保育士 過去問
令和6年(2024年)後期
問18 (保育原理 問18)

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問題

保育士試験 令和6年(2024年)後期 問18(保育原理 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
S保育所の5歳児クラスでは、発表会でダンスをすることになった。発表会当日、ダンスの様子を見ていたR君の母親は、我が子がうまくダンスを踊れていないことに驚いていた。ダンスの発表が終わった後、R君の母親が担当保育士に「うちの子は、いつもうまく踊れていると言っていたので、もう一度別の日にダンスの発表会を行ってほしい」と興奮した様子で伝えてきた。

【設問】
次のうち、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」に照らし、担当保育士の今後の対応として、適切な記述を2つ選びなさい。
  • R君の母親の意見は親として当たり前の要求だと考え、その場で別の日にダンスの発表を行うことを約束する。
  • 他の保護者も同じように考えているかもしれないので、R君の母親の意見を他の保護者にそのまま伝える。
  • R君の母親の意見を受けて、施設長や主任などと話し合って返答することを約束する。
  • R君が家で話している内容は、子どもの言うことなので、言葉通りに受け止めないように母親に伝える。
  • R君が楽しんでダンスの練習に取り組んでいたことを伝え、これまでのR君の成長の過程に母親が気付けるようにする。

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この過去問の解説 (2件)

01

保護者対応の問題です。

選択肢1. R君の母親の意見は親として当たり前の要求だと考え、その場で別の日にダンスの発表を行うことを約束する。

不適切です。

社会人として、園長や主任等の判断を仰がず、独断で保護者へ安易な約束をするべきではありません

選択肢2. 他の保護者も同じように考えているかもしれないので、R君の母親の意見を他の保護者にそのまま伝える。

不適切です。

R君の保護者が感じたことであり、R君個人に起きた出来事です。個人情報として捉え、安易に他言するべきではありません

選択肢3. R君の母親の意見を受けて、施設長や主任などと話し合って返答することを約束する。

適切です。

R君の母親の意見を聞き、保護者の思いに寄り添うことで、まずは「思い通りにできなくてかわいそうだと感じた」気持ちを受け止めます。その上で、施設長や主任などへ報告し、園としての対応を協議して返答する必要があるでしょう。

選択肢4. R君が家で話している内容は、子どもの言うことなので、言葉通りに受け止めないように母親に伝える。

不適切です。

子どもの言うことをきちんと受け止めた上で、なぜそのように発言(表現)するのかを一緒に考えていく姿勢が大切です。子どもが嘘つきであるということを言うべきではありません。

選択肢5. R君が楽しんでダンスの練習に取り組んでいたことを伝え、これまでのR君の成長の過程に母親が気付けるようにする。

適切です。

行事はこれまでの練習を披露する場に過ぎません。大切なことは行事を通して、R君がどのような思いで取り組み、どう成長してきたのかです。結果だけに捕らわれず、これまでの過程に目を向けられるように保護者へ伝えていくことは望ましい対応であると言えます。

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02

まずは、保護者の気持ちを丁寧に受け止め、寄り添った対応が求められます。

選択肢1. R君の母親の意見は親として当たり前の要求だと考え、その場で別の日にダンスの発表を行うことを約束する。

不適切です。

 

発表会は園全体の行事なので、その場で約束するのは適切ではありません。

母親の気持ちを受け止めた上で、本番では雰囲気も違うためいつもの姿が発揮できないこともあるなど、いつものR君の姿やそれまでの頑張る様子を伝えていきましょう。

選択肢2. 他の保護者も同じように考えているかもしれないので、R君の母親の意見を他の保護者にそのまま伝える。

不適切です。

 

この対応は、R君と母親のプライバシー保護に反することになります。

選択肢3. R君の母親の意見を受けて、施設長や主任などと話し合って返答することを約束する。

適切です。

 

母親の気持ちを受け止めた上で、施設長や主任などに相談し、話し合っていくようにします。

その際、園の方針や、R君の取り組みの過程などを丁寧に伝えることを心がけましょう。

選択肢4. R君が家で話している内容は、子どもの言うことなので、言葉通りに受け止めないように母親に伝える。

不適切です。

 

子どもの言うことには曖昧さもあるが、言葉通りに受け止めないように伝えるのは、自分の子どもを信じるなと言われているように感じるかもしれません。

選択肢5. R君が楽しんでダンスの練習に取り組んでいたことを伝え、これまでのR君の成長の過程に母親が気付けるようにする。

適切です。

 

できなかったことよりも、R君の今までの取り組んでいた姿を伝えることで、成長を感じてもらうようにします。「保育所保育指針」第4章子育て支援(1)保育所の特性を生かした子育て支援に、「保育所の特性を生かし、保護者が子どもの成長に気付き子育ての喜びを感じられるように努めること」と示されています。

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