保育士の過去問
令和5年(2023年)前期
子ども家庭福祉 問8

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問題

保育士試験 令和5年(2023年)前期 子ども家庭福祉 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、児童福祉司に関する記述として、不適切な記述を一つ選びなさい。
  • 都道府県・指定都市及び児童相談所設置市は、その設置する児童相談所に、児童福祉司を置かなければならない。
  • 児童福祉司の主な業務内容の一つに、子どもや保護者等の置かれている環境、問題と環境の関連、社会資源の活用の可能性等を明らかにし、どのような援助が必要であるかを判断するために行う社会診断がある。
  • 児童福祉司は、業務に支障がないときは、職務の共通するものについて、他の相談所等と兼務することも差し支えない。
  • 児童福祉司は、社会福祉士か公認心理師資格を有していなければならない。
  • 児童福祉司については、各児童相談所の管轄区域の人口3万人に1人以上配置することを基本とし、人口1人当たりの児童虐待相談対応件数が全国平均より多い場合には、上乗せを行う。

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この過去問の解説 (2件)

01

児童福祉司の位置付け、任用資格、業務内容、配置基準に関する問題です。

児童福祉司の概要

◎ 位置付け:都道府県・指定都市及び児童相談所設置市は、その設置する児童相談所に、児童福祉司を置かなければならない。

◎ 主な業務内容(児童相談所運営指針)

・ 子ども、保護者等から子どもの福祉に関する相談に応じ、必要な支援・指導を行ったり、関係調整(家族療法)を行う。

・ 必要な調査、社会診断*を行う。

◎ 任用資格(児童福祉法第13条第3項)

・都道府県知事の指定する児童福祉司等養成校を卒業、又は都道府県知事の指定する講習会の課程を修了した者

・大学で心理・教育・社会学のいずれかを専修する学科等を卒業し、指定施設で1年以上相談援助業務に従事したもの

医師、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理士の資格を持つ者

社会福祉主事として2年以上児童福祉事業に従事した者であって、厚生労働大臣が定める講習会の課程を修了したもの

・上記と同等以上の能力を有する者であって、厚生労働省令で定めるもの

◎ 配置基準

・各児童相談所の管轄地域の人口3万人に1人以上。ただし、全国平均より虐待対応の発生率が高い場合には、業務量(児童虐待相談対応件数)に応じて上乗せを行う。

それでは、問題を見ていきましょう。

選択肢1. 都道府県・指定都市及び児童相談所設置市は、その設置する児童相談所に、児童福祉司を置かなければならない。

正しい内容です。

「都道府県・指定都市及び児童相談所設置市は、その設置する児童相談所に、児童福祉司を置かなければならない」(児童福祉法第13条第1項等)とあります。

選択肢2. 児童福祉司の主な業務内容の一つに、子どもや保護者等の置かれている環境、問題と環境の関連、社会資源の活用の可能性等を明らかにし、どのような援助が必要であるかを判断するために行う社会診断がある。

正しい内容です。

児童福祉司の業務内容の一つである「社会診断」とは、調査により、子どもや保護者等の置かれている環境、問題と環境の関連、社会資源の活用の可能性等を明らかにし、どのような援助が必要であるかを判断するために行うものです。

選択肢3. 児童福祉司は、業務に支障がないときは、職務の共通するものについて、他の相談所等と兼務することも差し支えない。

正しい内容です。

厚生労働省の「児童相談所運営指針」第2章「児童相談所の組織と職員」の第3節「職員構成」内の2.留意事項に、「業務に支障がないときは、職務の共通するものについて、他の相談所等と兼務することも差し支えない」とあります。

選択肢4. 児童福祉司は、社会福祉士か公認心理師資格を有していなければならない。

不適切です。

児童福祉司の任用資格は、社会福祉士および公認心理士に限られていません。

選択肢5. 児童福祉司については、各児童相談所の管轄区域の人口3万人に1人以上配置することを基本とし、人口1人当たりの児童虐待相談対応件数が全国平均より多い場合には、上乗せを行う。

