1級建築施工管理技士の過去問
令和3年(2021年)
午前 問6
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問題
1級 建築施工管理技術検定試験 令和3年(2021年) 午前 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- H形鋼は、フランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると 局部座屈を生じやすい。
- 部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合いは、普通ボルト接合より高力 ボルト摩擦接合の方が大きい。
- シヤコネクタでコンクリートスラブと結合された鋼製梁は、上端圧縮となる曲げ応力に対して横座屈が生じにくい。
- H形鋼における、局部座屈の影響を考慮しなくてもよい幅厚比については、柱のウェブプレートより梁のウェブプレートの方が大きい。
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この過去問の解説 (3件)
01
鉄骨構造の問題では、用語の意味をしっかりと理解しましょう。
H形鋼のフランジ= II
H形鋼のウェブ = 一
「幅厚比が大きい」つまりどちらかが弱いという事です。
普通ボルトでの接合を支圧接合といいます。
支圧接合はボルト軸に力がかかります。
一方、高力ボルトでの接合を摩擦接合といいます。
接合している鋼材同士の摩擦力(すべらない力)です。つまりは、面に力がかかりますので、
応力集中は低いと言えます。
シアコネクタとは異なる部材を接合するための金具です。
コンクリートスラブにH形鋼が横たわっているイメージです。
上から力をかけてもコンクリートスラブが土台となるので、横に座屈しません。
梁は、H形鋼を横に使います。
柱は、H形鋼を縦に使います。
H形鋼を縦に使う際、ウェブが薄いと重みで座屈します。
鉄骨構造は、みたことがなければ用語のイメージも掴みにくく、小難しい問題に
感じてしまします。
一度実物(写真)を見てみると良いでしょう。
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02
鉄骨造(S造)では鉄骨建方に関する出題がほぼ例年あり、次に多く出題されているのが溶接と高力ボルトについての質問です。溶接と高力ボルトは1年毎に交互に出題されていますから、これら3項目については必ず覚えておきましょう。
【〇】
・H鋼の梁の断面をイメージして下さい。上下端にある水平部がフランジ、垂直部がウェブです。
・幅厚比とは部材の幅に対する断面厚の比のことです。
・フランジの幅をa,厚さをtとした場合、幅厚比はaに比例し、tに反比例します。
・「幅厚比が大きい=厚さtが薄い(小さい)」となりますから、当然、板厚が薄いと局部座屈が起こりやすくなります。
(参考)座屈は圧縮力により発生。板巾が広く、板厚が薄いほど局部座屈が発生。
【✕】
・摩擦接合について理解していれば解ける問題です。
・高力ボルト摩擦接合では応力が発生した場合、普通ボルトのように支圧面だけで応力を受けるのではなく、鋼板間の摩擦面で応力を伝えます。
・応力を伝える面積は「高力ボルト摩擦接合>普通ボルト接合」ため、
応力集中は「高力ボルト摩擦接合<普通ボルト接合」となります。
単位面積あたりの応力をイメージすると理解できます。
(参考)高力ボルト引張接合では継手への荷重がボルト軸方向、摩擦接合ではボルト軸に対して水平方向である。
【〇】
・シヤコネクタは異なる部材を接合・一体化させる鋼製部材(金具)です。
・コンクリートスラブと鉄骨をシヤコネクタで結合する理由は、
鉄骨梁の上にあるスラブを一体化させ、スラブの横ずれを防ぐためですから、
横座屈の発生は少なくなります。
・この場合のシヤコネクタは梁に溶接されたスタッドボルトです。
(参考)シヤコネクタでスラブと一体化された梁を合成梁といいます。
【〇】
・「鋼材の幅厚比」「座屈が圧縮力による」ことを理解していれば解ける問題です。
・幅厚比は板巾が広く、板厚が小さいほど大きくなります→座屈しやすい。
・H形鋼の柱と梁の断面を見ると、軸力(垂直方向の圧縮力)を受けるのは柱です。
・柱と梁のウェブの幅厚比では、梁の方が大きくても座屈しづらいことが分かります。
(参考)座屈は圧縮力により発生。板巾が広く、板厚が薄いほど局部座屈が発生。
鉄骨組立については組立工法と工場製作、溶接については工法と施工条件、高力ボルトについては特性と締め付け方法について整理します。基本を理解していればイメージで回答できる問題が多く出題される傾向がありますからサービス分野と言えます。
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03
鉄骨の部位、種類、用語をしっかり覚えましょう。
この解答は『 〇 』です。
幅厚比を小さくするということは、板幅が小さく板厚が大きくなるので、座屈が生じにくくなります。
この解答は『 ✖ 』です。
高力ボルト(ハイテンションボルト)はボルト周辺に広く分散した材間圧縮力を介して応力伝達が行なわれるので、応力集中が少なくなります。
この解答は『 〇 』です。
この解答は『 〇 』です。
鉄骨のウェブ、フランジ、ボルト等の部位ごとの用語をしっかりと覚えていきましょう。
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