選択肢1. A:○ B:○ C:○ D:○
Aの記述に関して、ボウルビィ(Bowlby, J.)はアタッチメント(愛着)を4段階に分けています。
Aの記述にある「分離不安や人見知り」がみられるのは、3段階目になります。
したがって、Aの解答は×です。
ちなみに、ボウルビィ(Bowlby, J.)によるアタッチメント(愛着)の4段階は、以下のとおりになります。
第1段階は、生まれてから生後12週ごろで、周囲の人に興味を持ち笑いかけたり、泣いたりします。特定の人に対してではなく、周囲の人と関わろうとする段階です。
第2段階は、生後6か月ごろまでで、特定の人(特に母親)に対しての関りが強くなります。この段階では、母親の見分けがついているといわれています。
第3段階は、2から3歳ごろまでで、自身の親とその他の人の区別ができるようになります。また、知らない人に対して不安になったり、警戒するようにもなる、分離不安や人見知りの段階といわれています。
第4段階は、年齢は3歳ごろで、母親など特定の人がいなくても情緒を安定できるようになります。また、母親との間に協調性の基礎が形成され、母親の考えや行動を洞察できる段階といわれています。
Bの記述のように、保育所で子どもが周囲と関わりが上手くいかないときなど、不安に感じているときに、保護者の代わりに子どもの安全基地になるのは、保育士です。そのため、保育士は子どもとの愛着関係の形成を心がけることが大切です。
したがって、Bの解答は〇です。
Cの記述のように、エインズワース(Ainsworth, M.D.S.)は、アタッチメント(愛着)の個人差を調べるために、ストレンジ・シチュエーション法を考案しました。
したがって、Cの解答は〇です。
ちなみに、ストレンジ・シチュエーション法とは、プレイルームに母親と子どもが入室し、子どもが遊んでいる間に、母親と知らない人が入れ替わり子どもと関わることで、子どもはどのような反応を示すかを調べた実験からきています。
この実験から、4つのパターンに分かれることがわかりました。
「安定型」は、母親がいれば安定し、知らない人がいると不安になるが母親が戻ると安心して遊びだす状態です。愛着関係ができている状態といわれています。
「回避型」は、母親がいてもいなくても愛着行動を示さない状態です。
「葛藤型」は、母親といると安定しているが、母親がいなくなると不安や恐怖を示し、母親が戻ってくると接触の他に敵意や攻撃を示します。
「無秩序・無方向型」は、これまでの3つのパターンどれにも該当しない状態で、子どもが母親に対して安心できない状態といわれており、不適切な養育や虐待がみられる場合にこの状態になるといわれています。
Dの記述のように、アタッチメント(愛着)は、物理的に接触をしなくても、表現能力の発達により、イメージによって安心感を得られるようになります。
したがって、Dの解答は〇です。
以上のことから、「A:× B:〇 C:〇 D:〇」となります。
そのため、本選択肢は不適切です。