤りです。正解は、「出頭」です。

B:正解です。

まとめ

児童虐待の発生予防、早期発見、発生時の迅速・的確な対応のため、国は児童虐待に関する法令や指針を何度も見直してきました。

本問は、「児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律(改正児童虐待防止法)」(平成20年4月施行)第8条2に明記されている「出頭命令」に関する問題でした。

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