正しい内容です。

国は児童虐待防止対策体制総合強化プラン(新プラン)で児童福祉司の配置基準を管轄区域の人口4万人に1人から3万人に1人に見直しました。

まとめ

児童虐待が増加する中、国は児童福祉司を増員し、児童相談所での相談支援体制の強化に取り組んでいます。

保育士試験では、児童福祉司の任用資格についてよく問われますので、しっかりと確認しておいてください。

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02

児童福祉司に関する問題です。不適切なものが問われています。

選択肢を一つ一つみていきましょう。

都道府県・指定都市及び児童相談所設置市は、その設置する児童相談所に、児童福祉司を置かなければならない。(児童福祉法第13条第1項等) とされています。

よって適切です。

児童福祉士の業務の内容の一つに、必要な調査、社会診断※を行うこととあります。

※調査により、子どもや保護者等の置かれている環境、問題と環境の関連、社会資源の活用の可能性等を 明らかにし、どのような援助が必要であるかを判断するために行う診断

よって適切です。

児童相談所運営指針(厚生労働省)

第2章 児童相談所の組織と職員 第3節 職員構成 2.留意事項 に次のように書かれています。

(6) 業務に支障がないときは、職務の共通するものについて、他の相談所等と兼務することも差し支えない。

よって適切です。

社会福祉士・公認心理士資格がなくても、医師や精神保健福祉士などもなれます。

児童福祉司の基礎資格は次のようなものです。

・医師・ 社会福祉士・ 精神保健福祉士・ 公認心理師・「都道府県 知事の指定する養成校を卒業 又は 都道府県 知事の指定する講習会の課程を修了した者」や、ある一定条件を満たせば、助産師・教員・保健師・看護師・児童指導員・社会福祉主事・「大学で心理学、 教育学、 社会学を専修し卒業した者」もなれます。

詳しくは、「厚生労働省資料 児童福祉司の任用要件や児童福祉司の任用資格取得過程」の図表をご覧ください。

なお、児童福祉法第13条第3項に基づく任用の要件 です。

児童福祉法第13条第3項に基づく任用の要件とは次の通りです。

○都道府県知事の指定する児童福祉司等養成校を卒業、又は都道府県知事の指定する講習会の課程を修了した者

○大学で心理学、教育学もしくは社会学を専修する学科等を卒業し、指定施設で1年以上相談援助業務に従事したもの

○医師 ○社会福祉士 ○精神保健福祉士 ○公認心理師

○社会福祉主事として2年以上児童福祉事業に従事した者であって、厚生労働大臣が定める講習会の課程を修了したもの

○上記と同等以上の能力を有する者であって、厚生労働省令で定めるもの

よって不適切です。

政令で定める基準:児童福祉司は、各児童相談所の管轄地域の人口3万に1人以上配置することを基本とし、全国平均より虐待対応の発生率が高い場合には、業務量(児童虐待相談対応件数)に応じて上乗せを行う。

よって適切です。

これより、正解は児童福祉司は、社会福祉士か公認心理師資格を有していなければならない。」です。社会福祉士や公認心理師の資格を有していなくても児童福祉司になれます。

選択肢1. 都道府県・指定都市及び児童相談所設置市は、その設置する児童相談所に、児童福祉司を置かなければならない。

適切です。

選択肢2. 児童福祉司の主な業務内容の一つに、子どもや保護者等の置かれている環境、問題と環境の関連、社会資源の活用の可能性等を明らかにし、どのような援助が必要であるかを判断するために行う社会診断がある。

適切です。

選択肢3. 児童福祉司は、業務に支障がないときは、職務の共通するものについて、他の相談所等と兼務することも差し支えない。

適切です。

選択肢4. 児童福祉司は、社会福祉士か公認心理師資格を有していなければならない。

不適切です。

社会福祉士や公認心理師の資格を有していなくても児童福祉司になれます。

選択肢5. 児童福祉司については、各児童相談所の管轄区域の人口3万人に1人以上配置することを基本とし、人口1人当たりの児童虐待相談対応件数が全国平均より多い場合には、上乗せを行う。

適切です。

まとめ

児童福祉司の任用要件や業務内容を児童福祉法や児童相談所運営指針(厚生労働省)などで確認しておきましょう。指針は常に最新のものを参考にしましょう。

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