保育士の過去問
令和5年(2023年)前期
子ども家庭福祉 問18

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問題

保育士試験 令和5年(2023年)前期 子ども家庭福祉 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
Mちゃんは、N保育所に通う2歳児(女児)である。発話が極端に少なく、意思表示が明確でないことも多い。担当のS保育士は、Mちゃんの腕に、打撲のような跡があるのを見つけた。さらに1か月後に、着替えの際に、脇腹にはっきりとしたあざを見つけた。送迎の際、母親とはコミュニケーションは取れるものの、保育士からの会話を避けるような様子が見られた。

【設問】
次のうち、N保育所の対応として、不適切な記述を一つ選びなさい。
  • S保育士は、母親の様子について、保育所長に報告した。
  • 子ども虐待の可能性もあるため、市町村と情報共有を行った。
  • 保育所内で情報共有するとともに、あざについて記録を作成した。
  • 母親に過去にも打撲痕を確認したことを伝え、なぜあざができたのか明確な説明を求めた。
  • 母親に何か子育てで困ったことがあったらいつでも相談に乗れることをさりげなく伝えた。

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この過去問の解説 (2件)

01

本問題は、虐待の疑いがある子どもの対応に関する事例問題です。

虐待の疑いのある子どもをみつけた場合、保育所は市町村や児童相談所に通報する義務があります。

その点を踏まえ問題に取り組んでみましょう。

こちらは不適切なものを選択する問題です。解答を間違えないようにしましょう。

選択肢1. S保育士は、母親の様子について、保育所長に報告した。

保育所内で、担当する子どもに虐待の疑いを感じたら、保育士1人で対応せずに上司や施設長に相談しましょう。その後、虐待に該当する場合は、市町村や児童相談所へとつながっていきます。

そのためこちらの選択肢は、適切です。

選択肢2. 子ども虐待の可能性もあるため、市町村と情報共有を行った。

保育所内で子どもの虐待の疑いを発見したら、上司や施設長に相談し、その後市町村に相談します。

そのため、こちらの選択肢は、適切です。

選択肢3. 保育所内で情報共有するとともに、あざについて記録を作成した。

保育所内で子どもの虐待の疑いを発見したら、上司や施設長に相談をします。その際、虐待に該当するかを保育所内で確認する必要があります。

その際、「いつ、どこに、どんな」など記録を作成しておくと情報が整理され、虐待に該当するのかを判断しやすくなります。

また、保育所内で情報共有をしておくと、同じケースの状況が発生した場合の判断材料の1つとして使用することができます。

そのため、こちらの選択肢は適切です。

選択肢4. 母親に過去にも打撲痕を確認したことを伝え、なぜあざができたのか明確な説明を求めた。

虐待がまだ疑いの段階で母親にや保護者に確認をしてしまうと、虐待でなかった場合、保育所と保護者との信頼関係が崩れてしまう恐れがあります。

そのため、こちらの選択肢は不適切です。

選択肢5. 母親に何か子育てで困ったことがあったらいつでも相談に乗れることをさりげなく伝えた。

虐待をしてしまう背景には、家庭内の問題や保護者個人の問題など、虐待が起こりうる原因があります。

また、保護者は相談する相手もおらずどうしていいのかわからない状況になっていることも想定できます。

そのため、保育士は、保護者が気兼ねなく悩みを相談できるように環境を整えておくことも必要です。

そのため、こちらの選択肢は適切です。

まとめ

本問題の事例は、保育を行っていると実際に出会うかもしれない内容です。

保育所で虐待の疑いが発生した場合の対応に関するガイドラインは、厚生労働省のホームページなどに掲載されていますので、確認しておきましょう。

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02

保育士は、児童虐待早期発見の要となることがあります。

対応を誤ると子どもたちの危険にも関わってくる場合があるので

複数の視点で見守り、慎重に対応する必要があります。

選択肢1. S保育士は、母親の様子について、保育所長に報告した。

適切です。

園全体で情報共有していきます。

選択肢2. 子ども虐待の可能性もあるため、市町村と情報共有を行った。

適切です。

その他児童相談所など、他職種とも連携して対応にあたります。

選択肢3. 保育所内で情報共有するとともに、あざについて記録を作成した。

適切です。

状況に応じて、写真などに残しておくのも必要です。

選択肢4. 母親に過去にも打撲痕を確認したことを伝え、なぜあざができたのか明確な説明を求めた。

不適切です。

一方的に非難したり指導すると、

保育士と保護者の間に亀裂が生じる可能性があります。

保護者の気持ちに共感し、寄り添う姿勢が大切です。

選択肢5. 母親に何か子育てで困ったことがあったらいつでも相談に乗れることをさりげなく伝えた。

適切です。

保護者も子育に不安を感じ、孤立しているかもしれません。

まとめ

園の職員、地域の他職種との連携を図り

包括的な支援を進めましょう。

保護者には共感的態度で接し、普段から相談しやすい関係づくりに努めます。

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