1級建築施工管理技士 過去問
令和2年(2020年)
問28 (午前 問28)

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問題

1級建築施工管理技士試験 令和2年(2020年) 問28(午前 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

構造体コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • アルカリシリカ反応性試験で無害でないものと判定された骨材であっても、コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m3以下とすれば使用することができる。
  • コンクリートの単位セメント量の最小値は、一般に250kg/m3とする。
  • 細骨材率が大きくなると、所定のスランプを得るのに必要な単位セメント量及び単位水量は大きくなる。
  • 水セメント比を小さくすると、コンクリート表面からの塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

答え(誤り)は 2 です。

コンクリートの単位セメント量の最小値は、一般に270㎏/㎥です。

したがって設問2の「250㎏/㎥」は誤りです。

1.正しいです。

3.正しいです。

4.正しいです。

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02

構造体コンクリートの調合に関する各記述の詳細を検証し、不適切な内容を特定します。

選択肢1. アルカリシリカ反応性試験で無害でないものと判定された骨材であっても、コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m3以下とすれば使用することができる。

適切です。

アルカリシリカ反応(ASR)はコンクリート内で問題を引き起こす可能性があるため、アルカリの量を制限することでこの反応を抑制し、問題の骨材を安全に使用することが可能です。

選択肢2. コンクリートの単位セメント量の最小値は、一般に250kg/m3とする。

不適切です。

コンクリートの単位セメント量は、構造物の耐久性と施工性能を確保できるよう、設計条件や骨材寸法を踏まえて決めます。一般的な普通コンクリート(粗骨材の最大寸法20〜25mm)の場合、日本建築学会JASS5では270kg/m3以上が推奨されています。一方、土木学会「コンクリート標準示方書」では、粗骨材40mmの場合は250kg/m3以上として差し支えないとされています。したがって、最小値を一律に250kg/m3と決めることはできず、構造形式、使用環境、強度、骨材寸法などを勘案して適切に設定する必要があります。

選択肢3. 細骨材率が大きくなると、所定のスランプを得るのに必要な単位セメント量及び単位水量は大きくなる。

適切です。

細骨材の比率が高いと、混和水の量も多く必要とされるため、スランプを維持するためにはより多くの水とセメントが必要になります。

選択肢4. 水セメント比を小さくすると、コンクリート表面からの塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。

適切です。

水セメント比が低いと、コンクリートはより密であり、外部からの侵入物質、特に塩化物イオンの侵入に対する抵抗力が増します。

まとめ

「コンクリートの単位セメント量の最小値は、一般に250kg/m3とする」という記述が最も不適切です。コンクリートの設計においては、その用途や環境条件に応じて最適なセメント量を定める必要があり、一律の値を設定することは適切ではありません。

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