1級建築施工管理技士の過去問
平成30年(2018年)
午前 問28

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問題

1級 建築施工管理技術検定試験 平成30年(2018年) 午前 問28 (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリートの運搬及び打込みに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 粗骨材の最大寸法が25mmの普通コンクリートを圧送する場合の輸送管の呼び寸法は、100A以上とする。
  • コンクリートの圧送に先立ち圧送される先送りモルタルは、品質を低下させるおそれがあるので、型枠内には打ち込まない。
  • マスコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として、40℃以下となるようにする。
  • 高性能AE減水剤を用いた高強度コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、外気温にかかわらず、原則として、120分を限度とする。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は3です。

1:設問通りです。
普通骨材で粗骨材の最大寸法が20㎜、25㎜の場合は、配送管の呼び寸法は100Aとします。
同じ普通骨材でも粗骨材の最大寸法が40㎜の場合は、配送管の呼び寸法は125Aとします。
また、軽量骨材の場合は、吸水率が高く、ポンプ圧送時の圧力吸水により、輸送管内での閉塞を生ずるおそれがあるので、特に、高所圧送や長距離圧送の場合には、輸送管の径を125A以上とします。
尚、Aは、A呼称で「㎜」を意味します。

2:設問通りです。
先送りモルタルとは、コンクリートの 圧送に先立ち、富配合(調合)のモルタルを圧送することです。
先送りモルタルは次のような理由で実施されます。
・圧送管内の湿潤性を持たせる。
・コンクリートの品質低下を防止する。
・圧送管内の溜まり水やゴミ等を除去する。
また 、先送りモルタルには、ポンプ車洗浄後のグリス (油脂)が相当混入しており、硬化不良を起こします。したがって、吐出後の先送りモルタルは、品質が低下しているので、型枠内に打ち込まず適正に廃棄する必要があります。

3:誤りです。
大断面の地中梁など、部材断面寸法が大きな部分に打ち込まれるマスコンクリートは、水和発熱が内部に蓄積され、温度が高くなりすぎるおそれがあるため、荷卸し時の上限を35℃と定めています。
コンクリートの温度は、高すぎても低すぎてもいけません。その上限、下限について、寒中コンクリート、暑中コンクリートの荷下ろし温度についても同様におさえておきましょう。

4:設問通りです。
コンクリートの「練混ぜから打込み終了までの時間」に関する設問です。
通常、外気温25℃未満の場合は120分以内、25℃以上の場合は90分以内です。
しかし、高強度コンクリート、高流動コンクリートの「練混ぜから打込み終了までの時間」は、外気温にかかわらず120 分以内とします。

補足として、高強度コンクリートの適応範囲は、日本建築学会の建築工事標準仕様書・同解説JASS5で「設計基準強度が36N/㎜²を超えるコンクリート」と規定されています。粘性が大きくても流動性の良いコンクリートを確保するために、減水率が高くかつスランプ保持性に優れた高性能AE減水剤を使用することが有効になります。高性能AE減水剤は、高い減水性能と優れたスランプ保持性能を有する混和剤であり、一般の強度のコンクリートから高強度コンクリートや高流動コンクリートまで、幅広く使用されています。

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02

以下、選択肢ごとに解説します。

選択肢1. 粗骨材の最大寸法が25mmの普通コンクリートを圧送する場合の輸送管の呼び寸法は、100A以上とする。

正しい。

設問の通りです。

選択肢2. コンクリートの圧送に先立ち圧送される先送りモルタルは、品質を低下させるおそれがあるので、型枠内には打ち込まない。

正しい。

設問の通りです。

選択肢3. マスコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として、40℃以下となるようにする。

誤り。

マスコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として、35℃以下となるようにします。

選択肢4. 高性能AE減水剤を用いた高強度コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、外気温にかかわらず、原則として、120分を限度とする。

正しい。

設問の通りです。

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