1級建築施工管理技士の過去問
令和3年(2021年)
午前 問7
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問題
1級 建築施工管理技術検定試験 令和3年(2021年) 午前 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 杭の先端の地盤の許容応力度は、セメントミルク工法による埋め込み杭の場合より、アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の方が大きい。
- 杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
- 地盤から求める杭の引抜き抵抗力に杭の自重を加える場合、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。
- 杭の周辺地盤に沈下が生じたときに杭に作用する負の摩擦力は、一般に摩擦杭の場合より支持杭の方が大きい。
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この過去問の解説 (3件)
01
杭の問題は、地面の状態をイメージで覚える事で整理しやすくなります。
セメントミルク工法は、簡単に言うと穴を掘った後に、既製杭を入れる工法です。
既製杭は、固い地盤で支える杭です。
アースドリル工法は、穴にコンクリートを流して杭を作る工法です。
杭に面している場所の摩擦で支える杭です。
杭が支える事の出来る力の極限値は、和で表します。
自重を加えるのであれば、浮力分マイナスする必要があります。
摩擦杭の場合は、地盤と一緒に杭も沈下するので、負の摩擦力が小さいと言える。
杭の種類は覚えましょう。
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02
杭基礎については、鉛直支持力(先端支持力+周辺摩擦力)について次の通り理解しておくことが大切です。また、それぞれの杭工法は名前の由来から判断できます。
・極限先端支持力度:打込み>埋込み>場所打ち
・極限周囲摩擦力度:打込み<埋込み<場所打ち
【✕】
セメントミルク工法はその名の通り、根固めにセメントミルクを使う埋込み杭です。
まさかセメントミルクで杭を作ると考える人はいないでしょう。
アースドリルは場所打ち杭ですから先端支持力が最小である代わりに周囲摩擦力が最大です。
地面にドリルで穴を掘って杭を作りますからアースドリル工法です。
杭先端の地盤の許容応力度(先端支持力度)ですから、場所打ち杭であるアースドリル工法の方が地盤の許容応力度は小さくて済みます。
【〇】
杭は先端支持力と周辺摩擦力により鉛直荷重を支持しています。
「杭の鉛直支持力=先端支持力+周辺摩擦力」の関係にあります。
(参考)軟弱地盤で杭周辺に負の摩擦力(ネガティブフリクション)が作用する場合、
上記の関係は成立しません。
負の摩擦力は通常時に杭周囲に働いている摩擦力(上向き)と逆方向に働きます。
【〇】
杭の引抜き時に発生する引抜き抵抗力=杭周囲摩擦力+杭自重で計算できます。
杭の先端が地下水位より下にある場合、杭には水による浮力が発生しますから、実際の杭自重は
浮力を控除した数値となります。
なお、杭周辺摩擦力は、打込み<埋込み<場所打ちの順ですから、同サイズの杭の場合、
場所打ち杭の引抜き抵抗力がもっとも大きくなります。
【〇】
摩擦杭と支持杭の基本をおさえておけば簡単に回答できます。
摩擦杭は主に杭周辺摩擦力(杭表面と土質の摩擦力)により荷重を支持していますが、
支持杭は主に岩盤に当たっている杭先端支持力によって荷重を支持しています。
地盤沈下が生じた場合を考えると、摩擦杭は沈下する地盤や建物と一緒に沈みます。
一方、岩盤で支持されている支持杭の沈下は小さくとどまります。
・杭の沈下量:摩擦杭>支持杭
・周辺との沈下量の差:摩擦杭<支持杭
負の摩擦力(ネガティブフリクション)は杭と地盤との沈下量の差が大きいほど大きく作用しますから、支持杭の方が大きな負の摩擦力を生じます。
コンクリート杭工事の工法はたくさんあるように見えて、一般的には3種類です。
既製杭は打込みと埋込み、場所打ち杭は名前通り現場で作ります。
事前に穴を掘るのは埋込みと場所打ち杭です。
あとは場所打ち杭の3工法(アースドリル、リバース、オールケーシンク゛)を覚えればOKです。
杭問題は必ず1問が出題される傾向にあります。
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03
杭基礎は新築工事の序盤の工事です。工法が何種類かあるので、それぞれの工法をしっかり覚えましょう。
この解答は『 〇 』です(不適当)
許容応力度は、場所打ち杭→埋め込み杭→打ち込み杭の順に大きくなるので、この問題はアースドリル工法(場所打ち杭)よりセメントミルク工法(埋め込め杭)のほうが許容応力度が大きくなります。
杭基礎の工法と種類名を表にするとわかりやすいです。
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