保育士の過去問
令和5年(2023年)前期
保育の心理学 問19
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問題
保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育の心理学 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、保育の中でみられる子どもの姿についての記述である。A~Dを説明する用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A まだ文字を読めない子どもが、お気に入りの絵本を見ながらまるで文字が読めるかのようにふるまう。
B 子どもに「お散歩に行こう」と声をかけると、帽子を取りに行き、靴を履こうとする。
C 自分が遊んでいる遊具に他児が近づいてくると、「今、私が遊んでいるからだめ」と言う。
D 3歳児が砂を入れた容器を差し出して「アイスクリーム食べて」と言った時に、保育士が「冷凍庫に入れてあとで食べるよ」と応じると、急に真顔になり、「本当は食べちゃダメなんだよ」とわざわざ言う。
【語群】
ア ナラティブ イ いやいや期 ウ プレリテラシー エ メタコミュニケーション
オ 自己主張 カ リテラシー キ 二次的ことば ク スクリプト
A まだ文字を読めない子どもが、お気に入りの絵本を見ながらまるで文字が読めるかのようにふるまう。
B 子どもに「お散歩に行こう」と声をかけると、帽子を取りに行き、靴を履こうとする。
C 自分が遊んでいる遊具に他児が近づいてくると、「今、私が遊んでいるからだめ」と言う。
D 3歳児が砂を入れた容器を差し出して「アイスクリーム食べて」と言った時に、保育士が「冷凍庫に入れてあとで食べるよ」と応じると、急に真顔になり、「本当は食べちゃダメなんだよ」とわざわざ言う。
【語群】
ア ナラティブ イ いやいや期 ウ プレリテラシー エ メタコミュニケーション
オ 自己主張 カ リテラシー キ 二次的ことば ク スクリプト
- A:ウ B:ア C:イ D:キ
- A:ウ B:ク C:オ D:エ
- A:ウ B:ク C:オ D:キ
- A:カ B:ア C:イ D:エ
- A:カ B:ク C:オ D:キ
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、保育の中でみられる子どもの姿について問われています。
保育を行っているとみられる子どもの姿を用語として置き換えた場合、どの用語になるのかを結び付けながら問題を解いてみましょう。
Aで選択した「ウ プレリテラシー」は適切です。
プレリテラシーとは、あたかも読み書きができるようにふるまう姿のことを指します。
読み書きができるようになる前段階と捉えておき、対応しましょう。適切に対応することで、子どもは認められたと感じ、より読み書きに興味を持つでしょう。
Bで選択した「ア ナラティブ」は不適切です。
ナラティブとは、物語や語りという意味ですので、Bの記述には当てはまりません。
ちなみに、支援方法に「ナラティブ・アプローチ」というものがあり、会話の中で相手のストーリーを聞き、問題解決となるキーワードを自身が見つけ出せるように支援する方法がありますので、合わせて覚えておきましょう。
Bの記述では、保育士の伝えたことに対し行動していますので、「ク スクリプト」が適切です。
スクリプトとは、台本という意味がありますが、保育ではこれまで経験した知識を基に、一連の行動をするという意味になります。
Cで選択した「イ いやいや期」は不適切です。
いやいや期とは、1歳半から2歳ごろの子どもが何でも「嫌」といって拒否をしたり、不満を感じると泣いたり、怒ったりする時期のことをいいます。
Cの記述では、自分が遊んでいるものに対して、他児が近寄ると自分のものだと主張していますので、「オ 自己主張」が適切です。
自己主張は、2歳ごろからはじまるといわれており、自身の思いを外に伝えるということができるようになったのだと捉えておきましょう。
Dで選択した「キ 二次的ことば」は不適切です。
二次的ことばとは、授業で発表するように不特定多数の人に向けて話すことばのことをいいます。
幼児期から児童期に、一次的ことばで話しことばを身に付け、その後、書きことばと話しことばを身に付けます。
Dの記述のように、おままごとをしている状況ですが、急に現実的な対応で子どもが伝えていますので、「エ メタコミュニケーション」が適切です。
メタコミュニケーションとは、相手とコミュニケーションを取るために相手の様子を伺うというもので、メタとは、自分が認知したことを認知するという意味があります。
Dの記述でいうと、アイスクリームを作ったのだが、実際は砂でできていると認知したため、コミュニケーションを取ってそのことを伝えたという風に捉えることができます。
以上のことから、本選択肢は不適切です。
Aで選択した「ウ プレリテラシー」は適切です。
Bで選択した「ク スクリプト」は適切です。
Cで選択した「オ 自己主張」は適切です。
Dで選択した「エ メタコミュニケーション」は適切です。
以上のことから、本選択肢は適切です。
Aで選択した「ウ プレリテラシー」は適切です。
Bで選択した「ク スクリプト」は適切です。
Cで選択した「オ 自己主張」は適切です。
Dで選択した「キ 二次的ことば」は不適切です。
以上のことから、本選択肢は不適切です。
Aで選択した「カ リテラシー」は不適切です。
リテラシーとは、読んだり書いたりする能力のことをいいます。
Aの記述をみると、「まだ文字を読めない子どもが、まるで文字が読めるかのようにふるまう」とありますので、まだ文字を読むことができません。
そのため、Aでは「ウ プレリテラシー」が適切です。
「プレ」とは「前」という意味がありますので、「プレリテラシー」とは、読んだり書いたりする前の段階の能力と捉えることができます。
その他、リテラシーという用語は、情報リテラシー、プレリテラシーと使われることがありますので、合わせてまとめておきましょう。
Bで選択した「ア ナラティブ」は不適切です。
Cで選択した「イ いやいや期」は不適切です。
Dで選択した「エ メタコミュニケーション」は適切です。
以上のことから、本選択肢は不適切です。
Aで選択した「カ リテラシー」は不適切です。
Bで選択した「ク スクリプト」は適切です。
Cで選択した「オ 自己主張」は適切です。
Dで選択した「キ 二次的ことば」は不適切です。
以上のことから、本選択肢は不適切です。
この問題は、保育を行っているとみられる子どもの姿について問われているものでした。
覚えにくい用語もありますが、子どもの様子を思い浮かべ、「この状況は〇〇だ」と用語と意味をリンクできるようにまとめておくと、解答に導きやすくなるでしょう。
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02
A:ウ プレリテラシー
【まだ文字を読めない子どもが、お気に入りの絵本を見ながらまるで文字が読めるかのようにふるまう】ことをプレリテラシーといいます。
B:ク スクリプト
【子どもに「お散歩に行こう」と声をかけると、帽子を取りに行き、靴を履こうとする】ことをスクリプトと言います。
声かけから行動を促し、子どもに次にすべき行動を考えさせ、自分のスクリプトを獲得していくよう促します。
C:オ 自己主張
【自分が遊んでいる遊具に他児が近づいてくると、「今、私が遊んでいるからだめ」と言う】行動は、自己主張といえます。
自分の意思や気持ちを何らかの形で表現するようになることです。
D:エ メタコミュニケーション
【3歳児が砂を入れた容器を差し出して「アイスクリーム食べて」と言った時に、保育士が「冷凍庫に入れてあとで食べるよ」と応じると、急に真顔になり、「本当は食べちゃダメなんだよ」とわざわざ言う】ことは、メタコミュニケーションといえます。
メタコミュニケーションとは、相手のことを意識してコミュニケーションをとることです。
正解です。
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