1級建築施工管理技士の過去問
令和3年(2021年)
午前 問5

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

1級 建築施工管理技術検定試験 令和3年(2021年) 午前 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 柱の主筋はD13以上の異形鉄筋とし、その断面積の和は、柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。
  • 柱のせん断補強筋の間隔は、柱の上下端から柱の最大径の1.5倍又は最小径の2倍のいずれか大きい方の範囲内を150mm以下とする。
  • 梁の主筋はD13以上の異形鉄筋とし、その配置は、特別な場合を除き2段以下とする。
  • 梁のせん断補強筋にD10の異形鉄筋を用いる場合、その間隔は梁せいの1/2以下、かつ、250mm以下とする。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

鉄筋組立の問題は毎年のように出題されています。

部位によって異なる名称やサイズ、断面積、定着に関する数字を整理して覚えましょう。

柱と梁に分けてしっかり覚えておけば確実に点数がとれる問題です。

主筋の継手位置や方法についても頻繁に出題されます。

選択肢1. 柱の主筋はD13以上の異形鉄筋とし、その断面積の和は、柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。

【〇】

・鉄筋コンクリート造(RC造)で柱の主筋に使用される異形鉄筋のサイズはD13以上、本数は4以上です。

一般的に柱主筋は柱の重心軸に対称に配置されます。

・主筋断面積はコンクリート断面積(柱断面積)の0.8%以上です(主筋比)。

(参考)梁の主筋比は0.4%以上、せん断補強筋比は柱・梁共通で0.2%以上です。

選択肢2. 柱のせん断補強筋の間隔は、柱の上下端から柱の最大径の1.5倍又は最小径の2倍のいずれか大きい方の範囲内を150mm以下とする。

【✕】

・先ずイメージから覚えましょう。柱の帯筋間隔は100mm以下が原則です。

・柱と梁の接合部(仕口部)は剛性が大きく変形しないから150mm以下で大丈夫です。

・柱の上下端から「柱最大径の1.5倍」または「柱最小径の2倍」のどちらか大きい方の範囲外で150mm以下まで緩和されます。

※この時の柱の上下端とは、柱に接合している壁、梁、横架材の上下端のことを指します。

範囲外とは柱の中央部を除く部分とイメージすれば良いでしょう。

選択肢3. 梁の主筋はD13以上の異形鉄筋とし、その配置は、特別な場合を除き2段以下とする。

【〇】

・鉄筋コンクリート造(RC造)で梁の主筋に使用される異形鉄筋はD13以上です。

梁の応力が大きい場合、梁主筋が1段では不足するため一般的に2段筋が採用されます。

鉄筋量を増やすことが目的です。

梁せいを大きくするよりも経済的で自由度が大きい利点があります。

応力が大きい梁端部や中央部を2段筋とすることが一般的です。

2段筋は上端筋から吊る(ぶら下げる)ように配置します。

上端筋と下端筋の組み合わせを2段筋とするのは勘違いです。

(参考)特別な場合とは、柱に対して梁が斜めに取りつくケースなどを指します。

選択肢4. 梁のせん断補強筋にD10の異形鉄筋を用いる場合、その間隔は梁せいの1/2以下、かつ、250mm以下とする。

【〇】

・梁のせん断補強筋(あばら筋、スターラップ)にD10またはD9を用いる場合、

その間隔は梁せいの1/2以下、かつ250mm以下です。

・あばら筋は主筋をぐるりと巻いて両端部を内側へ135°以上折り曲げる、

または両端部を溶接して定着させます。

溶接閉鎖型は施工が困難なため一般的には折り曲げて定着させます。

※せん断補強筋比は柱・梁とも0.2%以上ですが、

断面積比である主筋比とは計算方法が異なるので注意して下さい。

まとめ

柱と梁の断面図に主筋、せん断補強筋を書き入れて整理すると覚えやすいです。

特に、柱と梁の接合部、梁の主筋の継手位置などもノートに図式し、

コンクリートJASS5と合わせてRC造の躯体を総合的に理解することをおススメします。

参考になった数36

02

鉄筋コンクリートの問題は、似たような数字が多く出てきますので、覚えにくく感じます。丁寧に暗記しましょう。

実際の現場では、一番面白いところですので、工事現場の写真を見ると頭に入りやすくなります。

選択肢1. 柱の主筋はD13以上の異形鉄筋とし、その断面積の和は、柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。

柱の主筋は、D13以上の異形鉄筋が必要です。

柱コンクリートの全断面積の和は、0.8%以上で正解です。

選択肢2. 柱のせん断補強筋の間隔は、柱の上下端から柱の最大径の1.5倍又は最小径の2倍のいずれか大きい方の範囲内を150mm以下とする。

柱のせん断補強筋(帯筋)の間隔は、100㎜以下です。

(ただし、柱上下端より柱の最大径の1.5倍または最少径の2倍のいずれか大きい方の範囲外では、

せん断補強筋(帯筋)間隔を150㎜まで増大できます。

選択肢3. 梁の主筋はD13以上の異形鉄筋とし、その配置は、特別な場合を除き2段以下とする。

梁の主筋は、D13以上です。

梁の応力が大きい場合の選択枝として、2段筋を用いる場合があります。

選択肢4. 梁のせん断補強筋にD10の異形鉄筋を用いる場合、その間隔は梁せいの1/2以下、かつ、250mm以下とする。

「せん断補強筋=あばら筋=スターラップ」

あばら筋は、梁幅に対して0.2%以上の鉄筋量を入なければなりません。

まとめ

鉄筋コンクリートの問題は、言い回しをかえた形で出題される事があります。

慌てず数値を見ていくと見慣れた問題である事が大半です。

参考になった数38

03

鉄筋に関しての問題は、鉄筋径(D)、種類(SD)定着長さ(L)など数字が多く苦手な方もいるかとは思いますが、基本を覚えて確実に正解を選びましょう。

選択肢1. 柱の主筋はD13以上の異形鉄筋とし、その断面積の和は、柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。

この解答は『 〇 』です。

 

柱の主筋サイズはD13以上の異形鉄筋となり、柱主筋の断面積の和(鉄筋量)は、コンクリート全断面積の0.8%以上となります。

 

また、柱の帯筋の鉄筋量はコンクリート全断面積の0.2%以上となります。

選択肢2. 柱のせん断補強筋の間隔は、柱の上下端から柱の最大径の1.5倍又は最小径の2倍のいずれか大きい方の範囲内を150mm以下とする。

この解答は『 ✖ 』です。

 

柱のせん断補強筋(帯筋)の間隔は、柱の上下端から柱の最大径の1.5倍又は最小径の2倍のいずれか大きい方の範囲内を100mm以下としなければなりません。

 

また、柱梁接合部内の帯筋の間隔の場合は原則150㎜以下かつ、その接合部に隣接する柱の帯筋間隔の1.5倍以下となるようにしなければなりません。

選択肢3. 梁の主筋はD13以上の異形鉄筋とし、その配置は、特別な場合を除き2段以下とする。

この解答は『 〇 』です。

 

2段筋は中吊り筋とも呼ばれています。

選択肢4. 梁のせん断補強筋にD10の異形鉄筋を用いる場合、その間隔は梁せいの1/2以下、かつ、250mm以下とする。

この解答は『 〇 』です。

 

せん断補強筋はD10やD13を使用するのが一般的で、鉄筋比は0.2%以上となります。

まとめ

数字が出てくる問題が多く出題されるので、部位ごとに異なるものをしっかりと覚えて確実に点数を取りましょう。

参考になった数10